Googleが2022年第3四半期(1月〜3月)に「Android 12L」をリリースする予定です。
在宅ワークやオンライン学習の利用急増に伴い、Androidタブレットのアクティベーション台数が前年比20%増。折りたたみスマートフォンも前年比265%以上の成長を記録していますが、肝心のOSやAndroidアプリの多くが大画面に最適化されていません。
そういったなかで登場するのが折りたたみスマートフォンやタブレットなど大画面を搭載するデバイス向け「Android 12L」です。
Android 12Lでは、開発者向けにアプリを大画面デバイスに最適化できるように新しいAPIやツールを提供。ユーザー向けには、大画面で使いやすいインタフェースや大画面に複数のアプリを同時に起動できる便利なマルチタスク機能を提供します。
この記事ではAndroid 12の新機能と変更点をまとめています。
目次
- Android 12Lの対応機種
- 大画面に最適化したポップアップ表示に
- 画面分割モードのライブプレビューが無効化
- ユーザーの切り替えUI
- 画面分割がアプリ履歴に反映
- 壁紙のクイック変更
- キャスト映像の音量調整が改善
Android 12Lの対応機種
Android 12Lの対応機種について明確な案内はありませんが、「一般的に7インチ以上(600dp以上)の画面サイズを搭載するデバイス」向けに最適なインターフェースを提供することからAndroidタブレットや折りたたみスマートフォンに搭載されることになります。
ベータ版の段階ではLenovo Tab P12 Proタブレットにインストール可能。スマートフォンでもPixel 3a|3a XL|4|4 XL|4a|4a 5G|5|5aにインストールできますが、大画面向けのインターフェースは利用できません。
なお、今年10月に発売されたPixel 6|6 Proには今後提供予定と案内されています。- Pixel 3a|3a XL
- Pixel 4|4 XL
- Pixel 4a|4a 5G
- Pixel 5|5a
- Pixel 6|6 Pro
- Lenovo Tab P12 Pro
2列のレイアウトデザイン
Android 12Lでは、通知やロック画面、電源メニュー、設定画面、セットアップ画面など、多くの画面で新しい2列のレイアウトに変更されます。
マルチタスキング対応のタスクバーが導入
Androidタブレットの画面下部には、戻る・ホーム・アプリ履歴のボタンが表示されるか、ジェスチャー操作するためのバーが表示されていましたが、Android 12Lではアプリ起動時に新たにタスクバーが導入されます。
タスクバーに表示されたアプリをタップするだけで、表示するアプリを入れ替えできるだけでなく、ドラッグ&ドロップ操作ですぐに画面分割を利用できます。
また、サイズ変更に対応していないアプリであってもOSが自動でサイズを変更することで画面分割を利用できます。
画面分割モードのライブプレビューが無効化
1つの画面に2つのアプリを同時に起動できる「画面分割」では、分割バーをドラッグすることで表示サイズを調整できます。
Android 12では、表示サイズの調整中もアプリのプレビューが表示されますが、Android 12Lでは調整中に起動中のアプリのアイコンが表示されるようになりました。
ちょうどいいサイズを確認しながら変更できないため、ストレスが溜まりそうです。正式版では有効化されることを期待します。
画面分割がアプリ履歴に反映
画面分割がようやくアプリ履歴に対応しました。
これまでのAndroidでは画面分割を使用中に、他のアプリに切り替えようとすると、画面分割の下側に表示されているアプリを切り替えるか、画面分割を終了する必要がありましたが、Android 12Lでは、画面分割したウィンドウをそのままにしながら別のアプリに切り替えて、もう一度さっき使っていた画面分割に素早く戻すことができます。
大画面に最適化したポップアップ表示に
Android 12ではクイック設定から「インターネット」をタップすると、画面下部にカード形式で4G/5G/Wi-Fiのトグルボタンが表示されますが、Android 12Lでは画面中央にポップアップ形式でトグルボタンが表示されます。
スマートフォンでは画面下部に表示することで指が届きやすくなりますが、両手で操作することが多い大画面のタブレットでは画面下部よりも中央に表示した方が操作性は良いはず。
すべての設定がポップアップ表示に変更されるわけではなく、ベータ1の段階ではインターネットと画面収録、アカウント切り替えがポップアップに変更されています。
壁紙のクイック変更
ホーム画面を長押しすると、最近設定した5枚の壁紙が表示されます。これまでよりも格段に少ない手順で壁紙を変更することができます。
これはぜひAndroid 12にも実装して欲しい機能です。
キャスト映像の音量調整が改善
Android 12では、法的な問題(おそらくSonosとの特許侵害訴訟によるもの)を理由に、Chromecastなどへ動画などをキャストしてアプリから離れると、ソフトウェア上の音量調整パネルや物理的な音量キーを操作したキャストしたコンテンツの音量を調整できなくなりました。
キャスト機能のヘビーユーザーによっては非常に困る問題ですが、Android 12Lでは、キャストしたアプリから離れた後でも音量を調節することでできます。残念ながら音量キーでは直接的に操作できないもののソフトウェアの音量パネルから操作できます。この改善はおそらくAndroid 12にも反映されるはずです。