NTTドコモが社長就任会見を行い、2023年以降「繋がりにくい」と不満の声が目立つ通信品質において、2024年度末までにナンバーワンの評価を目指すと前田新社長が宣言しました。
ドコモでは電波がある、ギガも残っているにも関わらず、通信がしづらくなるパケ詰まり・パケ止まりといった現象が2023年以降、特に通信が混雑する地域で発生しており、利用者から不満の声が目立っています。
通信品質に対するネガティブな声は8割減少
社長就任にあたって山田社長は今後の事業運営のなかでも、特に通信サービス品質の向上に注力すると説明。
自身も認識しているという通信品質に対する不満の声を受けて、混雑の解消に有効な広帯域・大容量の5G Sub6のエリア展開を積極的に拡大する対策を行った結果、ドコモ調べながら「全国のSub6エリアカバー率No.1」とアピールします。
これは昨年後半に発表された300億円を投じた集中対策によってもたらされたもので、ネガティブな声も80%減少したとのこと。ただ、これについては通信品質の低下が周知されたことによって声を上げる人が少なくなったとの見方もできます。
前田社長は「もっと強化が必要」とし、さらなるSub6エリアの拡充を主軸に対策を進め、特に人口が密集する都市部、東名阪など集中的に打っていき、投資額における大きな割合を注ぎ込んでいくとしました。
さらに、駅などの通信が混雑するスポットにおいて快適な通信環境を提供できる高機能技術MU-MIMOなどの導入を加速するほか、最新型の基地局装置への迅速な移行も進めていくとのこと。
通信品質の向上においては、利用者の声にも向き合って取り組むとし、SNSの声やアプリの利用データ等から改善が必要な場所を早期に検知して適切な対策を迅速に実施するとします。
何をもって通信品質が向上したと評価するのかについては、Opensignal社の調査結果を外部指標に用いて一貫した品質部門で2024年度末までにナンバーワン獲得目指すとしています。
同部門は送受信の通信速度・遅延・ジッター(揺らぎ、乱れ)・パケットロス・最初の1バイトを受信するまでの時間といった指標を用いて評価されます。
前回、前々回の調査ではソフトバンクが同部門の1位を獲得。楽天モバイル→au→ドコモと続きました。
ドコモは地域ごとの品質において高く評価されたのは北海道のみ。また、KDDIも5G Sub6を用いた通信品質の向上に取り組んでおり、5G Sub6の基地局数においてドコモが約半分であることを考えると、2024年度末までのナンバーワン獲得は高い目標に思えますが、果たして有言実行となるでしょうか。
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