11月5日、ドコモが2020-2021 冬春 新サービス・新商品発表会を開催。5Gのエリア拡大について説明を行った。
他社が4Gの周波数帯を転用して5Gエリアの拡大を目指すなかで、ドコモは高速・大容量を実現するピュアな5G用の新しい周波数帯にこだわってエリアを展開していく。現在はスポット展開に留まっているが2021年3月末までに急拡大するようだ。
新たな3つの周波数帯による“瞬速5G”
ドコモの吉澤社長は新たな価値の創出や社会課題の解決にあたって5Gネットワークの質が何よりも大切と説明。なかでも高速・大容量の通信を実現することが5Gでは重要とした。
高速・大容量の通信を実現するためにドコモは新たな3つの周波数帯にこだわってエリア構築を進める。
5Gは電波が届きにくい特性や衛生通信との干渉問題がある高周波数帯を利用するため、4Gに比べてエリア展開が遅くなる。そこで他社では4Gの周波数帯を転用して5G化しているが、この場合、あくまでも周波数帯は4G向けのため5Gが持つ高速・大容量という特性が消えてしまう。
5Gに繋がっているにも関わらず通信速度が4Gとなれば、ユーザー体験が大きく損なわれるため、まずは新たな3つの周波数帯にこだわってエリア構築を進めていくということだ。
なお、ドコモは新たな3つの周波数帯によって実現した高速・大容量の5Gを“瞬速5G”として展開していくことを発表した。
5G基地局の設置は順調。約半年後にはスポットからエリアに
5G基地局の設置については順調に進捗していることを報告。
2021年3月末には全政令指定都市を含む500都市で利用可能になり、2021年6月末には1万局に到達、2022年3月末には2万局に到達して瞬速5Gの人口カバー率が55%になる予定。この時期に全国1,000市町村で5Gが利用可能になるそうだ。2023年3月末には3万2千局に到達し、瞬速5Gの人口カバー率が70%になる。
ドコモが4日公開した5Gのエリアマップでは2020年10月30日/2021年3月末予定/2021年夏予定のマップを確認できるが、約半年後にはスポットからエリアと言えるまで拡大していることがわかる。
今年春にスタートした5G。この半年間でそれほど急拡大していないが、次の半年で急拡大する理由について高い出力によって広い範囲をカバーできるマクロ局の導入を夏を超えてから開始しているためと説明。
ドコモは5Gのエリア展開に2023年度までに1兆円を投資し、その後も継続的に投資をしてエリアの充実を図るという。
5Gのキャリアアグリゲーション開始
5Gの通信速度についてより高速なミリ波は受信時4.1Gbps/送信時480Mbpsに到達。2020年12月末には全都道府県でのミリ波の展開が完了するとのこと。
また、2020年12月には国内最速となる受信時最大4.2Gbpsを実現する5G周波数帯のキャリアアグリゲーション「Sub6-CA」がスタートする。対応機種として今季モデルの「Galaxy Note20 Ultra 5G」と「Xperia 5 II」が紹介されている。