アップデート機能によってiPhoneが失うもの。
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

iPhoneに限らず、AndroidやWindows Mobileなどのスマートフォンにはソフトウェアのアップデート機能が備わっており、地域によってアップデートを適用できる時間に差は出来るものの、常に最新の状態のソフトウェアを使用することができます。
スマートフォンユーザーにとってはとても便利な機能ですが、iPhoneの場合、AndroidやWindows Mobileとは違って一つ弊害が生まれてしまいます。
それは、「新鮮さ」です。
この「新鮮さ」を失うのはiPhoneを使用する一部のユーザーです。
アップデート機能によりiPhoneの「新鮮さ」を失う人・・・それは現在iPhoneを使用しているユーザーです。
現在、iPhoneを使用していない人にとってiPhoneは新鮮そのもの。カメラも一つ一つのアプリケーションも全てを新鮮に感じる事ができます。しかし、現在iPhoneを使用している人にはそれを感じる事ができません。それはアップデート機能により常に最新のソフトウェアに触れているため、次世代のiPhoneが発売されてもどれぐらい進化したのか気づきにくい、または気付かないため。
AndroidやWindows Mobileは単なるOSであって端末ではありません。AndroidやWindows Mobileには多くの種類の端末が存在します。Androidでは「HT-03A」や「Droid」や「XPERIA X10」、Windows Mobileでは「W-ZERO3」や「HTC Magic」などです。
iPhoneの場合は、iPhone OSを採用している端末はiPhoneしかありません。
この違いがiPhoneが「新鮮さ」を失う理由です。
iPhone→iPhone 3GSではハードスペックが上がり、処理速度が飛躍的に向上したため既存のiPhoneユーザーでもiPhone 3GSに新鮮さを感じることはできたはずですが、来年発売される次世代iPhoneでも同じぐらいの新鮮さを感じられるかというと微妙。どちらかというと次世代iPhoneの大きな目玉は地図アプリのようです。
しかし、この地図アプリはアップデート機能によってiPhone OSを最新にすれば旧端末でも使用できるはず。
つまり、AppleがiPhoneのデザインやカメラなどのハードスペックに手を入れない限り既存のiPhoneユーザーが初めてiPhoneを購入した時、または携帯電話を買い換えた時の「新鮮さ」は感じられないでしょう。
既存のiPhoneユーザーもデザインの刷新を次世代iPhoneに望んでいるでしょう。Appleが生産コストの削減や地図アプリに力を入れるのも良いですが、iPod nanoの様に豊富なカラーバリエーションを取り入れたり、デザインを変更するなど、目に見えるハードスペックの変化を起こさないと既存のユーザーが次世代iPhoneに魅力を感じなくなるかもしれません。