Perplexityは、AIと会話するようにやり取りしながら、知りたい情報を簡単に素早く調べられるAI検索サービスです。
求めていた答えにたどり着くまでのスピードについて、CEOのAravind Srinivasは従来の検索サービスを車、AI検索のPerplexityを新幹線に例えています。
また、答えを探せるGoogle検索をサーチエンジンと呼ぶのに対し、探した答えを生成AIを活用して簡潔にまとめるPerplexityを“アンサーエンジン”と呼んでいます。
この記事では、Perplexityの機能やできること、Google検索とChatGPTとの違い、使い方、料金まで詳しく説明します。
AI検索「Perplexity」とは?
Perplexityは2022年に登場したAI検索サービス。読み方はパープレキシティ、略称はパープレです。
米App Storeでは、2024年6月時点で5万件を超えるレビューを集め、5段階中4.9と高く評価されています。日本では2024年6月17日に発表されたソフトバンクとの提携発表によって注目を集めました。
Perplexityでは、チャットのような画面に調べたいことを入力してAIと会話するように検索できます。
例えば、ソフトバンクの料金プランについて調べたい場合、「ソフトバンクのオススメの無制限プランは?」と聞いてプラン名を確認したら、従来の検索サービスは都度質問がリセットされるため、「ペイトク無制限 料金」や「ペイトク無制限 評判」と毎回プラン名を入力して検索する必要がありました。
一方で、文脈も理解するPerplexityでは「ソフトバンクのオススメの無制限プランは?」「評判はどう?」「ドコモの無制限プランとどっちが安い?」と、毎回プラン名を入力しなくても会話のように検索ができます。
Google検索と何が違う?
AI検索と聞いて最も気になるのは、Google検索と何が違うのかだと思います。
CEOのAravind Srinivasは、Google検索のような従来型の検索サービスについて、質問に関連したリンクが羅列され、その中からいくつものリンクをクリックして記事を読み、自分が求めている答えかどうか確認する必要があるとし、この行為について“自分の質問に自分で答えている”と表現します。
対するPerplexityは、検索エンジンから得た多数のソースを生成AIを活用して表や画像を添えてわかりやすく要約するため、簡潔な答えを提供します。
つまり、Google検索は調べ物を探すことができるのに対して、AI検索のPerplexityでは検索に留まらず答えまで提示するということです。
検索体験においては、Google検索が検索ボックスに質問を一方的に入力するのに対して、Perplexityではチャットのような画面で質問が可能。過去に入力した質問や文脈も理解するため、AIと会話するように検索できることも大きな違いです。
ChatGPTと何が違う?
PerplexityとChatGPTには、多くの共通点があります。
チャットのような画面、文脈を理解する能力、情報をまとめる際に生成AIを活用するのも同じです。
実際に比較して感じるのは質問してから回答するまでの時間がChatGPT(GPT-4o)はめちゃくちゃ早いということ。
一方で、ChatGPTはどこから情報を持ってきたのかがわからないことがほとんど。出所確認できず、信ぴょう性という点ではPerplexityの方が優秀。ビジネス用途でも使いやすいと思います。
また、テキストだけでなく画像や動画も結果とともに表示してくれる点も嬉しいところ。
Perplexityは最新情報にも強く、発表されたばかりの最新スマホなども検索できます。
例えば、この記事を書いている約2時間前にリリースされたAndroid 15 ベータ3について聞いたところ、ChatGPTはAndroid 15については答えられたものの、ベータ3で追加された機能や変更については1つも回答できませんでした。
一方でPerplexityは、Android 15 ベータ3が6月18日にリリースされたこと、ファイナルAPIを含むプラットフォーム安定版に到達したことでアプリのAndroid 15対応テストが可能になったこと、新しいパスキー向けのUIや新しいAPIなどの細かなアップデートについても要点をまとめ、リリース時期が8月ごろになることも回答してくれます。
AI検索の仕組み
ソフトバンクの発表会でPerplexityにAI検索の仕組みについて軽く確認したところ、利用者の質問を理解する段階では自社の小規模モデルを使用。サイトをピックアップする検索エンジンも自社開発のエンジンを使用しているとのことでした。
会社の設立当初はリソースが足りなかったことから、検索エンジンにMicrosoftのBingを使用していたものの、現在はもう使用していません。
GPT-4oなどのAI(LLM)は、検索エンジンで得た複数のソースを1つにまとめて要約するために使用しているそうです。
つまり、検索サービスの入り口と出口にはAIが活用されていますが、回答の情報源となるソースを探す、集める行為は従来の検索サービスと同じように検索エンジンが使用さています。
Perplexityの特徴まとめ
ほかにもPerplexityには、以下のような特徴があります。
- 検索エンジンと生成AIを組み合わせた生成AI検索
- チャットのような画面でAIと対話しながら検索が可能
- 検索結果に関連性のある画像や動画も表示
- 回答内容の引用元をわかりやすく、細かく表示するためビジネスでも使いやすい
- 日本語にも対応
- ログイン不要。無料で使用可能
- より正確でより複雑な質問にも回答する有料プラン
- ウェブとアプリに対応
Perplexityでできること
生成AI検索のPerplexityで具体的に何ができるのか気になる人も多いと思うので、ここでは主な例をまとめておきます。
旅行の計画を立てる
旅行の計画を立てる時にGoogle検索を使用する場合、場所や料金、観光スポットなど調べることが多く、比較してまとめるのも大変ですが、生成AIを使って簡潔にまとめてくれるAI検索ならもう少し簡単に計画を立てることができます。
例えば、家族で休日に出かけたり、旅行に出かけるときに家族構成、予算、行き先(関東や関西といった広範囲でもOK)を入力すると、条件にもとづいておすすめの旅行プランを紹介してくれます。
この時に便利なのがコレクション機能。
家族旅行や休日のイベン先など計画を立てるたびに、家族構成などを毎回入力せずに、予算や行き先などを変えるだけで簡単にプランを立てることができます。
検索履歴はプランごとに保存されるため、後から見返すときも簡単です。
レシートの材料からレシピを検索
普通は何を食べるかを先に決めてから材料を買いますが、献立を決める上で何を食べるのか決めるのが最も面倒です。
そんなときは購入した材料が書かれているレシートを撮影してAIにレシピを提案してもらうのもいいかもしれません。
先に材料を購入することに抵抗があるなら、前回購入したレシートからレシピを教えてもらうといった使い方もできます。
購入するおすすめのスマホを教えてもらう
買い換えるスマートフォンで悩んでいる場合は違いとおすすめを教えてもらうこともできます。
デザイン・本体の質感・ディスプレイ・性能・電池持ち・カメラ・価格などを簡潔にまとめてくれます。
例えば、Pixel 8とPixel 8aの違いとどちらがおすすめか聞いたところ、高品質なディスプレイと優れたカメラ性能。高速な充電を求める場合はPixel 8がおすすめ、コスパを重視するならPixel 8aがおすすめであることを教えてくれました。
デートスポットを比較する
複数のデートスポットで迷っている場合は、違いを比較したり、どちらがおすすめか聞くこともできます。
例えば、同じ神奈川にある八景島シーパラダイスと江ノ島水族館の違いを聞いたところ、それぞれのスポットで何が楽しめるのか、おすすめのポイント、アクセス方法をまとめてくれます。
最後にアクティブに一日中楽しみたい場合は八景島シーパラダイス、美しいロケーションと学びを得たい場合、つまり大人なデートの場合は新江ノ島水族館がおすすめと教えてくれます。
スポーツの試合結果・個人成績も
スポーツの試合結果や大谷翔平の今日の成績などスタッツをわかりやすくまとめて欲しいときも便利に使えます。
例えば、「大谷翔平の今日の成績を教えて」と入力すると、試合日と対戦相手、打順とポジション、安打数・打点・盗塁数なども簡潔にまとめてくれました。
安打の内容を知りたかったので、続けて「ホームランは打った?」と聞いてみると2打席連続でホームランを打ったこと、第3打席には初級でライトスタンドに19号のソロホームランを打ったことなど具体的な内容も知ることができます。
スポーツの戦術解説も
スポーツをただ興奮しながら観戦するのも楽しいですが、戦術まで理解しているとまた違った楽しさを味わうことができます。
ただ、誰に聞いていいのかわからない、周りに応えられる人がいないことが多く、Google検索に聞いても内容を理解してまとめるために膨大な時間がかかります。
特に戦術が重要になるスポーツの1つがバスケットボールです。NBAのプレイオフやファイナルは戦術のやり合い、いわゆるチェスマッチが楽しめますが、知らないと楽しめません。
そこでPerplexityに「NBAファイナルゲーム5のコーチ戦略を教えて」と聞いてみると、勝利したチームがペースを落とすことで相手の速攻を封じたり、スリーポイントによってスペーシングを広げてアウトサイド/インサイドから多彩な方法で得点を挙げたり、ディフェンスからの速攻が重要だったことも教えてくれました。
もっと詳しく知りたい場合は「ディフェンス戦略について教えて」と聞くと、エースにダブルチーム、ほかの選手にはマンツーの使い分け、スイッチディフェンスを採用したことを教えてくれます。
「スイッチディフェンスについて教えて」と聞けば、基本的な概要やメリット・デメリットも教えてくれますし、「スイッチディフェンスの対策は?」と聞くと、高さやスピードのミスマッチを突くことが重要ということも教えてくれるので、次のゲームの予想を立てることもできます。
Perplexityの使い方
利用を始める
Perplexityの利用を始めるにはウェブで利用するか、アプリを利用します。以下の手順どおりログインも必要です。
テキストで検索する
最も利用する一般的なテキスト検索は以下の手順で利用できます。
音声で検索する
Perplexityは音声検索にも対応しています。以下の手順で認識する言語や自動音声検出などの音声モード、声を変えることもできます。
画像付きで検索する
レシートからレシピを提案してもらったり、SNSで見た写真の場所がどこなのかを特定できる画像付き検索は以下の手順で利用できます。
コレクション機能
家族構成などの毎回必要な情報の入力を省略したいときはコレクション機能を利用するのが便利です。
検索範囲を最適化する
Perplexityでは、学術論文やテキストとコードの生成、YouTube、海外フォーラムのRedditといった複数のソースから情報を検索しますが、情報源を絞ることもできます。
情報源が多いほど詳細かつ正確に知ることができますが、時間がかかるため情報源を減らして時間を節約して効率化したり、逆に情報源を絞ることで関連性を高めることもできます。
Perplexityの料金
Perplexityは無料で利用できますが、すべての機能を制限なしで利用するには、月額または年払いの有料プラン「Perplexity Pro」に加入する必要があります。
Perplexity Proとは?
Perplexity Proは高度な検索機能と優れた性能によって検索体験が向上する有料プランです。
具体的には、GPT-4oなど最新かつ高度なAIモデルを使用した検索の要約、より正確でより複雑な質問にも答えてくれる「プロ検索」、写真周辺のオススメスポットを検索したり、写真の場所がどこなのかを特定できるファイル分析、決算資料などのPDFを投稿して内容を要約することもできます。
なお、プロ検索については、海外向けのサポートページに1日あたり600回と記述されていたり、日本語向けの案内ページに1日あたり300回以上と記述されていたり、ソフトバンクの発表会の資料には無制限と書かれていたりバラバラでした。
料金はAndroid版が月額2,950円、年額29,500円。iOS版が月額3,000円、年額30,000円です。
無料 | 有料 | |
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AIモデル |
|
|
プロ検索 | 1日あたり上限5回?? | 無制限?1日あたり300回以上 |
音声検索・音声回答 | 音声入力のみ | 音声入力と音声読み上げ |
ファイル分析 | X |
|
APIクレジット | X | pplx-apiの毎月5ドル分のクレジット |
Discord | X | ◯ |
Proサポート | X | ◯ |
紹介報酬 | X | 友だち等に紹介すると上限10ドルの報酬 日本語版にはない? |
ソフトバンク/ワイモバイル/LINEMOなら1年間タダ!!
2024年6月17日にソフトバンクとPerplexityが戦略的提携を発表しました。
この提携によってソフトバンクの携帯ブランド、ソフトバンク/ワイモバイル/LINEMOユーザーなら2025年6月18日まで1年間無料でPerplexity Proを利用できます。
なお、LINEMOの料金プランは、ミニプランが月額990円、7月以降に提供される新料金プランのベストプランが3GBまで月額990円・10GBまで月額2,090円なので、Perplexity Proに単純加入するよりもLINEMOに加入した方が毎月3GBまたは10GBのギガが使えるのでお得です。
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