4月1日、AppleがiPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Maxで利用できるバッテリーの状態報告システムに不具合があり、今春リリース予定のiOS 14.5で解消すると説明した。
この不具合によってバッテリーの消耗が想定外に速いという症状やピークパフォーマンス性能が低下するといった事象もわずかながら報告されているとのこと。
iOS 14.5にアップデート後も解消されない場合は、バッテリーを無償で交換する。
「バッテリーの状態報告システム」と発生中の不具合
不具合が報告された「バッテリーの状態報告システム」は、iOS 11.3で追加された機能で、バッテリーの劣化やピークパフォーマンスの状態を表示して必要な場合はバッテリーの交換を推奨するというもの。
iPhoneのバッテリーが劣化すると突然シャットダウンする機会が多くなるため、iOSがiPhoneのパフォーマンスを意図的に低下させることで、強制シャットダウンを回避するパフォーマンス管理機能が備わっているが、Appleがこの機能をユーザーに隠れて提供していたことで大きな問題になり、ユーザー自身が状態を確認して機能をオフすることも可能になった。
Appleによれば、このバッテリーの状態報告システムに関してバッテリー状態の予測が精度を欠く症例が報告されているとのこと。
実際のバッテリーの状態に問題があるわけではないが、予測精度を欠いた状態ではバッテリー状態を正しく判断できないことから表示に不具合が発生していて、それを見たユーザーからはバッテリーの消耗(寿命)が想定外に速かったり、ピークパフォーマンス性能が低下している、との症例もわずかながら報告されているという。
バッテリー状態と、バッテリーが劣化している時に発動するピークパフォーマンス性能の低下はiPhoneの設定>バッテリー>バッテリーの状態から確認できる。
今春リリース予定のiOS 14.5で解消予定
予測精度を欠いたシステムは今春リリース予定のiOS 14.5で対処され、iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Maxではバッテリーの最大容量やピークパフォーマンス性能を再調整するとのこと。
再調整は定期的な充電サイクルの間に実施されるため数週間かかる場合もあるそうだ。
再調整中はアップデート前に表示されていたバッテリーの最大容量は変化しないが、ピークパフォーマンス性能については更新される場合がある(顕著ではないため気づかないことが多い)とのこと。
なお、再調整中に「現在、修理サービスを推奨することはできません」のメッセージが表示される場合もあるという。どういった条件でこのメッセージが表示されるのか明確な説明はないが、おそらくアップデート前にバッテリーが劣化したというメッセージが表示されていた場合だろう。
再調整が終わるまではバッテリーの状態報告が的確ではない可能性があるため、Appleは修理サービスの利用を推奨しないものと思われる。
無事、再調整が終わると、再調整中に表示されていたメッセージが消えて最大容量とピークパフォーマンス性能が更新されるが「再調整できませんでした」と表示される場合もある。
再調整できなかった場合は、バッテリーの修理サービスを案内するメッセージが表示されてバッテリーの無償交換が可能。
ピークパフォーマンスの低下はバッテリーの劣化によって発生するため、バッテリー交換によって本来のパフォーマンスが取り戻せる。
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