グーグルが、3月10日に「Android N」のデベロッパープレビュー版を公開し、新機能を明らかにしました。
当記事では、「Android N」の新機能と変更点をまとめています。
Android Nの新機能と変更点まとめ
- 1.マルチウィンドウ
- 2.通知
- 3.クイック設定パネル
- 4.Data Saver(データセーバー)
- 5.設定画面
- 6.ピクチャー・イン・ピクチャー(PIP)
- 7.ダイレクトブート
- 8.省電力機能「Doze」の強化
- 9.アプリのプログレスサークル
- 10.着信拒否
- 11.表示サイズの拡大変更
- 12.夜間モード
- 13.ブルーライトカット機能
- 14.「アプリの最適化」が大幅な高速化
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1.マルチウィンドウ
「マルチウィンドウ」は、ひとつの画面に複数のアプリを起動できる新機能で、スマートフォンでは上下または左右に2つのアプリを並べて起動することができます。
起動するアプリによっては、表示領域を自由に変更することも可能。
「マルチウィンドウ」は、アプリを起動している状態でタスクキーを長押しするか、アプリ一覧画面でアプリのサムネイルを長押し後、ドラッグ&ドロップすることで利用できます。
また、一方のウィンドウでテキストやURLをコピーして、別のウィンドウにペーストするといったことも可能になります。
2.通知
Android Lの通知機能は、デザインと操作性が大幅に変更されました。
通知のデザインでは、メッセージカードが横幅いっぱいに表示され、アプリのアイコンが表示されるようになったことで視認性が向上しています。
また、同じアプリ内の通知メッセージはグルーピングされ、通知を下にスワイプすると、メールの本文まで確認できるほか、通知時間をタップすると、「アーカイブ」「返信」といったアクションが表示され、アプリに遷移せずに操作することができます。
通知メッセージを少し横にスライドすると、設定アイコンが表示され、アイコンをタップすると、同じアプリから通知が来ても音が鳴らないように通知ごとにサイレントに設定したり、全ての通知をブロックすることができます。
また、ハングアウトなどのアプリでメッセージを受信すると、その場で返信・アーカイブ・再通知を選択することができます。返信を選ぶと、通知バーに返信内容を入力できるボックスが表示され、そのまま返信することができます。
3.クイック設定パネル
これまでのAndroidは、2回のスワイプ操作または2本の指で通知バーをスワイプすることで、クイック設定パネルが表示されましたが、Android Nでは、さらにカンタンにアクセスできるようになりました。
Android Nでは、通知バーを下にスワイプすると、各機能をオン/オフできるトグルキーが画面上部に表示されます。
トグルキーは、短押しによるオン/オフのほかに、長押しすることで、当該機能の設定画面にショートカットアクセスすることができます。
5つのトグルキーは、クイック設定パネルの左上から5つ以内に表示されるキーが表示されます。「EDIT」をタップすることで、トグルキーの入れ替えが可能です。
また、クイック設定パネルには、ページャー機能が追加され、横にスワイプしてページをめくることでこれまでのAndroidよりも多くのトグルキーを配置できるようになりました。
なお、Android Nのクイック設定パネルのAPIが、開発者に公開されました。Android 6.0で統一化されたインターフェースが、メーカーの手によって再びカスタマイズされることになりそうです。
4.Data Saver(データセーバー)
新機能の「データセーバー」は、モバイルデータ通信量を抑えるための機能です。
データセーバーがオンになると、バックグラウンドのモバイルデータ通信を制限するほか、ストリーミングのビットレート制限、画質の低下による消費量節約が実施されるとのこと。
アプリをホワイトリストに登録して、Data Saverを適用しないことも可能です。メッセンジャー系のアプリなどは積極的に登録した方が良いかもしれません。
5.設定画面
Android Nの設定画面は、デザイン・機能性が大幅に変更されています。
設定画面の最上部には、Dat Saverがオンになっていることを知らせる通知や、利用したいであろう候補が表示されます。Android Nをインストールしたばかりということもあるのか、「壁紙」設定が表示されていました。
各項目では、項目ごとの設定値が表示されるようになり、Wi-Fiでは接続しているアクセスポイント名、データ使用量では消費したデータ容量が表示されます。
トップ画面から階層を一つ進むと、ハンバーガーボタンとショートカットメニューが表示されるようになりました。
ハンバーガーボタンをタップするか、画面の左端から中央に向かってスワイプすることでショートカットメニューが表示されます。
これまでは、戻るキーになっており、異なる設定項目にアクセスするには、一度ホーム画面に戻る必要がありましたが、ショートカットメニューによって不要になりました。
6.ピクチャー・イン・ピクチャー
新機能の「ピクチャー・イン・ピクチャー」は、メインで起動しているアプリのレイヤー上のコーナーで動画を再生することができます。
なお、ピクチャー・イン・ピクチャーは、Android Nを搭載するAndroid TVで利用することができます。
7.ダイレクトブート
「ダイレクトブート」は、画面ロックを解除せずにアプリを直接起動できる新機能です。
目覚ましアプリが鳴っている時や、SMSが重要な通知をお知らせするなど、画面ロックを解除するのがわずらわしい場面がいくつかありますが、そんな時に役立つのが「ダイレクトブート」です。
なお、ダイレクトブート時は、機密データを含まないストレージにのみアクセスすることができ、写真や動画などプライベートなデータが保存されている通常のストレージにはアクセスできないため、セキュリティ上の問題はないとのこと。
8.省電力機能「Doze」の強化
Android 6.0の新機能として登場した「Doze」は、しばらくスマートフォンを使用しないと、自動的にスリープ状態に移行して、アプリの実行・ネット接続・同期処理などをストップさせて、消費電力を抑えるというものでした。
Android Nでは、ディスプレイがオフの状態でもDozeが動作するように適用範囲が拡大されるとのこと。具体的にはポケットに端末がある時とされています。
従来のDozeが、端末の位置の動きを検知してスリープ状態に移行していたとすれば、移動している時にはDozeが無効になっていたはずです。ディスプレイの状態を検知することで、ポケットに入れて動いている時でもDozeが有効になるということでしょうか。
9.アプリのプログレスサークル
これまで、アプリをダウンロードすると、Google Playのみでダウンロード状況を確認することができましたが、Android Nでは、ダウンロードを開始した時点でホーム画面にアプリが追加され、更新またはダウンロードの進行状況がわかるプログレスサークルが表示されます。
プログレスサークルは、アプリのアイコンによって色が変わるようになっています。
10.着信拒否
Androidの純正通話アプリや、純正SMSアプリで「着信拒否」機能を利用することができます。
ブロックした電話番号のリストは、デバイス間で共有できるほか、複数のアプリで利用することができるとのこと。
11.表示サイズの拡大変更
Android Nでは、画面の拡大機能にも力を入れており、セットアップ画面で「拡大操作」が新たに設置されたほか、「表示サイズ」の変更機能が追加されました。
表示サイズは、5段階から選択することができ、文字だけでなく、アプリのアイコン、ウィジェット、ツールバーに表示される戻る・ホーム・タスクキーなどのサイズも変更されます。
12.夜間モード
Android Nの隠し機能として「夜間モード」が追加されています。
システムUI調整ツールからオンにすることができ、Android 6.0で削除された「ダークテーマ」や、ティント調整、明るさ調整が用意されています。
また、場所や時間に応じて自動的に「夜間モード」に切り替えられるオプションが利用できるほか、クイック設定パネルに「夜間モード」のトグルキーが表示されます。
なお、ダークテーマが適用されるのは通知や設定のみとなっています。
13.ブルーライトカット機能
ブルーライトカット機能は「夜間モード」内で利用できる機能で、正式名称は「ティント調整」となっています。
ティント調整といえば、一般的に色合い調整となりますが、Android Nではオン・オフのみが可能で、スイッチをオンにすると、ディスプレイが黄色みをおび、睡眠導入に悪影響を与えるブルーライトがカットされます。
14.「アプリの最適化」が大幅な高速化
Android 5.0で、長らく採用されてきたDalvikから、Android-Run-Timeにランタイムが変更されたことで、再起動時にアプリの最適化処理が発生するようになりました。
これはアプリの実行コードを生成するコンパイラが、Just-In-Time(JIT)からAhead-Of-Time(AOT)に変更されたことによるものです。
JITは、アプリを起動する度に実行コードを生成し、AOTは、システムアップデートの再起動時に実行コードを生成するという特徴があります。
AOTへの変更によって、事前にアプリの最適化を実行することで、アプリの起動時間を高速化するといったメリットが生まれた一方で、システムアップデート時に全てのアプリの最適化処理が実行されるため、長い待ち時間が発生するといった新たなデメリットも生まれました。
スマートフォンを購入して電源を投入すると、たて続けにシステムアップデートを促され、そのたびに再起動と、時間のかかるアプリの最適化が実行されるため、購入当初から最悪のユーザー体験をすることになります。
Android Nでは、AOTを補完する目的でJITコンパイラが追加されたことによって、システムアップデート直後に発生するアプリの最適化処理が高速化されました。
また、アプリの最適化処理が分散化されたことによって、実行コードの容量が少なくなり、ストレージの容量節約と、アプリのアップデートも高速化されています。
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