少し前まで低価格SIM(ドコモなどキャリアから回線網を借りて提供するSIMサービス)といえば日本通信の「b-mobile」のイメージが強かったんですが、昨年ごろからIIJmioやOCNといった企業が相次いでサービスをスタートさせ、激しい価格競争とサービスの拡充が行われています。
今回は今年8月より提供開始となった月額945円のエントリープラスプランを使わせていただくことになったので使用感等をレポートしたいと思います。
低価格SIM(MVNO SIM)とは?
スマートフォンの平均月額料金は約6500円という調査結果がありますが、低価格SIMでは月額1000円以下という低価格でスマートフォンを利用することができます。もちろん安さにはそれなりの理由があって、低価格SIMでは、通話やテザリング、キャリアのサービスなどを使うことができず、一定のデータ通信量を超過すると通信速度が128kbps〜200kbpsに低下します。(通常時は下り最大112.5Mbps、上り最大37.5Mbps)
※テザリングは端末によって可能となります。
航空業界では低価格でサービスもそれなりのLCCが話題となっていますが、低価格SIMはまさにモバイル業界のLCCといった感じのサービスになっています。
ちなみに、今のところ低価格なSIMサービスはドコモのSIMカードでしか利用できないため、ドコモのAndroidスマートフォンやSIMロックフリーの端末、SIMロック解除後のソフトバンクのAndroidスマートフォンでのみ利用することが可能です。
※楽天ブロードバンドLTEでサポートしているのはドコモのAndroidスマートフォンのみ
楽天ブロードバンドLTEの「エントリープラスプラン」はこんなプラン
今回使用感をレポートする楽天ブロードバンドLTEのエントリープラスプランは月額945円で1ヶ月500MBまで高速なデータ通信が行えるプランです。月額900円台の低価格SIMサービスとして代表的な2社のサービスと比較してみました。
楽天ブロードバンドLTE エントリープラスプラン | A社 | B社 | |
---|---|---|---|
月額 | 945円 | 945円 | 980円 |
通信速度(制限前) | 下り最大112.5Mbps 上り最大37.5Mbps | 下り最大112.5Mbps 上り最大37.5Mbps 上記速度で500MB/月までデータ通信できるバンドルクーポンが毎月追加される。 バンドルクーポンは翌月末まで繰り越し可 | 下り最大112.5Mbps 上り最大37.5Mbps |
通信速度(制限後) | 最大256kbps | 最大200kbps | 最大200kbps |
速度制限の条件 | 500MB/月を超過 | クーポンを使い切ったら or クーポンOFF時に3日間の通信量が366MB超過時に速度制限する場合がある | 30MB/日を超過 or 72時間で366MBを超過時に速度制限する場合がある |
容量の追加オプション | × | ○ ※3ヶ月後の末尾まで繰り越し可 | × |
追加オプションの概要 | ー | 100MB/525円 | ー |
SIMの交換 | 不可 | 2100円/回 | 不可 |
プラン変更 | 不可 | 可 | 不可 |
利用できるSIMサイズ | 標準SIM、マイクロSIM、ナノSIM |
「エントリープラスプラン」の特徴は3日間の使用による速度制限がないこと、1ヶ月で500MBを超過した場合の通信速度が256kbpsと比較的速く利用できる点にあるかと思います。
楽天ブロードバンドLTEの「エントリープラスプラン」を実際に使ってみた!
2週間ほどですが、実際に楽天ブロードバンドLTEの「エントリープラスプラン」を使ってみました。今回は担当者の方から手渡しでSIMをいただいたんですが、実際はこんなパッケージが宅急便で届くそうです。
APNはLTEと3Gで別になっていて・・・
ユーザ名とパスワードはSIMと同封で送られてくる「楽天ブロードバンドアカウントのお知らせ」に記載されているものを入力することになるので、設定の際には少し注意が必要です。
上でも書いたとおり、速度が制限される前の通信速度は下り最大112.5Mbps、上り最大37.5Mbps(LTE接続時)とドコモのSIMでスマートフォンを使うのと変わりなく高速にデータ通信することができ、画像の閲覧はもちろん動画なども快適に見ることができます。
気になるのは500MB/月を超えると256kbpsに減速してしまうという条件ですが、サブ機として持ち歩いているAndroidスマートフォンでTwitter、Facebook、Gmailの送受信、ブログを見るといった使い方で約2週間つかってみたところ、データ通信量は約200MBに。
※グラフがグンと上がっているのはアプリのアップデートによるものです。
あくまでもサブ機として利用したため200MB内におさまっていますが、メインで使っているiPhone 5のデータ通信量がこれまでに500MBにおさまったことはなく、メイン機として利用した場合、1ヶ月間高速にデータ通信し続けるというのは僕の使い方では結構難しいと感じました。
ただ、あくまでも僕の使い方によるものなので500MB/月の目安を知りたいという方はこちらのページから確認してみてください。
・楽天ブロードバンド: 通信量の目安(月間500MB以内の目安) < LTE
また、今回は500MBを超えることがなかったため、256kbpsがどれぐらいの速さか体感できなかったんですが、別のSIMを利用して200kbpsでブラウジングしたりTwitterを利用してみたところ、画像の読み込みに少し時間がかかりましたが、我慢できないというほどでもなく、128kbps(iPhone 5などで1ヶ月のデータ通信量が7GBを超過した場合の通信速度)と比較すると200kbpsは結構快適だなーと感じました。
エントリープラスプランは256kbpsなのでもう少し快適に使えるかと思います。
エントリープラスプランは旅行時に最適かも
今年6月に沖縄・石垣島に旅行に行き、auのiPhone 5とソフトバンクのiPhone 4Sを持っていったんですが、ソフトバンクは圏外が多くつながっても低速、auもLTEにつながったのはなぜかフェリーに乗っている時だけで、町の中心部を移動している時は3Gに繋がることがほとんどで、つながっても低速でTwitterやFacebookに画像を投稿するのも結構時間がかかっていました。auとソフトバンクも都心などでは圏外になることはほとんどなく快適に使えていますが、旅行先などではまだまだドコモには及ばないという状況です。
ただ、短期間の旅行のためにドコモを契約するのはちょっとコスト的に良くないです。その点、低価格SIMであれば、初期費用を含めても約4000円〜5000円に抑えることができ、過去にドコモのAndroidスマートフォンを使っていた人であれば新たに端末を購入する必要もありません。
また、旅行の時は写真を撮ってTwitterやFacebookにアップしたり、ネットで調べものしたり、Googleマップ使ったりと短期間でのデータ通信が多くなりますが、エントリープラスプランであれば3日間の使用に対して速度制限が課せられないので、意識するのは500MB/月のみ。
また、よほどのヘビーユーザーでないかぎり3日や5日で500MBを使い切るのは難しいと思うので、ほぼ意識する必要はないかと思います。
※海外での利用はできません
今後も期待のエントリープラスプラン!
上の方で他のプランと比較したとおりSIMの交換やプランの変更については対応していませんが、担当者の方にお話しをうかがったところ、SIMの交換やプランの変更については検討中であり、 楽天ポイントでの料金の支払いについては将来的には実現したいとのことでした。楽天ポイントで支払いできたら、楽天ヘビーユーザーの方はかなり魅力的ですよねーこれはぜひ実現して欲しいです。
ちなみに、楽天ブロードバンドLTEとして提供されているプランは他に「エントリープラン」「ライトプラン」「アクティブプラン」がありますが、これらについては楽天市場から初期費用と3ヶ月分の利用料金をまとめて支払う「3ヶ月パック」の購入時に楽天ポイントが利用できます。
今のところエントリープラスプランの3ヶ月パックはありませんが、要望はかなりあるんじゃないでしょうか。ぜひ、実現して欲しいです!
▼楽天ブロードバンドLTEの契約はこちらからどうぞ!
・楽天ブロードバンド: サービス選択 < 楽天グループのプロバイダ
【2013/08/30 13:15 更新】
当記事の内容に誤りと誤解をまねく箇所があったため、以下のとおり修正しました。お詫びして訂正いたしします。
1.「低価格SIM(MVNO SIM)とは」の箇所にてテザリング不可と記載していましたが、一部の端末で利用可能であるため、修正しました。
2.比較表でのA社の通信速度(制限前)の記載が誤解をまねく表現になっていため、修正しました。
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