- ChatGPTが音声会話モードのクイック起動を開発中で、ホームボタンや電源ボタンの長押しを使います。
- 完全には実装されておらず、すぐに利用できるものではありません。ホットワード機能は対応できません。
- Open AIもクイック設定タイルを開発中で、ステータスバーなどをスワイプすることでアクセス可能です。
2023年のITトレンドは生成AIでした。生成AIブームは2024年も続くようで、Googleは「Assistant with Bard」のリリースを近く控えており、Samsungは今月18日に発表する新型スマートフォンGalaxy S24シリーズに「Galaxy AI」を搭載して、優れた写真撮影や画像編集、音声通話のリアルタイム翻訳を提供するようです。
生成AIをリードするのはブームの火付け役となったOpenAIが開発するChatGPTですが、ビジネスシーンでは利用されているものの一般利用はまだまだ。今後、普及拡大するためにスマートフォンなど、身近なハードウェアとの密な連携が必要です。
OpenAIはハードウェアを持たないため、スマートフォンメーカーと連携する可能性も考えられますが、まずはGoogleアシスタントを置き換えるための機能を開発しているようです。
音声会話のクイック起動に対応か
アプリ解析でおなじみのMishaal Rahmanは、先月リリースされたバージョン1.2023.352のChatGPTから新しいアクティビティ「com.openai.voice.assistant.AssistantActivity」を発見したと報告しています。
これはChatGPTを「デフォルトのデジタルアシスタントアプリ」として利用するために必要なアクティビティで、スマートフォンのホームボタンや電源ボタンを長押しすることで簡単に呼び出すことができます。Googleアシスタントはもちろんドコモのmy daizも対応している機能です。
Mishaal Rahmanは無効化されているChatGPTのアクティビティを手動で有効化したところ、すでにアプリで利用できる音声会話モードの起動時と同じうずまきアニメーションが表示されたとのこと。
このアニメーションは画面全体を占有しないオーバーレイ形式で表示されるためどの画面からでもChatGPTを起動して声で話しかけることが可能です。
Android Authority
なお、アニメーションとともに音声操作を要求する「Listen」のテキストとマイクのアイコンが表示されるものの、アシスタントアクティビティ自体は利用できず強制終了します。つまり、まだ完全実装には至っていないため、すぐに利用できるものではなさそうです。
ホットワードは利用できない
Mishaal Rahmanの報告によって、OpenAIがChatGPTの音声会話モードをAndroidスマートフォンのホームボタン/電源ボタンの長押し等でクイック起動できる機能を開発していることがわかりました。
どうせ音声で操作するのであれば「Hey ChatGPT」などのホットワードを使ってChatGPTの音声会話モードを利用したいところですが、ホットワード機能はプリインストールアプリなどの特権APIにアクセスする必要があるため、ChatGPTが対応することはできません。
サブスク限定でクイック設定にも対応か
OpenAIはホームボタン/電源ボタンの長押し以外にも、音声会話モードに簡単にアクセスできるようにステータスバーなどを数回スワイプすることでアクセスできるクイック設定タイルを開発しているようです。
この機能を利用するために月額20ドルを支払う価値があるのかわかりませんが、ChatGPT Plusに加入する必要があると報告されています。
競合続出の生成AI
記事の冒頭でも書いたようにChatGPTは生成AIのリーダーではあるものの競合は続出しています。
GoogleはPixel 8 ProにGemini nanoを導入し、近くAssistant with BardをAndroidに導入する予定。同じようにSamsungがチャットボット機能を持つGalaxy AIを搭載するようです。Appleもいずれは生成AIに対応したSiriを導入することになるでしょう。
今のところはChatGPTがリードしているものの、Google、Samsung、Appleといった強力なハードウェアを持ちながら、優れた生成AIを開発できる能力を持つビッグテックの存在は脅威的。今回発見された音声会話のクイック起動はChatGPTへのアクセスを容易にするものの、プリセットに勝つのは容易ではないことからスマートフォンメーカーとの協力を拡大することが予想されます。
ちなみに、ChatGPTに対応するアシスタント機能を搭載した世界初のスマートフォンとして「Infinix Note 30」が昨年発売されています。
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