耳から落ちにくい新形状を採用し、新しい音楽体験の空間オーディオやダイナミックヘッドトラッキングに対応。シリーズ最長の電池持ちといった充実の進化ながら、販売価格が2万円前半で販売されたことで、ヒットが期待されていたAirPods(第3世代)ですが、思ったように販売台数を伸ばせていない可能性があります。
アナリストのMing-Chi Kuoによれば、Appleは2022年第2〜第3四半期(7月〜9月)の生産台数を3割以上も減らすことを決めたようです。理由については製品セグメンテーション戦略の失敗とのこと。
海外では値下げした前世代のAirPodsが人気?
昨年、AppleはAirPods(第3世代)の発売と同時に、前世代のAirPodsを値下げして販売を継続しました。KuoはAirPods(第3世代)の需要が値下げされた前世代よりも大幅に弱いと伝えています。
なお、今年秋にはAirPods Pro(第2世代)の販売が計画されているようですが、今回の戦略ミスを反省して、最新モデルの発売後に現行モデルの販売を終了する可能性があるようです。
It could be a wake-up call for AirPods.
— 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) (@mingchikuo) April 5, 2022
1. Consumers are not willing to spend an extra $50 for the new selling points of AirPods 3.
2. AirPods may only cost $249 at best without more innovative features. https://t.co/J56lBuvIfU
Kuoの分析では、多くのユーザーがAirPods(第3世代)の新しい形状や空間オーディオなどの新機能に前世代との差額(米で50ドル、日本では7,000円)ほど価値がないと考えていて、AirPods Pro(第2世代)により革新的な機能が搭載されなければ、今以上の価格(30,580円)に設定するのは難しいと指摘。
これまでの噂によれば、AirPods Pro(第2世代)は、コンパクトな新デザインでロスレスオーディオに対応、紛失時の発見に役立つスピーカー付きの充電ケース、フィットネストラッキング用のモーションセンサーが追加されると報じられています。
日本全国の家電量販店やECサイトの販売データをもとにしたヘッドホン・イヤホンの月間売れ筋ランキング(2022年3月)を確認したところ、AirPods Proが1位、有線イヤホンのEarPodsが2位、AirPods(第3世代)が3位、AirPods(第2世代)が5位にランクインしています。
2年以上前に発売されたAirPods Proと有線イヤホンに比べて、売れていない状況ではあるものの、少なくとも日本では(さらに限られたPOSデータでは)前世代のAirPodsに比べて需要が大幅に弱いという状況にはなっていません。
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