Apple、Siriの進化を加速させるためGeminiを採用か。年間10億ドルでGoogleと提携
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

2026年、進化したSiriがついに登場する予定です。
このパーソナライズ化されたSiriは、Apple Intelligenceの中核を担う存在で、AIがiPhoneの画面を認識したり、どのアプリで送ったかわからないメッセージを横断的に検索したり、「少し明るくして」といった音声操作で写真を編集して、メモアプリに添付するといった使い方が可能になります。
2024年の発表当初は革新的に見えたこれらの機能も、Appleが品質と信頼性の課題で提供を延期している間に、他社のAIはわずか1年で大きく進化し、同等のことをすでに実現しています。
急速にAIが進化するなかで1年以上も後追いだったAppleが遅れを取り戻すのは容易ではありません。そうした背景もあって、Appleは自社のAIにGoogleのGeminiを採用する決断を下した可能性があります。
Geminiを採用してSiriを強化へ
未発表のAppleの計画に詳しいBloombergのMark Gurmanのレポートによると、Appleは来年登場する新しいSiriを強化するため、GoogleのAIモデル「Gemini」を利用する見込みです。
Apple独自のクラウドモデルが約1,500億パラメータであるのに対し、Geminiは1.2兆パラメータを誇ります。
このパラメータ数はAIの知識の量を表す指標で、数が多いほど、より多くの情報を学習し、複雑な文脈を理解して正確に処理できるようになります。
なお、GeminiはApple Intelligenceと連携するChatGPTを置き換えたり、新たな連携オプションとして追加するものではありません。
Apple Inc. is planning to pay about $1 billion a year for an ultrapowerful 1.2 trillion parameter artificial intelligence model developed by Alphabet Inc.’s Google that would help run its long-promised overhaul of the Siri voice assistant, according to people with knowledge of the matter.The iPhone maker is banking on Google’s help to rebuild Siri’s underlying technology, setting the stage for a new slate of features next year. The Google model’s 1.2 trillion parameters — a measure of the AI software’s complexity — would dwarf the level of Apple’s current models.
- 引用元
- Bloomberg
報道によれば、Geminiの採用はあくまで一時的な措置であり、将来的にはAppleが独自に開発中の約1兆パラメータ規模の独自モデルへと移行する方針です。
気になる契約額は年間約10億ドル、日本円にしておよそ1,500億円超とされています。とはいえ、GoogleがAppleに支払うデフォルト検索エンジンの地位を維持するための年間約200億ドルに比べればわずかな金額にすぎません。
また、AppleはGeminiの採用について公表する予定はないとのことです。Samsungが「Galaxy AI」でGeminiとの連携を積極的にアピールしているのとは対照的に、Appleはあくまでも自社開発への移行を見据え、静かに戦略を進めるようです。





















コメントを残す