アップルは、深刻なバグが発見されたために配信予定としていた9月16日の直前にキャンセルされていたアップルウォッチ向けのOS「WatchOS 2」の配信を開始しました。
WatchOS 2が配信開始、Wi-Fi対応、新しい文字盤追加、セキュリティ向上など大規模アップデートに
WatchOS 2では、タイムラプス動画など新しい文字盤が追加されるほか、天気予報などの情報を文字盤に表示できる機能「コンプリケーション」がサードパーティに解放されます。
運動量を測定する「アクティビティ」では、RunKeeperやRuntasticなどサードパーティの運動量測定アプリで計測した情報とアクティビティアプリで計測した情報を統合して表示・記録できるようになります。
Apple Watch単独で動作するネイティブアプリのサポートも行われます。ネイティブアプリでは、Apple Watchのマイク、加速度計、TapticEngine(バイブレーション)、デジタルクラウンといったハードウェアを活用することが可能。さらに、Wi-Fiに対応することでiPhoneがなくてもApple Watchから直接データのダウンロードが可能になります。
さらに、Apple Watchのデータを消去する際にApple IDとパスワードを求める「アクティベーションロック」にも対応。これまでのWatchOSでは、Apple Watchを盗まれたあと、他人のアカウントが設定されてしまう脆弱性があったため、窃盗の対象になりやすくなっていましたが、アクティベーションロックに対応したことでiPhoneやiPadと同様に盗まれても利用または売買しづらく、窃盗の対象になりにくい製品となりました。
詳しい「WatchOS 2」の新機能と変更点は以下のエントリーでまとめています。
▼アップルが公開したWatchOS 2のアップデート内容は以下のとおり。
- 新しい文字盤と時計機能
- 香港、ロンドン、マック湖、ニューヨーク、上海、パリのタイムラプスビデオ
- お気に入りの写真が表示され、手首を上げるたびに写真が変わるフォトアルバム、Live Photosサポート
- タイムトラベル機能で、Digital Crownを回して未来や過去の情報をチェック
- ナイトスタンドモードで、Apple Watchを目覚まし時計として使用
- 9つの新しい色で文字盤をカスタマイズ、新しいマルチカラーモジュラー文字盤を追加
- 他社製Appのコンプリケーション作成をサポート
- Siriの機能改善
- 特定のワークアウトの開始、公共交通機関での経路検索、グランスの表示を指示
- FaceTimeオーディオ通話とメール返信をサポート
- HomeKitのサポートにより、自宅内の対応デバイスをSiriで操作
- オーストリア、ベルギー(フランス語とオランダ語)、ノルウェーでのサポートを追加
- アクティビティとワークアウトの機能改善
- Apple Watch内の他社製Appで記録したワークアウトデータをアクティビティリングに取り込み
- iPhoneの“アクティビティ”Appのアクティビティリング、ワークアウトデータ、目標達成を共有
- 目標達成をほかの人と共有
- 週ごとの概要をオンデマンドで表示
- アクティビティ通知を終日消音
- ワークアウトデータを自動保存
- Apple PayとWalletの機能改善
- Discoverカードをサポート
- ポイントカードと店用のクレジットカードやデビットカードをサポート
- Apple Watch内の他社製AppからWalletにパスを直接追加
- 友達とDigital Touchの機能改善
- 12人を超える友達をApple Watchから直接追加
- 友達をグループにまとめてグループ名を設定
- 複数の色で描いたスケッチを送信
- アニメ絵文字の新しいオプション
- マップの機能改善
- 交通機関表示で、主要都市の路線、駅、複数交通手段での経路を確認
- 現在の検索での経路リストを表示
- 駅の出発案内情報を表示
- ミュージックの機能改善
- 新しい“Beats 1”ボタンで、24時間オンエアラジオを受信
- 新しい“Quick Play”ボタンで、Apple Musicのさまざまな曲を再生
- 音声入力や絵文字でメールに返信、またはメール用にカスタマイズしたメッセージでスマート返信
- FaceTimeオーディオで通話
- iPhoneが近くにない場合でもWi-Fi通話をサポート(通信事業者の対応が必要)
- アクティベーションロックにより、Apple Watchのアクティベート時にApple IDとパスワードを要求して不正使用を防止
- デベロッパ向けの新機能
- ネイティブSDKを使って、Apple Watchでネイティブで動作する、より高速で強力なAppを開発
- 加速度センサーにアクセスして、動きをより精密に追跡
- 心拍センサーにアクセスして、ワークアウトに活用
- マイクとスピーカーにアクセスして、オーディオを録音および再生
- Taptic Engineにアクセスして、8種類の触覚フィードバックで反応
- Digital Crownにアクセスして、より詳細に制御
- Apple Watch上でビデオを直接再生
- iPhoneが近くにない場合のApp実行をサポート(既知のWi-Fiネットワークに接続されているときにネットワーク機能を利用するなど)
- 文字盤のコンプリケーションを作成
- Appで記録したワークアウトデータをアクティビティリングに反映
- Appで記録したワークアウトデータをiPhoneの“アクティビティ”Appに取り込み
- システム言語のサポートを追加: 英語(インド)、フィンランド語、インドネシア語、ノルウェー語、ポーランド語
- 音声入力言語のサポートを追加: オランダ語(ベルギー)、英語(アイルランド、フィリピン、南アフリカ)、フランス語(ベルギー)、ドイツ語(オーストリア)、スペイン語(チリ、コロンビア)
- スマート返信言語のサポートを追加: 繁体字中国語(香港、台湾)、デンマーク語、オランダ語、英語(ニュージーランド、シンガポール)、日本語、韓国語、スウェーデン語、タイ語
WatchOS 2へのアップデート方法は、以下のエントリで詳しく解説しています。
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