- この記事は、急速充電のしきい値を7.5Wから20Wに引き上げるAndroidの新しい仕様について述べています。
- 新しい仕様により、一部のデバイスで7.5W出力を急速充電と勘違いする問題が解消される見込みです。
- ただし、この新しい定義情報は各メーカーがカスタム可能であり、実際の表示内容は統一されない可能性があります。
Androidデバイスは7.5W以上の出力で充電するとロック画面に「急速充電中」と表示します。
ほとんどの人は充電時の細かな出力は気にしていません。気にするのは急速充電に対応しているかどうかだけです。出力を気にしなくても充電時間が大きく変わらないのであれば問題ありませんが、出力によって充電時間は大きく変わります。
例えば、最近発売されたスマートフォンの多くが10W後半を超える出力に対応しており、なかには100Wや200W超える出力によって20分足らずで0%から100%まで充電できる機種もあります。
これらのことを考慮すると、7.5Wはあまりにも低い出力で「急速充電中」と表示するのは問題ですが、GoogleはAndroid 15にて修正する可能性があります。
7.5W出力を急速充電と勘違いさせる仕様が解消
Androidデバイスでは、Health HALを通じてバッテリーに内蔵されたセンサーから得られる情報(電池残量、電流、電圧など)を読み取り、定義情報を参照した上でロック画面に3段階の充電状態を表示します。
- 5W以下:低速充電中
- 5Wから7.5W:充電中
- 7.5W以上:急速充電中
現在の定義情報では5Wと7.5Wをしきい値として充電状態を表示しますが、リリースされたばかりのAndroid 15 ベータ3では、20Wを新たなしきい値とする定義情報が追加されています。
<!-- Threshold in micro watts below which a charger is rated as "slow"; 1A @ 5V -->
<integer name="config_chargingSlowlyThreshold">5000000</integer>
<!-- Threshold in micro watts above which a charger is rated as "fast"; 1.5A @ 5V -->
<integer name="config_chargingFastThreshold">7500000</integer>
<integer name="config_chargingFastThreshold_v2">20000000</integer>
SamsungやXiaomiは引き上げ済み
ラベル情報が不明なので、20W以上の出力で充電した時にロック画面にどのように表示されるかはわかりません。急速充電中を表示するしきい値を7.5Wから20Wに引き上げられるのか、超急速充電中など新たなラベルが追加される可能性も考えられます。
Android専門家のMishaal Rahmanによると、この定義情報はAOSPのデフォルトで各メーカーが変更することも可能とのこと。すでにSamsungやXiaomiといった7.5W出力をはるかに超えるスマートフォンを販売するメーカーはカスタムしています。
すべてのメーカーがカスタムしていれば、7.5W出力を急速充電と勘違いさせるような問題は起きないものの、おそらくそういった状況ではないはず。少なくともGoogleは7.5W出力を急速充電として表示しています。
ちなみに、Pixle 8aは18W出力、Pixel 8は27W出力、Pixel 8 Proは30W出力に対応。7.5W出力はPixel 8aのワイヤレス充電時の最大対応出力であることを考えても今の仕様は問題です。
Android 15 ベータ3の時点で新しい定義情報の存在は確認されているものの、参照自体はされておらず、正式リリースまでには2-4ヶ月あるため変更される可能性は十分にあります。
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