YouTubeの広告ブロック返しで広告ブロッカーの削除件数が記録的に

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Yusuke Sakakura公開日:2023/11/04 8:00

YouTubeが今年5月から広告を非表示にするサービスを無効化するーーいわゆる“広告ブロック返し”の小規模なテストを開始し、数日前から世界的に展開されています。

日本では8月ごろに広告ブロック返しに遭遇したとの報告が確認され、この1-2ヶ月で報告数が急増しています。

広告ブロック返しは今生まれたわけではなく、数十年イタチごっこを繰り返して今も生き続けていることを理由に「今回も同じだろう」といった楽観的な声があったものの、広告ブロックサービスの提供側が敵対する相手はこれまでで最も巨大なGoogleであると筆者は警告していましたが、やはりこれまでにない大きな影響をもたらしているようです。

広告ブロッカーの削除件数が過去最高に

YouTubeが導入した広告ブロック返しはポップアップ画面を表示して動画の再生を許可せず、広告ブロックの利用がYouTubeの規約違反であることを説明し、広告ブロック機能を無効化するか、Googleが許可する方法で広告を非表示にできるYouTube Premiumへの加入を促すものです。

広告ブロック返しの仕様は複数回にわたってアップデートされていて、スリーストライク制タイマー導入など徐々に機能強化されています。

広告ブロック機能を提供する複数企業からの情報をもとにWIREDは広告ブロックの削除件数が記録的な数十万に到達したと伝えています。

数千万人のユーザーを抱えるAdGuardによれば、アンインストール件数は通常6,000件/日ですが、テストが拡大するにつれて増加し、10月9日以降は11,000件/日に到達。10月18日は52,000件/日まで急増したとのこと。

広告ブロッカーを提供するGhosteryは、広告ブロッカーを削除した理由を問うアンケートで9割のユーザーがYouTubeの仕様変更と答えたと明かしていることからも広告ブロック返しが大きな影響を与えていることがわかります。

一方で広告ブロッカーのインストール数も過去最高を記録したようです。

つまり、多くの人が広告ブロッカーの利用をやめることを断念したのではなく、別の広告ブロッカーに乗り換えて利用継続を選択したことになります。

乗り換えた先で広告ブロック返しを回避できたのか、回避できなかったのかはわかりません。

ただ、YouTubeは特定のツールを対象に広告ブロック返しを行っているわけではなく、ツールが適用するブロックルールを対象にしていることからツールを変えただけでは回避できず、ツールを入れ替えても同じ結果になることが予想されます。

いずれにしても広告ブロック返しを回避できるのか保証されていないツールにお金を払う人は多くないでしょう。

インストールした結果、広告が消えなかったという情報はアプリストアのレビューに書かれ、低評価が付いて敬遠されるはず。もちろん無料のツールにも影響を与えるはずですが、有料ツールへの打撃はより深いものになることが予想されます。

恐れられる規約違反によるアカウントBAN

携帯総合研究所に投稿された数百件のコメント欄では、あまりにも多くの広告、スキップできない広告、詐欺的なものを含む広告を回避することを目的に広告ブロッカーを利用しているといった声が多くありました。

その声はもっともです。広告ブロックに関係なくGoogleは広告の品質を見直すべきで、広告を挿入するタイミングもテレビやNetflixを見習って自然なシーンで挿入するよう改善が必要です。YouTubeはAIや機械学習を活用して自然な位置に広告を挿入しようとしていますが、Netflixと比較すると広告が表示されるタイミングは明らかに不自然です。

一方でブロックする側は悪質な広告だけを非表示にしたり、正当な広告だけを表示するのではなく、すべての広告をブロックして収益化の可能性を完全に摘み取る行為はやりすぎでした。他のサービスから広告を引き剥がして収益を横取りする有料ツールの存在は明らかな問題です。

YouTube Premiumに加入するユーザーからは広告ブロックユーザーのせいで料金が高くなっているのではないかとのコメントも寄せられました。

最終的にGoogleが勝利するのか、広告ブロック側が勝利するのか、両者でいい落とし所を見つけるのかはわかりませんが、長い戦いになりそうです。

Googleは奥の手を残しているように感じます。

広告ブロックを取り締まる理由を規約違反としていることから、何度も警告を行ったにも関わらず広告ブロックの利用をやめないGoogleアカウントをBANするのではないかと恐れる声もあります。

すべてのアカウントを対象にしなくても見せしめ的にいくつかのアカウントをBANしたり、アカウントへのアクセスを数ヶ月停止するだけでも大きな効果を生むはずです。多くの批判を受けるこの刀はなかなか抜けないはずですが、Googleが広告ブロッカーを撲滅しようと考えているのであれば可能性がゼロとは言えません。

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