J.D.パワージャパンによる「2021年 携帯電話サービス顧客満足度調査」の結果が発表されました。
今年は対面サポートを除いた低料金のオンライン専用ブランドがスタートし、サブブランドやMVNOも相次いで値下げを行うなど、携帯電話市場の活性化によって例年とは異なる結果が出たようです。
安い料金=高い満足度
これまでJ.D.パワー ジャパンの調査では、メインブランドのみを対象としていましたが、今年から「大手キャリア」「バリューキャリア」「MVNO」「オンライン専用ブランド/プラン」の4部門に分けて調査を実施しています。
1000点満点で測定される総合顧客満足度スコアは、オンライン専用ブランド/プランが平均664ポイントで1位。2位は648ポイントのMVNO、3位は643ポイントのバリューキャリア、4位は大手キャリアの588ポイントになっています。
オンライン専用ブランド/プランの満足度が高いのは、大手キャリアの料金から基本料が3,000円前後まで下がったことが原因でしょう。2位以降は料金の安い順で並んでいて、ランチタイムなど混雑時に速度が遅くなっても、サポートがそれほど充実していなくても、とにかく安い方が満足度は高いという結果です。
なお、第4のキャリアとして携帯電話事業に参入した楽天モバイルは、キャリアとして最高の641ポイントを記録。しかし、なぜか楽天モバイルは大手キャリアではなくバリューキャリアに分類されています。大手キャリア1位のドコモが595ポイントなので楽天のスコアはダントツですが、バリューキャリアの2位という謎の冷遇です。
オンライン専用ブランドが流出を防ぐ強力な武器に
オンライン専用ブランド/プラン部門での1位は675ポイントを獲得したソフトバンクのLINEMOになりました。
665ポイントのahamo、659ポイントのpovoと大きな差はないものの、各種費用、サービスメニュー、手続き・サポート対応で最高評価を獲得しています。
調査のなかで最も興味深いのはオンライン専用ブランド/プランを契約したユーザーの9割前後が同じ携帯電話事業者グループから移行したということ。
MVNOからオンライン専用ブランド/プランへの移行が各社6%以下ということもあって、一見他社は大きな打撃を受けていないように見えますが、大手キャリアはサブブランドに加えて、他社(MVNO含む)への流出を防ぐための新たな武器を得たということになります。
LINEMOは3GB・月額990円のプランを発表し、povoは明日29日から基本料0円のオールトッピングのプランを開始してテコ入れを行うなど、ますます注力を高めていくこともあって、大手キャリアからMVNOに移行するユーザーが減少し、携帯電話市場の活性化は実は大手のなかだけで起きているというこ途になりかねません。
通信品質とポイントの改善に期待するユーザー多数
携帯電話サービスに今後改善を期待するもの(全23項目)としては大手キャリア、バリューキャリア、MVNOともに「通信品質」が1位になっています。顧客満足度1位のオンライン専用ブランド/プランでは通信品質は4位でした。
オンライン専用ブランド/プランで改善を期待するもの1位は「ポイントプログラム」の改善で、他の部門でも3位までに入っています。PayPay、d払い、auPAY、楽天Payなど携帯電話事業者は決済とポイントを含む経済圏の構築・充実化に注力していることから、オンライン専用ブランド/プランでも恩恵を受けたいと考えているユーザーが多いようです。
なお、バリューキャリアとオンライン専用ブランド/プランでは「iPhoneの販売/ラインナップ」の改善を期待するユーザーが多いことも明らかになっています。一方、MVNOではiPhoneではなく「Androidの販売/ラインナップ」の改善を期待するユーザーが多いようです。
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