Appleが9月17日に配信を開始したiOS 18では、新しいなぞり入力(スワイプ入力)が追加されました。
従来のQWERTYキーボードを使った「日本語 – ローマ字入力」では、1つ1つの文字をタップして入力していましたが、新しいなぞり入力では、最初の文字をタップしたあと、次のキーまで指をすべらせて次々と文字を入力できます。
例えば「こんにちは」と入力する場合、kをタップした後、o→n→i→c→h→i→h→aと指をすべらせて次々と文字を入力できます。
なぞり入力の魅力
なぞり入力の魅力は、次々と文字を打ち込める気持ちよさです。特に長文入力時の気持ち良さは他の文字入力にはないものがあります。
重要なのは、タップ入力やフリック入力のように1つ1つの文字を正確に入力しようとしてはいけないということ。
小さすぎるキーを正確に入力することは不可能なため、間違ったら都度修正するのではなく、一気に大量の文字を打ち込んで予測変換に任せて、意図した変換候補がなければ修正する方が効率も良く、結果的に高速入力が可能になります。
となると予測変換の精度が重要になるわけですが、これがかなりイマイチで爆速入力はできません。使うごとに予測の精度が改善されている感覚はあるものの劇的な変化はなし。
それでも従来のタップ入力よりも効率的に文字入力できますが、フリック入力と比べてどうでしょうか。
なぞり入力とフリック入力の比較
まだ1日しか使っていませんが、フリック入力と比べて、なぞり入力の方が高速に文字を打てるとは感じませんでした。
同じ時間で入力できる文字数は少なく、1つ1つ文字を入力するフリックに比べて精度も悪いのでフリック入力には遠く及びません。
片方入力も使いにくいです。
日本語のローマ字入力では、母音の入力機会が多くなります。特に「a」と「i」の文字入力が多くなりますが、QWERTYキーボードでは「a」が左側の一番端にあり、「i」は右から3列目にあるため移動量が多くなります。
片手でiPhoneを持ちながら画面の端から端まで指を移動すると、デバイスが安定せず手から落ちそうになり、それを防ぐために力が入って手が疲れます。iPhone 16 Pro Maxのような画面が大きく重い機種だとなおさら大変。
また、フリックは両手入力が可能ですが、スワイプ入力は両手入力ができないため、両手持ち・片手入力が基本になります。
なぞり入力の課題
なぞり入力を使っていて感じた課題もあります。
1つ目は、キーボードに句読点キーや?、!が表示されないため、QWERTYキーボードと記号キーボードを行き来する必要があることです。
Appleもこの問題は認識しているようで、変換候補に句読点が頻繁に表示されますが、変換候補自体が表示されないことがそれなりにあるので、句読点をユーザー辞書に登録しておくと良いです。
もう1つは同じ文字が連続する場合です。
iine(いいね)やooi(多い)などの言葉を入力する際、通常のタップ入力であれば、同じキーを2回押すだけですが、なぞり入力ではどうしたら良いのか迷うことがありました。
予測変換に頼ることもできますが、結局、画面から指を離してスワイプ入力を中断して、タップ入力するのが最もカンタンだと思います。
まとめ
1つ1つの文字を入力するタップ入力やフリック入力に比べて、次々に文字を打ち込めるなぞり入力は「気持ち良さ」の面では優れています。
SNSに投稿する短文ではその効果を実感しにくいですが、ブログなどで長めの文章を書く際は、なぞり入力の気持ちよさを強く感じます。
おそらくフリック入力を挫折した人は、独特なキー配列と、キーをどの方向にフリックするとどの文字が入力されるのかを覚えられなかったと思いますが、なぞり入力で使うQWERTYキーボードならキーはすべて目の前に表示されているので、フリック入力よりもとっつきやすいと思うので、ぜひ試してみてはどうでしょうか。
なぞり入力を利用するには、iOS 18にアップデート後、設定画面から一般>キーボード>キーボード>新しいキーボードを追加>日本語 – ローマ字入力を選択します。
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