日本時間7月10日、Appleが「iOS 11.4.1」をリリースした。アップデート内容を伝えるメッセージは不具合の修正やセキュリティの改善のみとなっているが、USBアクセサリの使用を制限するオプションが新たに追加されている。
iPhoneのロック解除ツールを制限する新しいオプションが追加
iPhone/iPad/iPod touchを「iOS 11.4.1」にアップデートすると、設定画面の「Face IDとパスコード」または「Touch IDとパスコード」に設定オプション「USBアクセサリ」が追加される。
この新しい設定オプションは初期状態でオフとなっていて、オプションの説明書きには“iPhoneがロックされてから1時間以上経ったときにUSBアクセサリを接続できるようにするにはiPhoneのロックを解除します”と記されている。つまり、iOS 11.4.1にアップデートすると、iPhoneがロックされてから1時間以上が経過した後にUSBアクセサリを接続してもロックを解除しないと動作しないというわけだ。以前の仕様に戻すにはオプションをオンにすれば良い。
このオプションが追加された背景にはアメリカで発生した銃乱射事件がある。容疑者はカリフォルニア州の障害者支援福祉施設で銃を乱射して複数人を殺害。容疑者も警察によって射殺された。事件解明のため裁判所はAppleに対し犯人が所有していたiPhoneのロックを解除するよう協力を要請したが、iPhoneのバックドア(不正規なシステム等への侵入経路)を作る行為は非常に危険としてこれを拒否。米連邦捜査局のFBIはAppleが拒否したことを受けてサードパーティのロック解除ツールを使った。
ロック解除ツールがある意味で正しい使われ方をすればまだ良いのかもしれないが、盗んだiPhoneのロックを解除するためにツールを使用する人も出てくるはずだ。Appleは「iOS 11.4.1」でUSBアクセサリのオプションを追加することでiOSのセキュリティを向上させたことになる。
なお、iPhoneなどのロックから1時間経過後にアクセサリを接続するケースは稀のため日常生活のなかで支障をきたすことはないだろう。
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