Appleが近年発売した新ジャンルの製品としては最大のヒットとも言えるフルワイヤレスイヤホン「AirPods」の最新モデルが3月20日に発表された。
初代モデルの登場から2年以上が経過してから登場した第2世代の「AirPods」が第1世代と比べてどこが変わったのか、どこが進化したのか、どういった違いがあるのかを比較・解説する。
目次
デザイン
「AirPods」のデザインは第2世代と第1世代で大きく変わらない。耳から外されたことを自動検知して音楽を一時停止する光学センサーを備えたスピーカーから、垂直方向にビームフォーミングマイクロフォンが伸びる独特のフォルムはそのまま。
なお、待望のブラックカラーも追加されるのではないかと噂では報じられていたが、残念ながらホワイトカラーのみがラインナップされている。
サイズ・重さ
第2世代「AirPods」は大幅な進化を遂げたが、本体のサイズと重さはそのまま。
充電ケースのサイズも変わっていない。ただし、重さについては第1世代AirPodsに付属していた充電ケースの約38gに対して、ワイヤレス充電に対応する「Wireless Charging Case」は約40gと2gほど重くなっている。実物で比較しても違いはわからないだろう。
「Hey Siri」
AirPodsの操作性も第2世代で大きく進化した。
第1世代の「AirPods」でSiriを起動するためにはイヤホンをダブルタップする必要があったが、ランニングやジョギングなどのワークアウト中はうまくいかないことも多くストレスを感じている人も多かったはず。第2世代の「AirPods」では「Hey Siri」に対応したことでこれが解消された。
「Hey Siri、チルミックスを再生して」、「Hey Siri、音量を上げて」、「Hey Siri、駒沢公園への行き方は?」、「Hey Siri、お父さんに電話して」といった音声によるハンズフリー操作が可能になり、これまでに比べてSiriの操作が格段にスムーズになっている。
なお、引き続きタップ操作にも対応しているため、Hey Siriに加えてイヤホンをダブルタップして一時停止や再生、次の楽曲に進んだり、前の楽曲に戻るといった楽曲操作も可能だ。
バッテリー・電池持ち
まったく新しいApple H1ヘッドフォンチップを搭載したことで第2世代「AirPods」の電池持ちは向上している。
第1世代では1回の充電で最大5時間の音楽再生と最大2時間の連続通話が可能だったが、第2世代では最大5時間の音楽再生と最大3時間の連続通話が可能に。
充電ケースとの併用では、第1世代が24時間以上の再生時間と最大11時間の連続通話が可能だったのに対して、第2世代では24時間以上の再生時間と最大18時間の連続通話が可能になっている。
さらに、第1世代は15分の充電で3時間の音楽再生または1時間以上の連続通話が可能だったが、第2世代では15分の充電で3時間の音楽再生または最大2時間の連続通話が可能になった。
第2世代 | 第1世代 | |
---|---|---|
1回の充電 | 最大5時間の音楽再生と最大3時間の連続通話 | 最大5時間の音楽再生と最大2時間の連続通話 |
15分の充電 | 3時間の音楽再生または最大2時間の連続通話 | 3時間の音楽再生または1時間以上の連続通話 |
充電ケースとの併用 | 24時間以上の再生時間と最大18時間の連続通話 | 24時間以上の再生時間と最大11時間の連続通話 |
音の遅延とワイヤレスの安定性
第2世代「AirPods」の進化点と第1世代との違いは以上となる。
カンタンにまとめれば、利便性の向上・電池持ちの改善・音楽体験の向上・ワイヤレス接続の改善の4つが第2世代「AirPods」の進化点であり、第1世代との違いになる。
音質については残念ながら大きく変わっていない。デザインやイヤホンの形状も変わっていないため、第1世代のAirPodsを買ってはみたものの、自分の耳には合わなかったり音が気に入らないといった理由で今は使っていない人はスルーした方が良い。
一方、音の遅延や電池持ち、ワイヤレス接続の不安定さに不満があって今は使っていない人は新しい「AirPods」の購入を検討してもいいはず。第1世代「AirPods」を愛用している人はもちろん購入を検討すべきだ。
個人的には複数デバイス間の切り替えにかかる時間が最大2倍も高速化されたことと、音の遅延が30%も改善されたことが購入の決め手になった。今使っているAirPodsの電池持ちが悪くなってきたこともある。
新しい「AirPods」の販売価格は初代モデルから1,000円高くなった税別17,800円。ワイヤレス充電に対応したケースが必要な場合は税別22,800円となる。
なお、すべての世代のAirPodsでワイヤレス充電ができる専用ケース「Wireless Charging Case」も税別8,800円で販売されているため、AirPods本体は第1世代のままでワイヤレス充電だけをプラスすることも可能だ。