iPhoneのウェブブラウザ「Safari」やアプリ内ブラウザで表示される広告をブロックするアプリ「Crystal」は、App Storeでの公開直後、国内外で人気を集め上位にランクイン。
アプリをインストールしただけでは効果が出ないため、使い方がわからないユーザーからは「機能しない」「騙された」などの評価もありながら、レビュー評価は3.5とまずまず。
日本で120円で販売された同アプリは公開から10日足らずで10万回ダウンロードされ、開発元のMurphy Appsは900万円を得たとWSJは伝えています。
ホワイトリストの導入でApp Storeのレビューは不満爆発、大炎上
わずか10日で大金を得たMurphy Appsですが、さらなる成功を収めるために「ホワイトリスト」を導入。
ホワイトリストは広告ブロックツールで最も有名な「Adblock Plus」を開発するEyeo GmbHが管理しており、ホワイトリストにリストアップされれば広告ブロックを回避することができるというもの。
ホワイトリストには700もの出版社やウェブサイトが登録されており、このうち10%程度がEyeo GmbHに手数料を支払っています。手数料を支払うと広告が許容できるか範囲かどうかを判断する審査が行われ、審査に通れば広告ブロックを回避することができます。
ちなみに、ウェブ広告を展開するGoogleやAmazon、Microsoftといった大企業がEyeo GmbHに手数料を支払っていることが明らかになっています。
「Crystal」を開発するMurphy Appsはホワイトリストをデフォルトで有効にすることを明らかにしており(無効にもできない)、ホワイトリストの導入によって管理元のEyeo GmbHから定額のリターンを受けるだろうとWSJが報じています。
アプリの購入者にはお金を払えば広告を消せると言い、広告を展開する企業にはお金を払えば広告を表示できるとの二枚舌を使うようになった金の亡者にも映る「Crystal」ですが、ホワイトリスト導入後のApp Storeの評価は散々たるもので「詐欺」「最低」「役立たず」「カス」「ゴミ」など罵声も飛び交うなど不満爆発の大炎上。
「Clearing up the mobile web」を訴えるアプリ自らゴミと評される側に回る行為は非常に味わい深いものがあります。アプリの評価は★5つを★1つがあっという間に上回り、総評価は3.5から1.5に急落。返金を求める声も多数確認できます。
「Crystal」の公開からまだ1ヶ月しか経っていないわけですが、開発元のMurphy Appsは最初からこのような手法を取るつもりだったような気がしないでもありません。すでに有料の広告ブロックアプリは腐るほどApp Storeに公開されていますが、アプリの購入者から利益を得て、後にホワイトリストを導入するという流れは今後も続きそうな気がします。
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