折りたたみiPhone向けApple Pencilを試作。それでも製品化されない理由とは

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Y.Sakakura

折りたたみiPhone向けApple Pencilを試作。それでも製品化されない理由とは

来週、日本時間9月10日にAppleがスペシャルイベントを開催します。

最大の注目は、やはり折りたたみiPhoneです。今年はスタンダードモデルが発表されないと噂されており、実質的に登場するiPhoneはFoldとProの2機種のみになりそうです。

昨年ビッグアップデートを遂げたProは、今年はマイナーアップデートにとどまるとみられています。そうなると、Appleはイベントの多くの時間を折りたたみiPhoneに割くことになるでしょう。

折りたたみスマートフォンにおいて重要なのは、実はハードウェア以上にソフトウェアだと感じます。

というのも、ハードウェアとしての優位性は、本体を開閉することでスマートフォンとタブレットを1台にまとめられることくらいしかありません。本体を薄くする必要があるため、最上位のカメラを搭載することは難しく、バッテリー容量や放熱にも制約があります。

さらに、2つのディスプレイとヒンジを搭載することで重くなり、耐久性にも通常のスマートフォンにはない課題が生まれます。

Appleはそれらをうまく魅力に変えて見せるはずですがハードウェアについては、薄さや軽さ、折り目、耐久性といった折りたたみスマートフォン特有の制約をどこまで克服したのか、その説明が中心になるでしょう。

それよりもイベントで興奮するのは、開閉できる本体と2つのディスプレイをAppleがどう使うのかです。

本体を開くことで何ができるのか。通常のスマートフォンにはない価値をどう生み出すのか。その答えが表れるのがソフトウェアであり、折りたたみスマートフォンにおいてメーカーの個性を最も強く表現できる部分でもあります。

もし折りたたみiPhoneがApple Pencilに対応するのであれば、ハードウェア側から新しい使い方を生み出す大きな差別化要素になったかもしれません。

しかし、Appleは実際に開発・テストしながらも、製品化を見送った可能性があるようです。

折りたたみiPhone向けApple Pencilを試作か

BloombergのMark Gurmanは、Appleが折りたたみiPhone向けApple Pencilの製品化を検討していたと伝えています。

試作モデルはiPhoneの本体サイズに合わせて、iPad向けのApple Pencilよりも短く設計され、本体側面にマグネットで吸着して収納・充電できる仕組みだったとのこと。

一方でGurmanは、折りたたみiPhoneを開いてApple Pencilを使わない場合の扱いが難しくなるほか、繊細な折りたたみディスプレイにペン操作による跡が残る可能性も課題として挙げています。

ただ、Apple Pencilがヒンジとは反対側のフレームに吸着するのであれば、本体を開いても装着しておけりため、収納について具体的に何が問題になるのかは明らかではありません。

画面へのダメージについても、SamsungはGalaxy Z Fold6までSペンに対応していましたが、ペン操作による傷が大きな問題になったわけではありません。Fold7でSペン対応を廃止したのも、薄型・軽量化や内部スペースの確保を優先したためです。

さらにGurmanは、スティーブ・ジョブズが初代iPhoneを発表した際に「スタイラスなんて誰も欲しがらない」と発言したことにも触れ、Appleがその姿勢を覆すのであれば驚きだとしています。

ただ、当時のスタイラスは、指によるタップなど基本的な操作を置き換えるためのデバイスであり、現在のApple Pencilとは役割が大きく異なります。ジョブズの発言は、Apple Pencilのように手書きや描画、細かな編集を目的とした多機能なペンまで否定するものではなかったはずです。

何より、Appleが折りたたみiPhone向けApple Pencilを実際に試作し、製品化まで検討していたのであれば、少なくとも社内では「ジョブズの発言を覆すことになる」という点が大きな障壁になっていたとは考えにくいでしょう。

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