Googleが国内のスマートフォン決済会社を200億円超で送金アプリ「Pring」(プリン)を買収し、2022年をめどに送金・決済サービスを始めると日本経済新聞が報じた。
すでにGoogleは決済サービスアプリ「Google Pay」を通じて日本でも決済サービスを提供しているが、他社のクレジットカードや電子マネーを登録して管理する機能のみ。今回の買収によって独自の送金・決済機能を追加して利用者を増やす目的があるという。
pringの親会社は「当社が発表したものではない」と発表
Googleはみずほ銀行などの既存株主から全株式を取得する形でスタートアップ企業のpringを買収する。買収額は200億~300億円。キャッシュレス決済の普及が進まない日本で開拓の余地が大きいと判断したとのこと。
pringが提供する送金アプリ「プリン」は1円から気軽に送れる送金アプリ。チャット形式で友だちとのお金のやりとりに加えて、報酬支払いなど企業からのお金のうけとり、QRコードを使ったお店での支払いが可能。残高は手数料不要で銀行口座に戻したり、セブン銀行のATMから出金が可能。送金額は300億円を突破した。
pringを買収することで2015年にスタートしたスマホ決済サービスGoogle Payに独自の送金・決済機能を追加すると見られる。Appleが2017年12月に開始した決済・送金サービス「Apple Pay Cash」の日本上陸よりも早く実現しそうだ。
また、日本国内のスマホ決済サービスは楽天ペイやPayPay、LINE Pay、d払い、au PAYといった主に携帯電話事業者が還元キャンペーンなどで熾烈な争いを繰り広げているが、Googleが参入すればさらなる競争の激化が予想される。
Googleは送金や決済だけでなく金融機関との提携で実現したデジタル銀行サービスを日本で始める可能性もある。
昨年11月に発表されたサービスは、Google Payアプリからカンタンにスマホ用の銀行口座「Plex Account」を開設し、残高確認や送金も行えるなど、銀行に足が向かない若年層をターゲットにしたもの。日本で提供されるかは不明だが、Googleがプリンを買収する狙いには三菱UFJ銀行やゆうちょ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行など50超の銀行との提携が含まれているのかもしれない。
なお、pringの親会社であるメタップスは今回の報道について「当社が発表したものではない」と発表している。
本日、日本経済新聞電子版において、当社の持分法適用関連会社である株式会社 pring の株式譲渡に関する報道がありましたが、当社が発表したものではございません。また、当社は中期経営計画の実現に向けた事業ポートフォリオの見直しを進めておりますが、現時点において開示すべき決定した事実はございません。
- 引用元
- 本日の一部報道について