AndroidでAirDrop解禁に歓喜。Appleはブロックするのか、それともできないのか
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

Googleが突如、AndroidのAirDrop対応を発表しました。
AirDropは、Handoffやユニバーサルクリップボードのような一部の人に刺さる機能ではなく、一般層まで広く浸透しているキラー機能のひとつ。
AirDropがあるからiPhoneを買っている、使っているという人もめずらしくなく、特に学生にとっては、親にiPhoneを買ってもらうための1番と言っても良い謳い文句です。
そのAirDropが、ついにAndroid側でも利用できるように——これは2025年にテック界で起きた出来事を語るうえで、間違いなく上位に入るビッグニュースです。
次に注目すべきはAppleがどう動くのかです。
今回のAndroidのAirDrop対応にAppleは一切協力していないGoogleの単独実装で、明日ブロックされても不思議ではありません。
AndroidのAirDrop対応はEUとDMAのおかげ?
Ars Technicaは、AndroidのAirDrop対応の背景にEUのデジタル市場法の存在があると伝えています。
EUはこれまでにもiPhoneからLightningを放棄させ、USB-Cへの移行を実現させましたが、今度はAirDropの通信にまで及んでいるとのこと。
具体的には、AirDropを含むAppleデバイス間の連携に使われている独自規格 Apple Wireless Direct Link(AWDL)を放棄させ、標準規格の「Wi-Fi Aware」を採用するよう求めています。
また、iOS 26でWi-Fi Aware 4.0対応を行い、遅くともその9ヶ月以内にWi-Fi Aware 5.0対応するといったタイムラインも掲げられています。
このタイムラインに従い、iOS 26でWi-Fi AwareのAPIが公開されています。
ただし、iOS 18以下でも“エアドロ”できる
Ars Technicaは、Wi-Fi Aware APIの動作要件をもとに、AndroidがAirDropと連携するのは、iOS/iPadOS 26以降にアップデートされたデバイスのみになる可能性が高いと指摘。
さらに、Wi-Fi Awareの対応機種からMacもAndroidとAirDropで連携できないとしています。
しかし、筆者はiOS 18以前のiPhoneやMacBookでも、Pixel 10とAirDropできることを確認しています。
つまり、GoogleはAppleの協力を得ない単独実装で、かつAPIも使っていないと予想されます。であれば、セキュリティ上の懸念を理由にAppleからブロックされても不思議ではありません。
ただしGoogleは、「今後対応機種をさらに拡大する」と強気の姿勢で、まるでブロックされない確信があるかのようです。ここにはDMAが規定する相互運用性の確保義務が関連しているのでしょうか。
AirDrop対応については、Nothingのカール・ペイCEOが興味を示し、Quick ShareをGoogleと共同で統合開発したSamsung(Galaxy)も早期に対応する可能性があります。
Androidメーカーが一斉に対応する前に、Appleがブロックするのか、それとも見過さざるを得ないのか——今後の動向が気になるところです。





















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