これまで、ドコモやauといったキャリアは他社に回線を貸し出すMNOとして事業を展開していましたが、昨年12月にKDDI自らがMVNOとなり、格安SIMまたは格安スマホを提供する「UQ mobile」をスタートさせて、これまでの流れを打ち破りました。
今のところ、他社に追従の流れは見られませんでしたが、NTTドコモはブルームバーグのインタビューに対して、自らがMVNO事業者となり格安スマホの提供を検討していることが明らかになりました
ドコモがMVNO事業への参入を検討、ユーザーにどんなメリットがあるのか
ブルームバーグの報道によると、ドコモの常務執行役員である佐藤氏が同社のインタビューに対し、MVNOへの参入を匂わすコメントを残したようです。
国内携帯通信最大手のNTTドコモ は、既存事業に加えMVNO(仮想移動体通信事業者)として割安料金で通信サービスを提供することを検討している。
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佐藤氏は、MVNO市場が「急激に拡大している」と述べ、早急に対策が必要だという認識を示した。また新市場を開拓するMVNOと回線を貸し出すドコモは「相互補完的な関係にあるといえる」と話した。
引用元:ドコモが格安スマホ参入検討、市場規模や採算を考慮-インタビュー – Bloomberg
キャリアの回線を借り入れる費用は、ドコモが最も安く、次いでau、ソフトバンクとなっていることから、格安スマホ事業に参入する事業者はドコモの回線を借り入れるケースがほとんどでした。
そういった事情もあって、auの回線を借り入れてサービスを提供する事業者は「mineo」を提供するケイ・オプティコムのみとなっていましたが、KDDI自らが「UQ mobile」として参入することで、選択肢が広がり、ユーザーにも一定の利益がありました。
ドコモの回線を借り入れてサービスを提供する事業者は多数存在するため、UQ mobileのような恩恵は受けられませんが、ドコモ系のMVNOで利用できない各種サービスが利用可能になるかもしれません。
例えば、現在ドコモの端末に格安SIMを挿して利用すると、テザリングを利用することができないケースがほとんどです。これはドコモが自社で販売している端末に制限をかけているため。
ドコモ自らがMVNO事業に参入するとなれば、なんらかの形でドコモ端末とドコモ自らが提供するMVNOの組み合わせでもテザリングが利用可能となるかもしれません。
また、ドコモは主要3キャリアで、唯一、旧料金プランの新規加入を廃止としており、MNPを利用してドコモに移行する場合や新たに契約を結ぶ場合は新料金プランに加入する必要があります。
ただ、新料金プランは、通話定額サービスが半ば強制加入となっており、頻繁に音声通話を利用するユーザーは、旧料金プランに比べておトクに使える一方で、音声通話を利用しないユーザーにとっては嬉しくない料金体系になっています。
MVNOでは、旧料金プランのような料金体系が主流になっていることから、ドコモが参入する場合は従量制の料金プランが提供される可能性も考えられます。
さらに、キャリアでは実現が難しい料金プランの安価化もサポートをある程度放棄できるMVNOのサービスであれば、実現できるという考えがドコモにあるのかもしれません。
ただし、現時点ではあくまでも検討段階ということですぐに大きな動きがあるわけではない様子。今後の動きに注目したいと思います。
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