数ヶ月にわたって開発が噂されていたAppleの「MagSafeバッテリーパック」がついに発表されました。
マグネットを活用したワイヤレス充電技術MagSafeを活用したバッテリーパックは、iPhone 12/iPhone 12 mini/iPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro Maxの背面に磁力でぴったり吸着するため、擬似的なバッテリー交換アイテムとして利用できるほか、MagSafe充電器としても利用できる便利な1台2役の製品です。
この記事では「MagSafeバッテリーパック」のバッテリー容量や充電速度、対応ケース、発熱の懸念、価格などをまとめています。
目次
デザイン
MagSafeバッテリーパックはiPhone 12シリーズの直線的なフラットエッジとは違う丸みのあるラウンドデザインを採用。
詳細な大きさは公開されていませんが、最もコンパクトなiPhone 12 miniに取り付けるとカメラ部分を除いた背面部分がすべてバッテリーパックで覆われます。厚みが気になるところですが、画像を見るかぎりではそれなりにあるようです。
カラーはホワイトのみ。表にはAppleのロゴがプリントされているためバッテリーパックを取り付けた時もAppleロゴが見えるようにデザインされています。MagSafeバッテリーパック本体やiPhoneを充電するためのLightning端子も備えています。
バッテリー容量
AppleはMagSafeバッテリーパックのバッテリー容量を公開していませんが製品本体に1460mAh(7.62V、11.3Wh)と書かれています。
iPhone 12シリーズのバッテリー容量は「iPhone 12 mini」が8.57Wh、「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」が10.78Wh、「iPhone 12 Pro Max」が14.13Whのため、単純に考えればiPhone 12 Pro Max以外は1回のフル充電が可能。
ただし、ワイヤレス充電は充電効率が悪くロスが大きいため、実際にどれぐらい充電できるのか発売前の時点では不明。充電時の環境や発熱の具合などによって大きく変わりそうです。
フル充電が期待できるのは「iPhone 12 mini」だけです。ただ、バッテリーパックは取り外しがカンタンでサイズも小さく持ち運びしやすいので複数個買ってもいいでしょう。実際にどれぐらい充電できるのかは製品到着後に追記します。
充電速度
MagSafeバッテリーパックは、外出時にiPhoneのバッテリーが切れた時にバッテリーパックとして使うだけではなく、自宅や職場でiPhoneを充電するためのMagSafe充電器として使うことができます。
バッテリーパックとして充電する時の出力は最大5Wで、以前までiPhoneのパッケージに付属されていたサイコロのような小さい電源アダプタとLightningケーブルを使用した時と同じ遅い充電スピードになります。ほとんどの使用方法がこれになります。
MagSafe充電器として使う時の出力は最大15Wで、4,950円で販売されている「MagSafe充電器」を使用した時と同じ充電スピードになります。なお、MagSafe充電器として利用する場合は20W以上の電源アダプタとLightning – USB-Cケーブルが必要です。
バッテリーパックとして使用 | MagSafe充電器として使用 | |
---|---|---|
充電方法 | MagSafeバッテリーパックをiPhoneに装着する | MagSafeバッテリーパックをiPhoneに装着して20W以上の電源アダプタとLightning – USB-Cケーブルで充電する |
最大出力 | 5W | 15W |
リバースワイヤレス充電
MagSafeバッテリーパックはリバースワイヤレス充電にも対応しています。これはiPhoneの充電完了後にMagSafeバッテリーパックの充電を始める時に動作するもので、残念ながらAirPodsなど他の製品を充電するものではありません。
リバースワイヤレス充電によって、MagSafeバッテリーパックを装着したあとiPhoneにLightning端子を接続して充電を開始すると、iPhoneが80%以上充電されたあとにiPhoneを通じてMagSafeバッテリーパックの充電が開始。最終的にはiPhoneとMagSafeバッテリーパックの両方をフル充電にできます。
充電状態の確認
MagSafeバッテリーパックの残量はホーム画面の一番左にある「今日の表示」やホーム画面に配置できるバッテリーウィジェットで確認できます。
iPhoneやApple Watch、AirPods、その他Bluetoothの製品と同じ並びでMagSafeバッテリーパックの残量が表示されます。なお、バッテリーウィジェットを追加する方法は以下の記事で解説しています。
懸念されるMagSafeの発熱
充電機能を備えたMagSafeアクセサリで懸念されるのは発熱です。「MagSafe充電器」は発熱によって充電効率が落ちてしまう残念な製品でした。MagSafeバッテリーパックはどうでしょうか。
AppleはMagSafeバッテリーパックによる充電中にiPhoneが若干温かくなることがあると案内していて、バッテリーが過剰に熱くなった場合はバッテリーの劣化を防いで寿命を延ばすために、ソフトウェアによって80%以上の充電を制限することがあると説明しています。
バッテリーの温度が下がると再びiPhoneの充電が再開するため、発熱した場合は涼しいところに移動して充電するよう呼びかけています。
また、MagSafeバッテリーパックを使用中に「iPhoneを90%までしか充電できません」という通知が表示されることがあるとのこと。90%以上充電するにはコントロールセンターから低電力モードのアイコンを長押しして「続ける」を選択する必要があります。
バッテリーの劣化を軽減するためにiPhoneを使い始めるまで充電量を80%まで制限する機能「バッテリー充電の最適化」がオンになっている場合はiPhoneがいつフル充電されるかを知らせる通知がロック画面に表示されます。通知を長押しして「今すぐ充電」を選択するとすぐにフル充電することができます。
対応ケース・アクセサリ
MagSafeバッテリーパックはiPhoneに直接装着するだけでなく、MagSafe対応ケースを装着したiPhoneでも使用できます。
ただし、クレジットカードなどをケースに収納している場合はワイヤレス充電によって磁気不良を起こす場合があるためケースを取り外すか、クレジットカードを取り除く必要があります。
MagSafe対応レザーケースの場合はワイヤレス充電によってレザーが収縮してケースに跡が付く可能性があるため、気になる場合は別のケースを利用するよう案内されています。
対応機種
MagSafeバッテリーパックの対応機種はMagSafeを導入した4製品。iOS 14.7以降にアップデートする必要があります。
- iPhone 12 Pro
- iPhone 12 Pro Max
- iPhone 12 mini
- iPhone 12
販売価格と発売日
MagSafeバッテリーパックはすでにApple公式サイトで注文が可能。14日時点の出荷日は3日〜5日営業日と案内されています。
今後はAmazonのApple公式ストアや楽天モバイルで販売されるかもしれません。
販売価格は税込み11,000円です。