今年、日本に初上陸したXiaomiのハイエンドスマートフォン「Xiaomi 14 Ultra」は、Leicaと共同開発したカメラが大きな特徴で高い評価を受けました。
199,900円という価格が最大のネックになりましたが、Leicaのデジタルカメラが公式オンラインストアで最低20万円半ばで販売されていることを考慮すると、コストパフォーマンスの面で好印象の声も多く聞かれました。
それでも20万円近い価格はスマートフォンとしては高額であり、「ライカカメラとしてはお得、スマホとしては高い」というのが筆者の正直な感想です。一応キャリアも販売しましたが、オープンマーケットでの取り扱いで、負担を抑えられる端末購入サポートの対象外でした。
Xiaomi Japanの大沼社長も、高評価のを受けた一方で、より購入しやすいハイエンドスマートフォンが必要との声があったことを認めています。そこで登場するのがハイエンドクラスながら、より手ごろなTシリーズでライカカメラを搭載する「Xiaomi 14T」と「Xiaomi 14T Pro」です。
発表会で早速触ってきたのでフォトレポートをお届けします。
お手軽なライカカメラスマホ
Xiaomi 14Tシリーズには、どちらも「チタンデザイン」が採用されています。
ただ、チタンデザインといっても、iPhone 16 ProやGalaxy S24 Ultraのように軽量ながら耐久性に優れるチタニウムが採用されているわけではなく、あくまでも見た目のことであり、フレームの素材はアルミニウム合金です。
フレームの右側面には音量ボタンと電源ボタンが並びます。
電源ボタンには、テクスチャー加工が施されているため、目で見なくても指で簡単に識別でき、長押しでGeminiアプリを呼び出してAIアシスタント機能をどこからでもすぐに利用できます。
前面には薄型ベゼルが採用され、ディスプレイが極限まで拡大されています。Xiaomiによれば画面占有率は93.3%とのこと。
Xiaomi 14TとXiaomi 14T Proの見た目はほぼ同じですが、背面の素材と形状に違いがあります。
Xiaomi 14Tはプラスチックのフラットパネルを採用するのに対し、Xiaomi 14T Proは手になじみやすいカーブを描いた3Dガラスが使用されています。
カラーはどちらも3色展開です。
Xiaomi 14Tはチタングレー、チタンブルー、そして100%リサイクル素材を使用することで環境にも優しいヴィーガンレザーを使用したレモングリーンが用意されています。一方、Xiaomi 14T Proはチタングレーとチタンブルー、チタンブラックの3色です。
特に素材も色合いもユニークなレモングリーンと、チタンとはまた別の重厚感があるチタンブラックがおすすめです。
背面の左上にはライカと共同開発の大型のカメラユニットが搭載されています。
4つのレンズが並んでいるように見えますが、よくよく見ると1つはカメラに見せかけることでデザインに溶け込ませているフラッシュライトです。
ほかの3つはライカのSummilux(ズミルックス)レンズで、Xiaomi 13シリーズに採用されたSummicron(ズミクロン)よりも明るく、背景ボケの表現に優れています。
発表会後に行われた夜間撮影体験でXiaomi 14Tのライカカメラを実際に試してみました。以下がその作例です。
陽がかなり落ちていたにもかかわらず、明るく撮れていてノイズも効果的に低減されています。一方で、フォーカスの甘さや手ブレのしやすさ、合成ブレ、ディテールの低さが気になりました。また、超広角レンズに切り替えると色表現やディテールが劣化し画質は1-2段階下がってしまいます。
DXOMARKでも明るい環境下においてはポジティブに評価されていますが、暗所でのポジ評価はなし。ポートレートモードのボケ効果が不自然との指摘は筆者の感想とも一致します。
一方、GSM Arenaでは、4倍ズーム撮影についてはネガティブ評価でしたが、そのほかは暗所でもディテールやシャープネス、ダイナミックレンジが割と高く評価されています。ほぼすべてをナイトモードで撮影したとのことなので、暗所では積極的にナイトモードを使っていく必要があるのかもしれません。筆者の撮影環境では、ナイトモードが自動起動しませんでした。
画質に直結するイメージセンサーは、Xiaomi 14TにSony IMX906が採用されているのに対し、Xiaomi 14T ProにはXiaomi独自の「Light Fusion 900」が搭載されていますい。より大型のイメージセンサーは光の取り込み量が多く、夜間撮影において重要な明るさやノイズ低減に優れるため、夜間や暗所でも綺麗に撮影したいのであれば、上位モデルを選んだ方が良さそうです。
望遠レンズのズームとクロップズームの倍率にも違いがあり、Xiaomi 14T Proの2.6倍/5倍に対して、Xiaomi 14Tは少し短い2倍/4倍です。撮影体験は屋外で行われ、素材がポートレート中心だったこともあり、2倍だと足りないことも多く、4倍ズームを使うことが多かったです。
撮影時間はわずか10分程度だったので最終評価を下すことはできませんが、Xiaomi 14 Ultraのライカカメラとは別物なのは間違いありません。イメージセンサーやレンズ性能、オートフォーカスもハードウェアレベルで大きな差があるためです。
それでもライカのフィルタやライカ独自の色彩表現、写真の雰囲気を押し上げるウォーターマークも利用できます。他のシャオミスマートフォンのようにシャッター音も無音にできれば、周りを気にすることなく撮影を楽しめるはずです。
また、Xiaomi 14 Ultraでは対応していなかったおサイフケータイにも対応したことで日常利用しやすく、目の前で起きた瞬間をライカカメラで手軽に切り取ることができます。Xiaomi 14T Proはオープンマーケットでも販売される予定で、価格はXiaomi 14 Ultraの半額近くになります。
国内キャリアとして独占販売するソフトバンクは「お求めやすい価格で提供する予定です」と宣言しているので価格面も期待できるでしょう。
なお、Xiaomi 14T Proは、充電速度に特徴がある神ジューデンスマホとして販売される予定で、同梱された充電器を利用すると、わずか19分で100%充電することが可能。待望のワイヤレス充電にも対応します。
auとUQ mobileが独占販売するXiaomi 14Tの価格は現時点で未発表ですが、Xiaomi 14T Proの価格を考慮すると、10万円を切る可能性が高いです。また、オープンマーケットでの販売はないものの、auオンラインショップではau回線なしで端末のみ購入することも可能です。
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