グーグルがモバイル向けの通信サービスを提供するために米の通信事業者ベライゾンと交渉をしていると報じられてから約9ヶ月が経ち、その続報が飛び込んできました。
グーグルがモバイル向け通信サービスに参入との報道:通信回線とNexusデバイスのセット販売もあるか
海外メディアのThe Informationが3人の関係者から得た情報によると、グーグルがT-mobileとソフトバンクグループ傘下のスプリントが持つ回線を借り入れ、音声通話やデータ通信が利用できるモバイル向けの通信サービスを2015年内にも提供するそうです。
Google is preparing to sell mobile phone plans directly to customers and manage their calls and mobile data over a cellular network, according to three people with knowledge of the plans.
引用元:Google’s Next Telecom Move: Becoming a Wireless Carrier – The Information
グーグルは広告で収益を得る企業であり、スマートフォン向けのOSであるAndroidはグーグルのユーザーを増やし、広告の価値を高めるためのツールの1つと捉えることもできます。グーグルがモバイル向けの通信サービスを提供する目的は明らかになっていませんが、おそらくはAndroidやその他サービスと同じものではないでしょうか。
もちろん、Androidと回線サービスの相性は良く、オンラインストアのGoogle Playストアにてグーグルの回線とNexusデバイスをセットにして販売することも容易に考えることができます。
別の狙いとしては、グーグルの参入によって「高くて、遅くて、ホントに最悪だ」(孫正義氏談)と言われるアメリカのモバイル回線の通信料金を引き下げることで、ユーザーの満足度を向上させ、ネットの利用者を増やす狙いがあるのではないか、という声もあるようです。
2強の一角であるベライゾンから2弱のスプリント、T-mobileに
昨年4月の報道ではアメリカの携帯電話事業でAT&Tと”2強”を誇るベライゾンの回線を借り入れると報じられていましたが、グーグルを通信事業者として招き入れることはMNOにとってデメリットも多いと言われていたことから、”2弱”のスプリントとT-mobileに話を持ち込んだのかもしれません。
スプリントを買収したソフトバンクグループ代表の孫正義氏は、「アメリカのLTEはコストパフォーマンスが悪い。日本と同じようにアメリカの通信サービスを変える」と語っており、グーグルの方針と合致するものがあることから、その可能性は低くないように思えます。
さらに、ソフトバンクは昨年7月にグーグルに10年間勤務した最高事業責任者であるニケシュ・アローラ氏を引き抜き、スプリントと直接的な関係はないものの、SoftBank Internet and MediaのCEOとして迎え入れ、ソフトバンクのインターネットや通信事業を監督する立場になったことも興味深い出来事です。
今回の情報源はあくまでも関係者から得たものであり、噂レベルとなりますが、グーグルが新たな分野に進出するとなれば、また何かやってくれそうな期待を抱かざるを得ません。
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