2013年から続いたソニーモバイルのフラグシップモデルシリーズ「Xperia Z」シリーズが終了し、新たに「Xperia X」シリーズが登場しました。
2016年夏、ドコモ・au・ソフトバンクから発売されるのはXシリーズ3機種のうち、最上位モデルの「Xperia X Performance」。発売前にお借りすることができたので、実際に使ってみた感想・レビューをお届けします。
より美しく、より持ちやすくなったデザイン
Xperiaのデザインと言えば、2013年に発売された初代Xperia Zから採用され続けている“どんな持ち方でも使いやすく、どこから見ても美しい”オムニバランスデザイン。
Xperia X Performanceにも継承され、新たに追加された3つのポイントでより使いやすく、より美しく仕上がっています。
ラウンドフォルム
Xperia Zシリーズのボディ形状は直線的なデザインで、“硬さ”が感じられました。両手でゲームを長時間プレイしたり、動画を視聴したり、電子書籍を読んでいると、手が痛くなることがありましたが、Xperia X Performanceでは角が丸いラウンド形状が採用されたことで、フィット感が増し、長時間操作しても手が疲れにくいデザインになっています。
メタル素材
これまでバックパネルには、直線的なイメージのガラスが採用されていましたが、ラウンドフォルムの採用に合わせてアルミに変更されました。
バックパネルのエッジ部をわずかに湾曲させることで持ちやすくなり、アルミには、カラーに合わせて高級感と上質感を持たせる加工が施されたことでより美しい仕上がりになっています。
一体感のあるカラーデザイン
スマートフォンのカラーは、バックパネルとフレームこそ色んなバリエーションがあるものの、フロントパネルは黒か白かの2択がほとんど。ケースを付けてしまえば、どれも同じに見えますが、Xperia X Performanceは全ての面を同じカラーで仕上げることで一体感のあるカラーデザインになっています。
どの角度から見ても美しいカラーリングの新しい全方位のオムニバランスデザインによって、そのままの利用はもちろん、スマホケースを付けてもお気に入りのカラーを楽しめるデザインになっています。
片手で操作しやすくなったボディサイズとディスプレイ
新しいオムニバランスデザインに搭載されるディスプレイは、Xperia Z5の5.2インチから5.0インチに小型化されました。
わずか0.2インチのインチダウンによって映像の迫力はそのままに、ボディサイズが横幅72mmから70.4mmまで小さくなったことで片手で操作しやすくなっています。
カメラ
カメラは2,300万画素のメインカメラと1,320万画素のフロントカメラを搭載。
メインカメラの画素数はXperia Z5シリーズから変化はないものの、フロントカメラの画素数はついに1,000万画素超え。3年前に発売されたXperia Aや、2016年夏モデルの中級クラスにまでグレードアップしています。
性能が向上したフロントカメラによって、自撮りはもちろん、トレンドの自撮りアプリ「Snapchat(スナチャ)」や、LINEの「egg」でもキレイに撮影できるほか、広角レンズで片手でもカンタンに複数人のグループショットが撮影できるのも嬉しいポイント。
スマホのカメラはポケットから取り出して、すぐに撮影できるのが一眼レフなど本格的なカメラにはない魅力。Xperia X Performanceは、専用のカメラキーを長押してから、起動→オートフォーカス→撮影までを最速約0.6秒で処理できることで、より素早く写真撮影ができます。
シャッタースピードが遅く、動く子供や動物の撮影を試みると、ブレてしまうこともよくあるのがスマホカメラですが、ディスプレイで被写体をタッチすると動きを予測してフォーカスを合わせる「先読みオートフォーカス」で子供や動物をブレずに撮影することが可能。
なお、4K動画の撮影モードは削除されていますが、サードパーティ製のアプリをダウンロードすることで撮影できます。>
Xperia X Performanceのカメラ作例
※クリックするとフルサイズで表示されます。
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カメラアプリの操作性が改善。スワイプでより直感的に、片手でもカンタン操作
カメラの操作性も刷新されました。これまで撮影モードの変更やフロントカメラ/メインカメラの切り替えはタッチ操作が必要でしたが、スワイプ操作が可能になったことで、iPhoneライクな直感的操作で、片手でも操作しやすくなりました。
高性能そのままに発熱を解消したプロセッサ
Xperia Z4 / Z5シリーズには、オクタコアのSnapdragon 810が搭載されました。発熱で話題になったプロセッサはメーカーの放熱対策によって徐々に改善されました。
Xperia X Performanceでは、新しいシリーズのプロセッサSnapdragon 820が搭載されています。コア数こそ8個から4個と、半分になったものの、クロック数は2GHz / 1.5GHzから2.2GHz / 1.6Ghzにアップされ、処理速度は約2倍、描画処理も1.4倍にまで性能アップしました。
高性能化することで気になるのは発熱ですが、ヒートシンクと、2枚の放熱シートを追加し、バックパネルの素材を熱の分散効率が高いアルミに変更、内部パーツ間の空間を確保するなど、発熱対策を行ったことで、放熱性能が約30%も向上しています。
実際に高い描画処理が必要になるゲームアプリ「NBA 2K16」をプレイしたところ、熱は32℃から42℃まで上がりました。最高温度だけ比較すれば、Xperia Z5 Premiumと同程度ですが、Z5 Premiumはサイズが大きく、熱がこもりにくいことや、気温の低い冬に計測していたことを考えると、発熱は着実に改善されているように思えます。
発熱で気になるのは熱そのものよりも、発熱に伴ってアプリの動作が遅くなることですが、Xperia X Performanceではそういった現象はなく終始快適にプレイできます。また、放熱シートを2枚追加するなどの発熱対策によるものか、ゲームアプリを終了すると、急速に熱が下がっていくのも嬉しいポイントです。
自動でキャッシュを削除して性能低下を抑える新機能「スマートクリーナー」
Xperia X Performanceが搭載するメモリの容量は3GBで、複数のアプリを切り替えても快適に利用できますが、
Xperia X Performanceは、3GBの豊富なメモリを搭載することで、複数のアプリを切り替えながらでも快適に利用できますが、さらに快適に利用できる新機能「スマートクリーナー」が搭載されています。
スマートクリーナーは、あまり使われていないアプリを検知してキャッシュを優先的にクリアすることで、ストレージとメモリの空き容量を増やすことで性能の低下を抑えることができます。
高度な設定では、キャッシュを保持するアプリ指定することも可能。メモリの使用量を時間指定でアプリや機能ごとに確認することも可能なので、メモリを過剰に消費するアプリもすぐに見つけることができます。
Android 6.0でさらに快適になった指紋認証センサ
Xperia Z5シリーズで初めて搭載された指紋認証センサーは、今作もボディの右側面に配置されています。
自分のような左利きのユーザーは端末の背面側から指を通して、他の機種に比べて小さい指紋認証センサーに指を正しくのせるという少々トリッキーな解除方法が難しいこともあって認証精度は高いとは言えませんでした。
ただ、今作はボディの横幅が小さくなったことや、Android 6.0の標準機能として指紋認証がサポートされたことで、認証精度と認証スピードが劇的に向上。
Androidの標準機能になったことで、Google Playで有料アプリを購入したり、課金アイテムの購入時に指紋を使って素早く購入ができるほか、指紋認証をサポートしたパスワード管理アプリや銀行系アプリなど重要な情報を管理するアプリもより安全に利用することが可能になりました。
今回の指紋認証は納得の仕上がりで、精度・速度・利用シーン全てで高く評価できます。
使いやすさを重視、快適なパフォーマンスが魅力の「Xperia X Performance」
約3年続いたZシリーズは、スマートフォンが最も進化スピードを高めた時期に登場。様々な機能が魅力的なシリーズでした。
新たにスタートしたXシリーズの「Xperia X Performance」は、手になじむラウンドフォルムや、快適な片手操作ができるディスプレイ、カメラの最速約0.6秒起動撮影、処理速度の2倍高速化、指紋認証の精度・速度アップ、Zシリーズでも話題になった発熱問題が改善されるなど、使いやすさとパフォーマンスが魅力的なモデルになっています。
スマートフォンの進化スピードが徐々に落ち着き、これからは買い替えのサイクルも長くなっていくはず。高機能よりも長期間安心して利用できるスマートフォンとして、Xperia X Performanceはオススメできるモデルになっています。
なお、Xperia X Performanceはドコモ・au・ソフトバンクから6月24日(金)に発売済みです。
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