Google、AIがスマホを操作する「Project Astra」を公開。自転車の修理方法から在庫確認まで
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

Google I/O 2025で、Androidスマートフォンを自ら操作するAIアシスタント「Project Astra」の最新プロトタイプが公開されました。
質問に答えるだけでなく、検索を行い、アプリを開いてまるで自分の分身のように行動する、そんなAIエージェントの姿が現実のものとして披露されました。
Googleアシスタントが登場した当初、多くのユーザーが思い描いていた理想の姿を、GoogleはGeminiを通じて少しずつ形にしようとしています。
自転車の修理方法や在庫の取り置き電話までサポート
これまではAIアシスタントに質問すると、検索エンジンを使って情報を収集し、AIで回答を生成していましたが、Project Astraで開発中の機能によって、アシスタント体験は劇的に進化します。
今回のデモでは、自転車のブレーキが故障したことを伝える場面からスタートします。
Project Astraを利用できるGemini Liveを起動し、「Huffy マウンテンバイクのユーザーマニュアル(PDF)を検索して」「ブレーキのところまでスクロールして」「ネジが緩んでいたみたい。YouTubeで修理の解説動画を検索して」などと音声でリクエスト。Astraはそれらのリクエストを難なくこなしています。

修理に必要な部品がわからなくなった場面では、過去の自転車店とのメールから情報を検索。スマホのカメラに映った複数のボックスの中から、該当する部品が入っているボックスを画面上でハイライトを表示します。また、近くの自転車店に必要な部品があるかをAstraに確認させています。

今度はブレーキパッドがすり減ったために、ユーザーマニュアルをブレーキパッドのところまでスクロールするよう伝えようとしますが、別の人に「ランチ行かない?」と話しかけられる場面も。Astraはその会話を適切にスルーし、ユーザーが再び指示を出すと、24ページに記載されていることを再度伝えています。
この間にAstraは在庫確認の電話を続けており、在庫があったことをユーザーに伝えています。
さらに、ペット用の自転車かごでがないかを尋ねると、過去のやり取りからペットの名前を覚えていて、とても似合うと思いますと自転車かごの検索画面を表示。記憶力と文脈理解の高さもアピールされています。
Last year we unveiled Project Astra on the #GoogleIO stage. See how it’s evolved since then — and what might be possible in the future. pic.twitter.com/ObMi7gFrrl
— Google (@Google) May 20, 2025
スマホのAIは、高性能なクラウドAIと個人データをスマホ内に留めて安全に利用できるオンデバイスAIの使い分けによって実現されていますが、今回のデモがオンデバイスAIのみで実現可能なのか、併用になるのかは不明です。
なお、Project Astraでテストされた機能は、Geminiアプリへ順次統合されていく見込み。今回のデモはあくまでもプロトタイプですが、将来的には、Geminiがスマホを操作して日常の面倒な作業を人間に代わってこなしてくれる存在になるかもしれません。
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