タグ・ホイヤーがWear OSから離脱。独自OSとMFi認証でiPhoneに最適化
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

Googleと長年パートナー関係にあった高級時計ブランドのタグ・ホイヤーがWear OSから離脱しました。
最新モデル「TAG Heuer Connected Calibre E5」には、Androidをベースに開発された独自OS「Tag Heuer OS」が搭載。さらにMade for iPhone(MFi)認証を取得しています。
Wear OS 3で分かれた対応方針
Wear OSは、Android Wear時代にiOSに初対応し、Wear OS 2までiPhoneでも利用できました。
しかし、2021年以降に登場したWear OS 3からは、メーカーごとに対応方針が分かれています。
例えば、Google Pixel WatchやGalaxy WatchはiPhoneに非対応。一方で、旧TAG Heuer Connectedシリーズは引き続きiPhoneをサポートしていました。
Wear OS 3での制限
タグ・ホイヤーがiPhone対応を維持できた・維持した理由は2つあります。
1つは旧モデルがWear OS 2で出荷されていたこと。もう1つはWear OS 3において機能を制限しながら対応を続けたことです。
当時の案内では、Wear OS 2を使い続ける場合、Googleサービスをこれまでどおり利用できる一方で、Wear OS 3にアップデートするとGoogleアシスタントを含む一部の体験が利用できず、iPhoneとペアリングした場合、Googleメッセージ、Google Wallet、Googleマップも利用できなくなると説明されていました。
Androidユーザーが中心のGoogleやSamsungはiPhone対応を切り捨てる一方で、TAG Heuer Connectedシリーズの約7割がiPhoneユーザーであることから、タグ・ホイヤーはこうした強い制限を受け入れるしかなかったと考えられます。
独自OSでiPhoneに最適化
独自OSでもGoogle Pay、Googleマップ、サードパーティアプリは利用できません。
それでも、MFi認証を取得した最新モデルでは、高速なペアリングやWi-FiおよびBluetooth接続の安定化、通知の改善など、Wear OSの課題が大きく改善される見込みです。
タグ・ホイヤーにとっては、Wear OSに依存せず、iPhoneユーザーに最適化された体験を提供できることが重要だったのでしょう。
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