2026/08/01 21:01

Nothing、スマホよりもAIデバイス優先か。事業戦略を転換との報道

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Nothingが、スマートフォンよりもAIデバイスを優先する戦略へ転換する可能性が報じられました。報じたのはSmartprixです。信頼できる実績を持つ業界関係者の話として、NothingはAIを中心とした企業へ段階的に軸足を移し、第1段階としてAI対応のイヤホンやヘッドフォン、スマートウォッチ、スマートスピーカーを投入するとしています。Nothingは最近、日本を含む世界12カ国からの撤退報道を否定する一方で、AIネイティブ事業部門を新設するなど組織再編を進めていることを明らかにしていました。もし今回の報道が事実であれば、創業以来で最大の戦略転換になります。Nothingはこれまで、スマートフォンをエコシステムの中心に据える考えを示してきました。そのため、AI時代でも重要な存在と位置付けてきたスマートフォンより、AIデバイスを優先するのであれば、大きな方針転換と言えそうです。なお、今回の報道でも、スマートフォン事業から撤退するとは伝えられていません。
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Y.Sakakura

Nothing、スマホよりもAIデバイス優先か。事業戦略を転換との報道

背面が光るデザインを武器に成長してきたNothingですが、最近になって、日本を含む世界12カ国からの事業撤退が報じられました。

Nothingは事業撤退そのものを即座に否定した一方で、組織再編を進めていることは認め、次の成長段階に向けて、AIネイティブ事業部門などの専任組織を新設すると説明しています。

そして今回、NothingがAI対応のオーディオ製品やウェアラブル製品に注力し、従来のスマートフォン開発よりも高い優先順位を与える方針と報じられました。

AIを最優先へ。スマホよりウェアラブルを重視か

Smartprixによると、Nothingは新しいオーディオ製品やウェアラブル製品の投入とともに、AIを最優先する企業へ段階的に軸足を移すとのこと。

情報源は、信頼できる実績を持つ業界関係者とされています。

方針転換は一夜にして行われるものではなく、第1段階は9月に始まる見込みです。

第1段階で投入される製品として挙げられているのは、CMFブランドのイヤホンとスピーカー、Nothingブランドのヘッドフォンとスマートウォッチです。

これらはAI対応の製品群として投入される見込みで、このうちCMFブランドのスピーカーは、Nothingにとってスマートスピーカー市場への初参入となります。

また、これらの製品にはNothingらしい独創的なデザインが引き続き採用されるそうです。

一方、今年は発売しないと明言されているCMFブランドのスマートフォンや、Nothingブランドのハイエンドスマートフォンは、今回報じられた製品ラインアップには含まれていません。来年以降も投入されるのかは分かりません。

戦略転換の第1段階を担う製品群は、8月から9月にかけて発表される見込みです。

方針転換の背景にスマホ市場の競争激化と利益率の低下

今回の報道が事実であれば、Nothingにとって創業以来、最大の戦略転換になります。

方針転換の背景には、スマートフォン市場の競争激化と利益率の低下があると報じられています。

その利益率を圧迫している大きな要因の1つが、メモリ価格の高騰です。

カール・ペイCEOは、メモリコストが最大3倍に跳ね上がるなど、急激かつ前例のない価格高騰が起きていると指摘していました。

また、今年発売したNothing Phone (4a)についても、製品化を決めた時点から発売までの間にメモリコストが2倍になり、発売後から現在までにさらに2倍になったと明かしています。

メモリ価格の高騰に対して最後まで粘っていたAppleも、ついにコスト上昇を理由とした値上げに踏み切りました。

ティム・クックCEOは値上げに際し、メモリメーカーによる大幅な価格引き上げがAppleにも転嫁されていると説明。できる限り消費者への影響を避けてきたものの、「こうした状況は持続可能ではない」と話していました。

世界最大級の調達力を持つAppleでさえ値上げを避けられなかったことを考えると、大手ほどの調達力を持たないNothingが受ける影響は、さらに大きいと考えられます。

スマホを重視してきたNothingにとって苦渋の決断か

カール・ペイCEOはこれまで、AIの登場によってスマートグラスやAI専用デバイスなど、さまざまなジャンルのハードウェアが注目を集めているものの、いずれも市場規模は小さく、短期的に新たなハードウェアが広く普及するとは考えていないと語っていました。

一方、スマートフォンは年間10億台以上が出荷される、最大かつ最も多様なコンピューティング市場です。

AIにとって最も重要なのはデータであり、その点でもスマートフォンに代わる存在は当面現れないとの見方を示しています。

つまり、カール・ペイCEO自身がAI時代においても中心的な存在であり続けると考えていたスマートフォンについて、Nothingは開発の優先順位を引き下げる可能性があります。

事実であれば、Nothingにとっても苦渋の選択であることは間違いありません。

Nothingは創業当初から、スマートフォンを中心としたエコシステムの構築を目指していました。しかし、最初に市場へ投入した製品はスマートフォンではなく、フルワイヤレスイヤホンの「Ear (1)」です。

そして今回も、スマートフォンより先にAI対応のオーディオ製品やウェアラブル製品へリソースを振り向けるのであれば、Nothingは創業時と似たジレンマに再び直面しているとも考えられます。

ただし、今回の報道でも、Nothingがスマートフォン事業から撤退するとは伝えられていません。

メモリ価格の上昇は来年以降も続くと予想されているため、コスト環境が落ち着くまでスマートフォンのラインアップや開発規模を絞る判断も考えられます。

その間に、AIデバイスを新たな成長の柱として育てる狙いがあるのかもしれません。

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