2026年はスマホ値上げとスペック競争の終焉。真の差別化は「体験」のみに——NothingのCEOが語る
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

ここ数年、テック業界最大のテーマであるAIの波は、スマホ市場にもすっかり浸透しました。
AIはカメラや写真編集といった分かりやすい機能だけでなく、バッテリー制御やリソース管理といったシステムのコアにも入り込んでいます。いまやAIを完全に避けてスマホを使うのは現実的ではありません。
このAIの進化を支えるのが「モデル」と「メモリ」です。高度なAIモデルを動かすには、膨大なデータを処理するための大容量メモリが欠かせません。ところが今、そのメモリがAI需要で供給不足となり、スマホ本体の価格上昇が予想されています。
直近では、数週間後の発売が噂されるGalaxy S26シリーズ、iPhone 17e、Google Pixel 10aといった新機種にも影響を及ぼす可能性があります。
こうした見方にNothingのカール・ペイCEOも同調しています。同氏はメモリ価格の「急激かつ前例のない高騰」によって、15年続いてきたスマホ業界の前提が崩れると主張しています。
価格を3割上げるか、スペックを抑えるか
カールペイCEOが語る、15年続いてきたスマホ業界の前提とは、部材コストが長期的に下がっていくことで、価格を大きく上げずに毎年スペックを上積みできる、というものです。

しかし現在は、AIブームを牽引する巨大企業が数年先まで半導体の製造ラインを押さえており、スマホがAIインフラと“同じ土俵で部材を奪い合う”状況にあるといいます。その結果、メモリコストが最大3倍に跳ね上がるなど、急騰しているとのこと。
メモリはスマホの部品の中でも、最も高価な部品の1つになりつつあり、1年前に20ドル未満だったメモリモジュールが年末までに、最上位モデル向けでは100ドルを超える可能性がある、という予測にも触れています。
こうした環境では、メーカーは「価格を30%以上引き上げる」か「スペックを抑える」かの選択を迫られ、これまでの“より少ないコストで、より充実したスペック”というモデルは持続不可能になった——というのが同氏の主張です。
Nothingの一部製品も値上げへ
Nothingも今四半期に発売予定の一部製品において、ストレージをUFS 3.1にアップグレードするため、価格上昇は避けられないとしています。
一方で、これを逆風ではなくチャンスと捉えています。同氏は以前から、スペックを最優先にするのではなく、ユーザーの体験を重視する姿勢を示してきました。
スマートフォンの見た目や使い心地は、生々しいスペックの数値よりもはるかに重要であることを、これまでに証明してきたと語っています。
2000文字を超える文章の最後は「2026年は『スペック競争』が終焉を迎える年になる」「真の差別化要因は体験のみになる」と述べています。
値上げかスペックの停滞か
スマホが登場してから、性能は右肩上がりで進化してきました。
その進化が“今年いきなり止まる”とは考えにくい一方で、コストアップの影響で、これまでの前提を捨てて戦わなければならないメーカーが出てくるのも現実的な話のようです。
ASUSのように新機種投入を中断するメーカーや、ラインナップを絞り込むメーカーが現れても不思議ではありません。Googleも、来月の発売が噂される「Google Pixel 10a」で、最新のTensor G5ではなく、マイナーアップデート版のTensor G4を搭載する可能性が報じられています。
2026年は「値上げ」か「スペックの停滞」か、あるいはその両方か。スマホメーカー各社は、これまで以上に“どんな体験を提供できるのか”が問われる年になりそうです。






















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