Appleが数週間後に公開するiOS 18では、Apple Intelligenceの導入によりAI機能が大幅に強化される予定です。
そのうちの1つがAndroidの消しゴムマジックに相当する「クリーンアップ」で、写真に写り込んだ不要なものを簡単に消すことが可能になります。
もともと消しゴムマジックはGoogle Pixelの独占機能でしたが、2023年にGoogle Oneの有料会員向けに提供が拡大。今年4月からは無料ユーザーでも回数限定で利用できるようになりました。
これにより、iPhoneユーザーは写真から不要なものを消すための2つのAIツールを手にできます。
どちらを利用するのかはその精度によって判断することにありそうですが、その参考になる比較結果が報告されています。
Android Policeによる比較調査では、5枚の写真を使用して評価されています。
なお、消しゴムマジックもクリーンアップも被写体を消すだけでなく、消した跡が不自然にならないようAIで生成して補完する点も重要であることを考えると、「正確な消去」と「自然な生成」という少なくとも2つの評価項目に分けることができます。
1枚目の写真では、球場で撮影された複数の人のなかから特定の人物だけを消しています。
「正確な消去」においては、どちらの機能も人は消えていますが、手にしていた缶だけが残っているため、ホラーのような写真になっています。
違いが大きかったのは、消した人物の境界近くの被写体の処理です。クリーンアップが消した人の境界近くにあるサイネージまで消えているのに対して、消しゴムマジックはサイネージが残っています。
「自然な生成」においては、消しゴムマジックでは、頭が3つに増えるなど、不自然な生成が目立ち、フェンス付近の生成も雑に見えます。
続く4枚の写真についても、明確な傾向を見つけることは難しいですが、クリーンアップは余分な部分まで消す一方で、生成能力は高い傾向が見られます。一方、消しゴムマジックは、消去範囲を最小限に抑えつつも、生成能力がやや低いように感じました。
いずれにしても明確な勝者と敗者は存在せず、手軽に使える方を選ぶことになるでしょう。
ただ、クリーンアップはベータ版であり、正式版のリリース時にはさらに改善されていることが期待できます。
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