iPhone 6sを利用するTeckFireがAppleが意図的に古いiPhoneの性能を低下させていると報告し大きな注目を集めている。
ソニーの製品には保証期間が切れた後に故障が頻発する「ソニータイマー」という都市伝説が存在するが、今回の報告が事実であれば「Appleタイマー」として大きな問題に発展しそうだ。
バッテリーが劣化したiPhoneの性能はわずか50%程度に
iPhone 6sユーザーのTeckFireはiOS 11にアップデートしてから動作が非常に遅くなったと掲示板・Redditで報告した。アップデート後に動作が遅くなるのはiPhoneに限らずよくあることだが、兄弟が使うiPhone 6 Plusよりも遅いことに疑問を感じ、iPhone 6sのバッテリーを交換したそうだ。
バッテリー交換後に「Geekbench」でベンチマークスコアを計測したところ、シングルコアの性能は1466から2526に、マルチコアは2512から4456までアップした。バッテリーを交換しただけでiPhoneの性能が70%以上もアップしたことになる。逆を言えばバッテリーの劣化によってわずか50%の性能に抑えられていたことになる。
TeckFireの報告には大きな注目が集まり、Redditの投稿には現時点で650件のコメントが寄せられている。iPhone 6sだけでなく、iPhone 7やiPhone 6、iPhone 6 Plusなど他の機種やMacBookでも同じような事象を確認したと複数のユーザーが報告。
なかには昨年発生したiOS 10.1のアップデート後にiPhoneが強制終了する不具合を引き合いに出し、AppleはiOS 10.2.1でこの問題を解消したが、解消するためにバッテリーの消耗度と残量に応じてパフォーマンスを調整したのではないかと報告するコメントもある。
なお、Apple Storeでバッテリーを交換する場合、事前にバッテリー診断を受けることになるが、TeckFireのiPhone 6sでは20%の劣化が確認されたとしている。自分のiPhoneも該当するか確認するにはApp Storeから無料アプリ「CPU DasherX」をダウンロードしてアプリ起動後に“CPU Frequency”の項目を確認する。
表示されているクロック数が本来のクロック数から大きく離れているか確認しよう。本来のクロック数はiPhone 6s/6s Plus/SEが1.85GHz、iPhone 6/6 Plusが1.4GHzとなっている。手元のiPhone SEで計測したところバッテリー残量が30%までは911MHzと半分程度に抑えられていた。
また、GeekBenchでベンチマークスコアを確認したところ購入時はシングルコアが2540、マルチコアが4428だったが、現在はシングルコアが1467、マルチコアが2568までダウンしていることも確認した。