ソフトバンクが本日2月9日に都内で「2016年3月期 第3四半期 決算説明会」を開催し、説明会の中で孫会長は「ソフトバンクが一番つながる、速度も速い。これは事実です」とコメントしました。
ソフトバンク「世界一のネットワークと自負」「国内の通信事業は収穫期に入った」
国内の携帯電話事業は5,983億円の営業利益を記録。前期比で8%増となりました。孫氏は「頭打ちしたなど色々な説があるが、着実に利益を伸ばしている。インフラのベースができたことで、ソフトバンクらしいサービスをこれから上積みしていくことができる」と説明。
結果として、通信のARPU(加入者一人あたりの売上)は微減となったものの、サービスのARPUが増えたことで全体的に安定して推移したとのこと。
高い解約率が課題、解決策は「おうち割」
一方、2社に比べて高くなっている「解約率」を課題に挙げました。複数のサービス(携帯+固定回線など)を契約している場合は解約率が半減するとし、「おうち割」(携帯・固定・電気のセット割)の加入者を増やすことで解約率の減少を図るとのこと。
なお、携帯3社の解約率の比較推移は以下のとおりです。15.Q3はドコモが0.6、auが0.91、ソフトバンクが1.41。
「世界一のネットワークと自負している」
セット割による解約率の低下を図る一方、孫氏は「ソフトバンクが一番繋がる、通信速度も一番であることが認識されていない。我々の伝え方が不足している」と自社のアピール不足もあげました。
さらに「実態としてソフトバンクの携帯が一番つながる、一番平均速度も速い。これは事実です」「ソフトバンクの携帯を使っているユーザーのみなさんがつながらないと感じている人は最近はほとんどいないのではないか」「海外のどこの国に行っても日本ほど、ソフトバンクの回線ほど繋がる、しかもスピードも速い国を体験したことがない。世界一のネットワークと自負している」としました。
なお、先月携帯3社が公開した総務省主導の通信速度の実測値調査では、ソフトバンクの下り速度は3社中最下位になっています。
ドコモ | au | ソフトバンク | |||||
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iOS | Android | iOS | Android | iOS | Android | ||
中央値 | 下り | 70Mbps | 72Mbps | 73Mbps | 70Mbps | 57.7Mbps | 58.1Mbps |
上り | 21Mbps | 20Mbps | 6Mbps | 6Mbps | 22.3Mbps | 22.0Mbps | |
最大値 | 下り | 168Mbps | 228Mbps | 190Mbps | 183Mbps | 150.3Mbps | 150.3Mbps |
上り | 40Mbps | 38Mbps | 19Mbps | 19Mbps | 32.6Mbps | 31.8Mbps | |
最小値 | 下り | 10Mbps | 8Mbps | 9Mbps | 11Mbps | 12.2Mbps | 10.6Mbps |
上り | 1Mbps | 1Mbps | 1Mbps | 1Mbps | 1.58Mbps | 2.04Mbps |
ただ、「設備投資のピークは過ぎた。ここ4〜5年間は積極的に設備投資を行った。鉄塔(基地局)の建設に最もお金がかかるが、予定していたものが一通り終わり、国内の通信事業はついに収穫期に入った」ともコメントしており、今後の速度改善が気になるところです。
実質0円を導入した孫氏「僕は良いじゃないかと思うが従う」
1月末で廃止した「実質0円廃止」の影響について、前日に決算説明会を開催したauはショップの来客数について2割減は確実としましたが、ソフトバンクは駆け込み需要のあった1月末と比較するとガクンと減ったが、昨年同月比では大きな減少ではないとしました。
実質0円をいち早く導入した孫氏は「若い人が端末代金として最初に数万円のお金を支払うのが大きな負担になるため、良かれと思って提供した。ただ、ユーザー目線で見て改善なのか改悪なのか色々な議論はあるが、(0円販売の廃止は)負担が減るため経営的には悪くない」「割引が減った分は他で還元(還元内容はいろんな形を真剣に検討しているとのこと)し、結果的に総務省の意図した方向で改善されている」
「(世界一安くiPhoneが手に入る日本の状況を)僕は良いんじゃないかと思うが、従う。従うと言った以上はできるだけ実行する。」としました。