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Google検索に「AIモード」が登場。検索結果とサイトを往復する“かったるさ”解消、メディアは大打撃か

Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura

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ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

2025/05/22 8:29

Google I/O 2025で、ようやくGoogleがAI検索機能「AIモード」を発表しました。

これまでのGoogle検索は、ブラウザやGoogleのウェブサイト上で検索ワードを入力し、リンクが並ぶ検索結果から自分で情報を探すという形でした。

しかし、AIモードでは、チャットのようなインターフェースを通じて、直接答えを得られる新しい検索体験が提供されます。

ChatGPTやPerplexityに対抗したAIモード

PerplexityやChatGPTのウェブ検索モードが登場して以降、Google検索の“かったるさ”は顕著になっていました。検索結果とサイトを行き来しながら情報を集めるのは時間も手間もかかり、効率が悪いと感じる人も多いはずです。

Googleはこうした流れに対抗する形で、検索結果の最上部にAIが情報をまとめた「AI概要」の提供を開始しました。

しかし、このAI概要は、情報の精度が低く、誤った内容を表示することも多くあります。また、AI概要で情報を確認した利用者はその情報源となったウェブサイトに訪れることなく、情報だけ使われてアクセスは得られないという誰も得しないLOSE-LOSE-LOSEな機能になっていました。

AIモードの検索体験:会話形式で“求めていた答え”が返ってくる

今回のAIモードは、そうしたGoogle検索の“かったるさ”を解消しようとするものです。

Google I/O 2025で実施されたデモでは「今週末に友達とナッシュビルで何か楽しみたい。グルメで音楽も好きだけど、にぎやかすぎるのは苦手で、静かな穴場スポットが好み」といった、趣味趣向を含む長文の検索クエリを入力。すると、画像や地図、クチコミ付きでニーズに合った検索結果を表示し、情報源のアイコンも表示されます。

Google検索のAIモード
Google検索のAIモード

さらに、検索画面の最下部に「ブランチは何かある?」と入力すれば、、それまでのやり取りからナッシュビルでおすすめのブランチを提案。従来のGoogle検索では、都度ナッシュビルや穴場スポットなどの検索ワードを繰り返し入力する必要がありましたが、AIモードでは一連の文脈を引き継いでくれます。

加えて、Gmailなどの他のGoogleサービスと連携し、過去の予約履歴や検索履歴に基づいて、テラス席のあるレストランを提案したり、航空機やホテルの予約情報に基づいて旅先でのイベント情報を提案することも可能です。

エージェント的な機能も搭載されており、「今週末のレッドズ戦のチケットを2枚、下段席で探して」と入力すれば、条件に合うチケットを表示して面倒なチケットの購入を効率化できます。

チケットの検索も簡単に
チケットの検索も簡単に

自らの広告モデルを揺るがすGoogleの決断

これまで検索ユーザーを検索結果に長く徘徊させ、より多くの広告を表示してクリックさせることで莫大な収益を得てきたGoogleが、自らのビジネスモデルを揺るがす仕様を導入したことは、大きな変化です。

AI検索の導入は、Googleだけでなく、検索ユーザー、そしてすべてのウェブサイト運営者にとっても大きな影響をもたらすでしょう。

特にウェブサイト運営者にとっては、検索からの流入が劇的に減る可能性があり、運営の継続が困難になるほどの大打撃を受けることも十分考えられます。

従来のGoogleの検索は、検索結果に掲載されたリンクからコンテンツにアクセスする構造でしたが、AIモードではコンテンツが先に表示され、そのコンテンツを作ったウェブサイトへのリンクはただの添え物になっています。

Googleは否定するかもしれませんが、実際のところ、情報を得たあとに情報源のリンクをクリックしてアクセスするような人は半数もいないでしょう。多くの検索ユーザーは目にも留めず、著名なメディアのロゴが並んでいれば「それなら間違いない」と思うだけです(そもそも著名なメディアのロゴ以外は並ばないでしょう)

コンテンツをタダで使われ、広告収入も見込めないウェブサイト運営者からは大きな批判があるでしょう。従来の検索結果の最上にアドオンする形のAI概要ですら強い批判があり、他社のAI検索にはすでに批判が寄せられています。

ただ、大手メディアであればGoogleと直接契約し、記事を提供することで収益を得られるかもしれません。ChatGPTはすでにそうしたライセンス提供の枠組みを整えていることを考えるとGoogleもそうするでしょう。

一方、筆者のような個人でウェブサイトを運営している場合、致命的な打撃になるでしょう。2023年秋の検索アップデートで、個人メディアはすでにGoogleの検索結果に表示されづらくなりました。そして今、AIモードの登場によってアクセスが得られないだけでなく、マネタイズまでも困難になるのですから。

なお、AIモードは、すでに米国で順次提供が始まっています。

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