Google、ChromeOSとAndroidの統合認める。10年前の噂が現実に──Pixelbook復活にも期待
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

昨年、Googleは教育市場で成功を収めているPC向けのオペレーティングシステム「ChromeOS」をAndroid上で構築する方針を発表しました。
具体的には、ChromeOSがAndroidのLinuxカーネルやフレームワーク、その他の基盤技術を活用することで、AI機能の拡充、開発効率の向上、Androidとの連携強化などを図るという内容です。
そして1年が経過した今、Androidエコシステム担当プレジデントのSameer Samat氏が、TechRadarのインタビューでさらに踏み込んで「統合する」と発言しています。
Samat氏はTechRadarのインタビューで、Apple WatchやMacBookを使用していた記者に対し、なぜそれらを使っているのかと逆質問しました。
これはAndroidの幹部を前に、なぜAndroid製品を使っていないのか?という意図ではありません。同氏はChromeOSとAndroidを1つのプラットフォームに統合する予定であることを明かし、ノートPCをどのように使っているのか、何をしているのか非常に興味があると語り、質問の背景を説明しています。
実はこのAndroidとChromeOSの統合は、10年以上前から噂されてきた話です。
当時、アメリカの教育市場では1日に約3万台のChromebookがアクティベーションされており、Netflixやスターバックス、そしてGoogle自身もChromebookを導入。米AmazonではベストセラーPCとして何度もランキングしていたことから「シェアが低く使われていないから統合する」といった見方を明確に否定していました。
一時は「Andromeda(アンドロメダ)」という新OSとして発表されるという噂もありましたが、結局それが実現することはなく10年が経過しています。
今回のインタビューでも、それ以上の具体的な情報は語られず、「統合する」という発言だけが国内外に広く拡散されています。
スマートフォン向けとPC向け、それぞれに最適化されたOSを1つにまとめるというのは、Googleにとっても利用者にとっても大きな影響があります。特に教育現場でChromebookを導入している関係者の中には、今回の発言を受けてSamat氏に統合への不安を示すコメントを送っている人も見受けられます。
Samat氏はその反響の大きさに触れたうえで、SNSにて2024年のGoogle公式ブログを引用し、あらためて「ChromeOSの体験をAndroidの基盤上に構築することで、新しいレベルのパフォーマンスを実現し、開発サイクルを加速させ、ノートPCとスマートフォンの連携をより強化していく」と説明しています。
要するに今回の「統合」という表現は、すでに発表していた方針を言い換えたものに過ぎません。
それでも、Googleが公の場で「統合」を認めたのは今回が初めて。10年以上にわたって囁かれてきたテーマだけに、そのインパクトはやはり大きいと言えるでしょう。
今後、統合が本格化すれば、Pixelbookのような純正ハードの復活にも期待できるかもしれません。
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