Apple、大規模アプデ「iOS 11.3」を今春リリース。電池劣化による性能低下オフなど新機能多数

Yusuke Sakakura更新日：2024/01/07 15:43

2018年1月25日、Appleが“ARKit、メッセージ、その他の機能が大幅にアップデート”する「iOS 11.3」を今春リリースすると発表しました。本日から開発者にはベータ版、テスターにはパブリックベータ版が先行提供されます。

バッテリー劣化による性能低下をオフできる新機能

iPhoneはバッテリーが劣化すると必要なピーク電力を供給できなくなり、電子部品を保護するためにシステムが強制的にシャットダウンします。

強制シャットダウンが定期的に発生すると、利用者が大きなストレスを抱えることから、AppleはiOS 10.2.1にてパフォーマンス管理機能を導入し、最大パフォーマンスをダイナミックに管理することで、強制シャットダウンが発生しないようにアップデートしました。

問題なのはAppleがパフォーマンス管理機能を導入したことと、同機能がオンになることが利用者に見える化されず、機能を無効化することもできないことです。

そこでiOS 11.3では、バッテリーが劣化しているかを確認して必要に応じてバッテリーを交換したり、パフォーマンス管理機能が動作しているかをチェックできるようになり、同機能を無効化することも可能になります。

iOS 11で追加されたARの開発キットが「ARKit 1.5」にバージョンアップします。

ARKit 1.5では、テーブルや椅子のような水平面に加えて、壁やドアのような垂直面も認識することで、その上に仮想オブジェクトを置くことが可能に。また、円形テーブルのような特殊な形の面も正確にマッピングできるようになります。

例えば、自宅の部屋にポスターや絵画をAR上に配置してレイアウトを確認することができます。

このほかにもカメラをプレビュー画面の解像度が50%も向上するほか、オートフォーカスをサポートすることでシャープな遠近感が実現されます。

Appleいわく爆発的な人気を呼んだ自分の声や顔の表情を記録して3D顔文字にアニメーションとして反映できる「アニ文字」に新たにライオン、クマ、ドラゴン、頭蓋骨の4種類が追加されます。

企業や商店と直接会話できる新しいコミュニケーション方法の「Business Chat」が追加されます。

Business Chatによって、サービス担当者との会話に加え、面会の予定を入れたり、Apple Payを使って支払いがメッセージアプリ内でカンタンにできるとのこと。

なお、利用者の連絡先は相手先の企業に伝わることはなく、会話は好きな時にやめられます。

ヘルスケアアプリに健康の記録をカンタンに確認できる新機能「Health Records」が追加されます。

取り組みに参加する医療機関の患者であれば、医療機関から集めた情報を整理してヘルスケアプリ内のひとつの場所で確認したり、検査結果や投薬、身体状態などに関する定期的な通知を受け取れます。

つまり、バラバラになっている医療データをヘルスケアプリが整理して、カンタンに確認ができます。

このほかにも「Apple Music」では、新着や旧作、お気に入りのアーティストなどすべてのミュージックビデオをすべてストリーミングで視聴可能に。「Apple News」では、For YouにVideoグループが追加。Top Storiesの機能向上によってその日の最も重要な映像で確認できます。

さらに、Advanced Mobile Location（AML）対応によって、対応する各国の警察や消防、救急などの緊急サービスに電話をかける時は、相手先に利用者の現在位置が自動的に送信されます。