2023年に発売されたスマートフォンのなかでも、GoogleのPixel 7aとSamsungのGalaxy S23は人気と評価の高い機種です。
価格と性能を抑えたモデルのPixel 7aと、フラグシップモデルであるGalaxy S23を比較することに否定的な意見もあるかもしれませんが、ここではどちらが優れているのかを比較することはなく、自分の用途ならどちらの機種を選ぶのが最適なのかを見つけるために、Pixel 7aとGalaxy S23の違いをまとめて比較しています。
ぜひ購入の参考にしてください。
目次
- Pixel 7aとGalaxy S23の違いを比較
- 価格と容量
- デザインとカラー
- 大きさと重さ
- ディスプレイ
- カメラ
- Tensor G2 vs Snapdragon 8 Gen2 for Galaxy
- 電池持ちとバッテリー容量
Pixel 7aとGalaxy S23の違いを比較
Google Pixel 7a | Galaxy S23 | |
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デザイン | ||
価格と容量 |
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素材 |
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サイズ |
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重さ | 193.5 g | 168 g |
ディスプレイ |
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カメラ |
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フロントカメラ |
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写真機能 |
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動画機能 |
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AI | ー |
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ベンチマーク | ー |
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チップセット |
| Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy |
メモリ | 8GB | 8GB |
バッテリー |
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ワイヤレス充電 |
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SIM |
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5G | Sub6 | Sub6・ミリ波 |
Wi-Fi |
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Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
FeliCa | ◯ | ◯ |
防水・防じん | IP67 | IP68 |
USB | 3.2 Gen 2 | 3.2 Gen 1 |
セキュリティ |
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センサー |
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位置情報 |
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アップデート保証 |
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同梱品 |
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価格と容量
Pixel 7aのGoogleストア価格は69,300円です。発売当時は62,700円でしたが、2023年11月に6,600円値上げされました。
また、ドコモとソフトバンクはPixel 8aの発売後に機種代金を5万円台に値下げしています。
Galaxy S23はキャリアから購入できます。機種代金は11万円から14万円の範囲で、機種代金には大きな差額があります。
Pixel 7aの価格
docomo | |
機種代金 | 販売なし |
負担金 | 販売なし |
au | |
機種代金 | 販売なし |
負担金 | 販売なし |
SoftBank | |
機種代金 | 55,440円 |
負担金 | 端末返却で24円毎月の支払額1円/月 |
UQ mobile | |
機種代金 | 販売なし |
負担金 | 販売なし |
Y!mobile | |
機種代金 | 55,440円 |
新規契約 | |
負担金 | 割引適用で36,720円毎月の支払額1,020円/月(36回) |
機種変更 | |
負担金 | 割引適用で55,440円毎月の支払額1,540円/月(36回) |
のりかえ | |
負担金 | 割引適用で27,720円毎月の支払額770円/月(36回) |
機種代金 | 69,300円 |
Galaxy S23の価格
docomo | |
機種代金 | 136,620円 |
負担金 | ▼23ヶ月目に返却83,820円毎月の支払額3,644円/月 |
au | |
機種代金 | 114,800円 |
負担金 | 端末返却で64,400円毎月の支払額2,800円/月 |
Rakuten | |
機種代金 | 147,700円 |
負担金 | 毎月の支払額6,154円/月 |
Samsung | |
機種代金 | 販売なし |
負担金 | 販売なし |
自分に最適な容量を調べる
容量はPixel 7aが128GBのみ、Galaxy S23が256GBのみです。
ほとんどの人は128GBで十分ですが、写真や動画をたくさん撮る人は256GB以上の容量が必要です。
現在使っているスマートフォンの容量と使用済み容量を以下の手順で確認して容量を決めましょう。
デザインとカラー
Galaxy S23は前作まで賛否あったコンターカットデザインを廃止。新たに金属リングで囲った3つのカメラレンズを縦に並べるシンプルなデザインを採用しました。
対するPixel 7aは評価が分かれる本体を横断するアルミニウム製のカメラバーを採用しています。
前面はどちらもパンチホールを採用。個人的には等幅感が強く、より薄型のベゼルを採用したGalaxy S23の方が好印象ですが、Pixel 7aでも十分だという人は多いでしょう。
ボディはどちらも防水・防じん対応です。
Galaxy S23はPixel 7aのIP67よりも1つグレードの高いIP68等級をサポートしています。
砂やホコリなど粉塵の侵入を防ぐ精度はどちらも同じですが、防水についてはPixel 7aが一定の水圧に対して一定時間(30分間)水中に沈めても影響を受けないのに対して、Galaxy S23は継続的に沈めても影響を受けません。
カラーはGalaxy S23がクリーム、ラベンダー、グリーン(日本では未発売)、ファントムブラックの4色、Pixel 7aがチャコール、スノー、シー、コーラル(オンラインや直営店限定)の4色をラインナップ。どちらも豊富な色から好みのカラーを選べます。
なお、Galaxy S23のカラーはこちらの記事で全色確認できます。
大きさと重さ
Galaxy S23は70.9mm、Pixel 7aは72.9mmで手に取ると大きな違いを感じます。
Galaxy S23は片手だけですべてのボタンを操作したい場合は少し大きめですが、ちょうど片手に収まるサイズ。
通勤・通学で毎日、満員電車に乗って片手操作を強いられるのであれば、よりコンパクトなGalaxy S23の方が良いでしょう。
重さは193.5gのPixel 7aに対して、Galaxy S23は約25gも軽量で、長時間ゲームをプレイしたり、動画を見る人にはGalaxy S23が適しています。
ディスプレイ
どちらも6.1インチ/フルHD+の有機ELディスプレイを搭載しています。縦横比もほぼ同じなので画面サイズにも大きな違いはありません。
画面のなめらかさ
対応のアプリや動画、スクロールなどの操作において画面がなめらかに表示されるリフレッシュレートはPixel 7aが最大90Hz、Galaxy S23は表示する内容や操作によってレートが48-120Hzで変化する消費電力も優しい仕様です。
画面の明るさ
これから日差しが強くなり、屋外でスマートフォンを操作するときに画面が見づらくなるため、ディスプレイの輝度(明るさ)はとても重要です。
Galaxy S23はHDRで1200ニト、ピークで1750ニト。
Pixel 7aの輝度については明らかにされていませんが、Googleによるとピーク輝度はPixel 6aに比べて25%も明るく、The Vergeは屋外でも快適に使用できるとレポートしています。
光度計を使用して画面の明るさを測定したtomsguideによると、ピーク輝度はPixel 7aが931ニト、Galaxy S23が1,158ニトを記録。Galaxy S23はカラートーンを調整することで見やすさを向上するビジョンブースターに対応しているため、屋外で利用することが多い場合はGalaxy S23を選んだ方が良いでしょう。
画面の耐久性
ディスプレイをキズから守るカバーガラスは、Pixel 7aのGorilla Glass 3に対して、Galaxy S23が最新のGorilla Glass Victus 2を採用しています。
Pixel 4aから続くGorilla Glass 3に対して、最新のGorilla Glass Victus 2は、22%のリサイクル素材を使用しながら前作比でキズに対する耐性をキープし、高さ1mからコンクリートに落としたり、高さ2mからアスファルトに落とすテストに合格するなど、コンクリートのような粗い表面への耐落下性能が向上しています。
カメラ
Galaxy S23は、50MPの広角レンズ、12MPの超広角レンズ、光学3倍ズームの望遠レンズで構成されるトリプルカメラを搭載。対するPixel 7aは64MPの広角レンズと13MPの超広角レンズで構成されるデュアルカメラを搭載しています。
ズーム撮影に強いのは?
スマホカメラ最大の弱点は遠くの被写体を記録するズーム撮影にあります。
最近ではAIを活用することで画質を向上していますが、基本的にはデジタルズームのため、倍率が一定を超えた時の画質の劣化は避けられません。
そこでGalaxy S23は望遠レンズを搭載することでズーム撮影時の画質劣化を解消。また、高画素センサーを活用した光学相当の2倍ズームもアップデートで追加されました。
Pixel 7aは光学相当の2倍ズームに対応しています。
以下は光学相当の2倍ズームで撮影した写真で、机の上の料理や手に持った被写体など手の届く範囲にあるものを撮影する時に、2倍ズームが活躍します。
なお、ポートレート撮影で光学相当の2倍ズームは利用できません。
優れたイメージセンサーは?
画質の良さは画素数だけでは決まらず、センサーサイズなど画素数より優先されるべきことがあります。
Galaxy S23のイメージセンサーは非公開ですが、Pixel 7に搭載されているISOCELL GN1の後継であるGN5をGalaxy S22から継続搭載している可能性が高く、廉価版のPixel 7aよりも優れているのは間違いありません。
1つ明らかなのはGalaxy S23のイメージセンサーはPixel 7aよりもセンサーサイズが大きく、光の取り込み量が多いため、暗所で撮影した時でもノイズが少なく明るい写真を記録できます。
重要なソフトウェア処理
ハードウェアだけでなくソフトウェアもスマホカメラの画質に大きな影響を与えています。
世界中から2000万票を集めたカメラテストで3位以下を大きく引き離して1位にPixel 6a、2位にPixel 7 Pro、5位にGalaxy S22 Ultraが選ばれたように、カメラのソフトウェア処理においてGoogleはかなり優秀です。
特に肌の色を正確に再現するリアルトーン、一眼レフのように背景を自然にぼかすポートレートモード、ノイズを大幅に低減して明るく撮れる夜間撮影、超解像ズームと高画素センサーを活用した光学2倍相当のズーム撮影も高く評価されています。
Googleはハードウェアの劣勢をソフトウェアである程度挽回することに成功しています。明るい日差しの下で撮影した写真であれば、見違えるほどの差はないでしょう。
一方で、Galaxy S23は、8K動画撮影、光学3倍ズーム、より遠くの被写体を撮影できる最大30倍のデジタルズーム(写真)と、最大20倍のデジタルズーム(動画)に対応するなど、Pixel 7aに比べて明らかに優れている機能もあります。
Galaxy S23のカメラ作例
Tensor G2 vs Snapdragon 8 Gen2 for Galaxy
Pixel 7aには、Googleの独自チップ「Google Tensor G2」が搭載されています。
機械学習の処理が60%も高速化したGoogle Tensor G2では、Googleフォトにアップロードした写真のピンボケを補正したり、音声入力にて絵文字が自動で提案されるサジェスト機能、絵文字の検索、ボイスメッセージの書き起こし、ボイスメモで話者を識別できるラベル機能など便利な機能を実現します。
対するGalaxy S23には、特別に最適化されたことで“世界最速のSnapdragon”を実現したSnapdragon 8 Gen2 for Galaxyが搭載されています。
前作に比べて基本的な操作の快適さに関わるCPUの性能は約50%、ゲームアプリなどの快適さに関わるGPUの性能は約100%も向上。性能を数値化したベンチマークスコアはGoogle Tensor G2よりも優秀です。
ゲームで遊ぶなど長時間負荷をかけると熱が発生し、故障の原因に繋がることから熱を下げるために性能を抑えようとします。
この時の性能を3D MarkのWild Life Stress Testで計測したところ、両機種とも30〜40%程度性能が低下することを確認しています。
ただし、Galaxy S23搭載のSnapdragon 8 Gen2 for Galaxyは元々の性能が高いことから、性能低下後のスコアがTensor G2のベストスコアを上回る結果になっています。
Galaxy S23は充電しながらゲームをプレイする際に、バッテリーを充電せずシステムに直接電力を供給することで発熱を大きく抑える「直接給電」にも対応するなど、ゲームを快適にプレイしたいのであれば、Galaxy S23をオススメします。
Snapdragon 8 Gen2 for Galaxy | Google Tensor G2 | |
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計測機種 | Galaxy S23 | Pixel 7 Pro |
3DMark Wild Life Extreme (GPU) |
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Geekbench 5 (CPU) |
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AnTuTu | 1,230,000前後 | 796,000前後 |
Wild Life Stress Test |
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電池持ちとバッテリー容量
スマートフォンの電池持ちはバッテリー容量と消費電力で決まります。
バッテリー容量はGalaxy S23の3,900mAhに対して、Pixel 7aは4,300mAhと大きな違いがあります。
消費電力に大きく関わるチップの電力効率において、Snapdragon 8 Gen 2の評価が高い一方で、Google Tensorの評価は低く、スマートフォンの中で最も消費電力の高い要素の1つであるディスプレイについては、Pixel 7aが90Hzの固定リフレッシュレートに対応するのに対して、Galaxy S23は映像をなめらかに表示しながら消費電力を抑える48-120Hzの可変リフレッシュレートに対応しています。
結果としてGSM Arenaのバッテリーテストでは、耐久性評価時間がPixel 7aは76時間に対して、Galaxy S23は101時間と大きな差があります。
Galaxy S23の電池持ち
実際の電池持ちはどうでしょうか。
筆者はGalaxy S23の電池持ちを高く評価していて、海外メディアのレビューにおいても、SamMobileはWi-Fi接続時であれば翌日の朝まで、4Gまたは5G接続時では当日の夜遅くまで使用できると評価し、Android Policeは1日中使用できた日も含めて平均で7〜8時間の画面オンを記録し、11時間以上の画面オンを記録したこともあるとして電池持ちはかなり優れているとレポートしています。
The Vergeも常時表示ディスプレイをオンに設定してWi-Fiを使用しない時間が長い日ーーつまり消費電力が高い日でも就寝前の電池残量は50%程度と報告するなど、電池持ちに不満が聞かれた、Galaxy S22|S21から大きく改善しました。
Pixel 7aの電池持ち
Pixel 7aの電池持ちについてThe Vergeは平均レベルと評価しています。具体的には3.5時間の画面オンで就寝時に25%まで低下し、長時間のゲームなど消費電力の大きな動作を行うとバッテリーの減りが早くなるようです。
Android Authorityも同じく平凡と評価していて、一度減り始めると急激に減っていくとのこと。
Android Policeの1人の編集員は10年間、Androidを見てきたなかで最悪の電池持ちと厳しい評価を下しています。そのほかの編集員は特に電池持ちを問題視しておらず、違いはスムーズディスプレイをオフにしていたことと、前の機種からデータ転送しなかったことをあげています。
なお、初期設定の状態では消費電力が高くなるスムーズディスプレイがオフになっているとのことで、GoogleはPixel 7aの電池持ちに自信がないことがうかがえます。
急速充電とワイヤレス充電
どちらも急速充電に対応しています。出力に違いはあるものの30分間で50%まで充電できる点は同じ。
充電パッドに置くだけで充電できるワイヤレス充電については、低出力仕様でフル充電までに3-4時間かかるPixel 7aに比べて、Galaxy S23は倍の出力による急速充電をサポート。背面にワイヤレス充電に対応したイヤホンを置くだけでスマホのバッテリーをシェアできるリバース充電にも対応しています。
まとめ:Pixel 7aとGalaxy S23どっちを買う?
Pixel 7aは前面にGorilla Glass 3、背面に複合プラスチックを採用した重めのボディに、光学相当2倍ズームが可能なビッグアップデートの64MPカメラとPixel Aシリーズとして初のリフレッシュレート90Hzのディスプレイ、ワイヤレス充電、顔認証にも対応。
Sub6の5Gと6GHz帯による高速安定なWi-Fi 6EとデュアルeSIMもサポートしています。
一方、高額なGalaxy S23は当然ながらあらゆる面においてPixel 7aを上回っています。
両面にガラスを採用した高級感があるボディはIP68等級の防水防じんに対応。軽量かつコンパクトで光学3倍ズームも楽しめるトリプルカメラ、なめらかで消費電力も抑えられるリフレッシュレート48-120Hz、屋外で見やすい高輝度のディスプレイを搭載。
出力が2倍の高速ワイヤレス充電、リバースチャージ、超音波式の指紋認証センサー、256GBのストレージ、ミリ波対応、優れたチップセットと発熱を抑えながら長時間ゲームや動画が楽しめる直接給電もサポート。電池持ちも高く評価されています。
どちらもセキュリティアップデートは5年保証、OSアップデートはPixel 7aが3年間、Galaxy S23は4世代で1バージョン分Galaxy S23の方が長く利用できます。
少し機種代金を上乗せして優れたスマートフォンを求めるのであればGalaxy S23を、安い機種代金でコスパに優れたスマートフォンを求めるのであれば、Pixel 7aがオススメです。
- 新トクするサポート(スタンダード)の負担金は、48回払いで購入後、25ヶ月目に特典利用を申し込みと機種返却が条件です。
- Y!mobile:契約するプランによって割引額が異なります
- いつでもカエドキプログラムの負担金は、24回払いで購入後、23ヶ月目までの特典利用の申し込みと機種返却が条件です。
- スマホトクするプログラムの負担金は、24回払いで購入後、13カ月目~25カ月目までの特典利用の申し込みと機種返却が条件です。