Photo by Eric Langhorst
2010年から続く、Google vs Oracleの長期的なJavaやAndroidにまつわる訴訟。昨年の評決でGoogleが勝利しこれで終戦かと思いきや今度はOracleに有利な判決が出た。8年にわたる4回の裁判において3度逆転が起こるなど戦況は目まぐるしく変わっている。
Google、Java APIのフェアユースが認められず
2010年1月、当時Javaを所有していたSunをOracleが買収する。買収の数ヶ月後、Oracleは「GoogleのAndroidがJava APIを無断で使用している」としてGoogleを特許侵害と著作権侵害で提訴したところが長きに渡る訴訟の始まりだ。
最初の裁判では特許侵害は認められなかった。一部の著作権侵害は認められたものの賠償金は認められず、別の著作権侵害についても保護の対象外といった判決が下る。Oracleの完全敗北で幕を開けたが控訴審では著作権保護の対象と認められる判決が出た。
Googleは米国の著作権法で定められた「フェアユース」――公正な理由であれば著作権保護の対象物を権利者の許諾がなくても利用できる権利を主張すると連邦地裁はこれを認めて形勢が逆転。しかし、Techcrunchによれば2018年3月に実施されたOracleの控訴審においてフェアユースを認めないとの判決が下り再びOracleの勝利となったようだ。
Googleの親会社であるAlphabetのラリー・ペイジCEOはフェアユースが認められなかったJava APIの宣言コードの複製利用について「開発者の間で広く行われている普通のこと」と過去に発言しAPIにまで著作権が及ぶことを強く批判している。これは、今回の訴訟でGoogleが有利になるための発言であることはもちろん、今回の訴訟でGoogleが負けてしまえば多くの開発者が同様に訴えられ、損害賠償を求められる可能性があることを懸念したものだ。
今後の判決によってはGoogleが最大で1兆円もの巨額な賠償金を支払うことも大きなインパクトがあるが、それよりもAPIに著作権が及んだ判例を生むことの方がインパクトが大きいかもしれない
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