Appleが「AirTag」に最新版のファームウェア・アップデート(Ver1.0.301)の配信を開始しました。
通常、AppleはAirTagやAirPods向けのアップデート内容を公開しませんが、今回は自分の所有物ではないAirTagを検知した時に発する音をチューニングして、より簡単に特定できるようにしたことを明かしています。
「音が最も大きく聞こえるトーンをより多く使用」
AirTagは、鍵やサイフ、カバンなど大切なアイテムにつけて、どこかに置き忘れた時や盗まれた時にiPhoneやiPadから地図上で確認してどこにあるかを確認したり、音を鳴らしたりARを使って、机の引き出しの中やソファの下など詳細な位置まで特定できるアイテムです。
世界中のAppleデバイスが追跡するなど便利な一方、コインサイズで発見しにくく安価であることからAirTagが悪用されるケースも確認されており、ストーカー事件も多数発生しています。
これを受けてAppleは発売後に複数回のアップデートを実施。当初は持ち主から3日間離れるとAirTagから音が鳴る仕様でしたが、アップデートによって8〜24時間離れるとランダムで音が鳴る仕様に変更され、AirTagを使ったストーキングの標的になったAndroidユーザーを守るために専用のAndroidアプリもリリースされています。
今回のアップデートによってAirTagが発する音も改良されました。
ワシントン・ポストはAirTagの発売直後に、他人のAirTagが検出された時に鳴る音がわずか15秒間で音量も60db程度で、AirTag本体が振動して音が鳴る仕組みを採用しているため、本体を手で押さえればミュートできるとレポートしていました。
60dbの音量の目安は走行中の自動車内や騒がしい事務所の中、普通の会話といった程度で、子どもに持たせる防犯ブザーには85db以上という性能基準があることを考えると、音量は十分ではありません。
今回のアップデートでどのように音が改善されたのかについて具体的に説明されていないものの、Appleは今年2月に「音が最も大きく聞こえるトーンをより多く使用するようにトーンシーケンスを調整する」と音の改善を予告していました。
AirTagの音の調整:現在、不要な追跡のアラートを受け取っているiOSユーザーは、不明なAirTagを見つけやすくするために音を鳴らすことができます。Appleは、不明なAirTagをより簡単に見つけられるようにするため、音が最も大きく聞こえるトーンをより多く使用するようにトーンシーケンスを調整する予定です。
- 引用元
- Apple
なお、AirTagを最新版にアップデートするには、ペアリングしたiPhoneのバージョンをiOS 14.5以降にアップデートすると、AirTagがBluetoothの範囲内にあるときに自動で更新されます。