AppleがiCloudを利用したシングルサインオンの実現に向けて開発を進めているようだ。今春リリース予定の「iOS 11.3」から発見された。同機能がリリースされれば、Apple IDを入力するだけで対応したサイトやアプリにログインできるようになる。
iOS 11でログインの共有機能を廃止。独自シングルサインオン実現の布石か
昨年、ベータ版のiOS 11から正式発表前に「iPhone X」や「HomePod」について様々な情報を正確に伝えた開発者のGuilherme RamboがApple専門の米メディア9to5Macに所属。今回はベータ版の「iOS 11.3」からiCloudのシングルサインオンについてレポートしている。
シングルサインオンは、ウェブサイトやアプリに登録したメールアドレスやパスワードを使って別のサイトでアカウントを新規作成することなくログインできる便利な機能。パスワードなどを一元管理できるためパスワードの使い回しや流出を軽減しセキュリティも向上できる。既にGoogleやFacebook、Yahooなど多くの企業が提供している機能だ。
Ramboはベータ版のiOS 11.3から新しいコンポーネント「SecureChannel」を発見。このコンポーネントでは認証方法に対応しているウェブサイトがiCloudのプライベートなデータに制限的にアクセスすることができるとのこと。アクセスできるデータはおそらくユーザー名とメールアドレスに限定されるとしている。これの情報から推測されるのがApple IDを使って各種ウェブサイトにログインできる「シングルサインオン」というわけだ。
さらに、iOS 11で追加された新機能、QRコードスキャンにもシングルサインオンが反映されるようだ。対応するQRコードをスキャンするとApple ID認証を求められるとのこと。利用目的ははっきりしていないが、ユーザー名やメールアドレス、パスワードなどを入力してアカウントを新規作成することなく、Apple IDを使ってサードパーティのウェブサイトにログインできるとされている。
「iOS 11.3」ではアプリやウェブサイトごとにアカウントを作ることなく、Apple IDでTwitterやFlickr、Facebook、Instagramなど各種サービスにログインできるかもしれない。対応サービスが拡大しなければいけないが、パスワードの管理が面倒だという人にとっては朗報だろう。
なお、Appleは、iOSにログイン情報を登録しておくことで各アプリに自動ログインできるログイン情報の共有機能をiOS 11で廃止している。もしかするとApple独自のシングルサインオンをリリースするために機能を整理したのかもしれない。
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