Appleは今春、正式配信予定のiOS 11.3で新機能「バッテリーの状態」を追加する予定。開発者やテスターにはベータ版/パブリックベータ版を通じて提供されています。新機能「バッテリーの状態」ではiPhoneのバッテリーがどれぐらい劣化しているのか、新品と比較した時の容量基準などバッテリーの状態を診断・確認することができるほか、バッテリーの劣化やデバイスの動作温度、バッテリーの充電状況を総合的に判断して実施される性能低下および速度低下の影響を確認し、オフにすることもできます。
この記事では「バッテリーの状態」を使ったiPhoneのバッテリー状態の診断方法と性能低下/速度低下をオフにする方法を解説します。
目次
iPhoneの性能低下/速度低下とは?
Appleによれば、バッテリーの容量が少ない、バッテリーが劣化している、寒冷地での使用によってデバイスの動作温度が低い、といった状況でiPhoneを使用すると強制シャットダウンが発生することがあるようです。極端な場合はシャットダウンが頻繁に発生してiPhoneが使えなくなることもあるとのこと。スキー場でiPhoneを使ったことがある人は一度だけでなく何度も体験してるかもしれません。
自分の身に何かあったときにiPhoneがシャットダウンして使えなくなっては困るでしょう。AppleはiPhoneを継続して使えるようにするために、iPhoneが強制シャットダウンしそうな時に性能を意図的に低下させることでシャットダウンを防いでいます。なお、この機能はパフォーマンス管理機能と呼ばれていてiPhoneだけに実装されています。
パフォーマンス管理による性能低下が発生すると、アプリの起動に時間がかかったり、画面をスクロールした時にちらつきが出たり、バックライトが暗くなったり、スピーカーの音量が小さくなったり、アプリの動作にもたつきを感じたり、バックグラウンドの更新が無効化されたり、極端な場合はカメラのフラッシュが使用できなくなったりします。
なお、性能低下/速度低下は充電残量が少ない時やデバイスの動作温度が低い場合は一時的なものですが、バッテリーの劣化が影響する場合は長期間続くため、iPhoneのバッテリーを交換するか性能低下/速度低下をオフにする必要があります。
iPhoneのバッテリー状態を診断する
iPhoneの性能低下および速度低下にはバッテリーの状態が深く関わっていることを説明しました。ただ、これまではiPhoneのバッテリーの状態を確認するには信頼性が高いとは言えないサードパーティ製のiPhoneアプリやMacアプリを使ったり、ユーザーが自由に使えないAppleのスタッフによるiOS診断機能に頼らざるを得ませんでした。
そこで登場するのがiOS 11.3で追加される新機能「バッテリーの状態」です。iOS 11.3にアップデートしたiPhone 6以降のデバイスでは設定画面から「バッテリー」→「バッテリーの状態」に進むことができ、“最大容量”の項目でバッテリーの状態を確認することができます。100%であれば新品同様、0%に近づくとバッテリーの性能が劣化していることを示し、性能低下/速度低下が起きやすく、電池持ちも悪くなります。
この画面でバッテリーが劣化していると診断されるのは最大容量の数値が80%未満を示した時です。もし、iPhoneの購入から1年以内(Apple Care+加入時は2年以内)に性能が80%を切った場合は無償でバッテリーを交換することが可能で、1年を過ぎた場合でも8,800円(2018年12月末までは3,200円)でバッテリーを交換することができます。なお、Appleは、iPhoneを500回充電した後でも最大80%の性能を維持するよう設計していると説明しています。
iPhoneのバッテリーの交換費用や交換修理の申し込み方法は以下の記事で詳しく解説しています。
iPhoneの性能低下/速度低下をオフにする
iOS 11.3で追加される「バッテリーの状態」では、バッテリーの劣化状況や性能低下および速度低下の有無によって表示内容が以下のように変化します。
性能低下/速度低下をオフにするにはパフォーマンス管理が適用された場合の画面が表示された時に「無効にする…」をタップしましょう。なお、iOS 11.3へのアップデート直後は性能低下および速度低下は一律でオフになり、強制シャットダウンが発生するとオンになります。
パフォーマンスが正常な場合

お使いのバッテリーは、現在、標準のピークパフォーマンスに対応しています。
パフォーマンス管理が適用された場合

このiPhoneで、必要なピーク電力をバッテリーが供給できなくなったため、突然のシャットダウンが発生しました。この減少が再度発生しないように、パフォーマンス管理が適用されました。無効にする…
バッテリーの状態が不明な場合

このiPhoneでは、バッテリの状態を判定できません。バッテリーに関するサービスは、Apple正規サービスプロバイダが対応します。サービスオプションについての詳しい情報
パフォーマンス管理をオフにした場合

このiPhoneで、必要なピーク電力をバッテリーが供給できなくなったため、突然のシャットダウンが発生しました。パフォーマンス管理による保護を手動で無効にしています。
バッテリーが劣化している場合

お使いのバッテリーは著しく劣化しています。Apple正規サービスプロバイダでバッテリーを交換すると、最大限のパフォーマンスや容量を取り戻すことができます。サービスオプションについての詳しい情報…
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