携帯の回線が切れる、バックグラウンドのアプリが強制終了する、キーボードがトラックパッドモードから戻らない、電池もちが悪くなる、、、などなどなど大量の不具合が発生している「iOS 13」
リリースから2ヶ月で8回のアップデートが提供されているが、これは昨年リリースされた「iOS 12」の2倍で、過去7年間において不名誉な最多記録。
Appleはこのような状況を改善するために、来年リリース予定の「iOS 14」では、新しいテスト手法を導入して品質の向上に取り組むようだ。
「iOS 14」、一部機能の搭載を延期か
Bloombergによると、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長であるクレイグ ・フェデリギが開発者とのミーティングで“とある変更”を発表したという。
“とある変更”はソフトウェア「フラグ」の導入。具体的にはデイリービルドと呼ばれるテストバージョンにおいて未完成および不具合の多い機能を初期状態では除外し、テスト担当者が専用のメニューから選択的に機能を有効化できるというもの。
まともな企業やまともな開発チームであれば当たり前に禁止されていることだが、Appleでは必要なテストが完了していない機能を毎日のように追加したり、毎週のように機能に対して変更を加えることがあったという。品質が安定せず、ソフトウェア全体の品質を把握することができない状態だったが、フラグの導入によって未完成および不具合の多い機能がシステム全体に及ぼす影響を最小限に抑えられ、不具合の箇所や原因を特定しやすくなる。
また、ソフトウェアの品質を0〜100点で評価する「ホワイトグローブ」を導入しているという。バグの多いシステムは60台前半、安定したものは80で評価されるが、iOS 13の評価はiOS 12よりも低かったそうだ。加えて開発中の機能品質をレッド・イエロー・グリーンの3段階で評価したり、不具合の影響度を0〜5段階で評価してソフトウェアの品質をできるだけ正確に把握できるという。
これらの新しい取り組みは2020年にリリースされるコードネーム“Azul”−−「iOS 14」に導入済み。iPadOS、watchOS、macOS、tvOSなどAppleが開発するすべてのOSにも適用される。
さらに、「iOS 14」ではパフォーマンスの改善に注力して同バージョンで追加予定だった一部の機能を2021年リリースと見られるコードネーム“Azul+1”の「iOS 15」まで延期することも検討しているようだ。ただ、それでも「iOS 14」に追加される新機能の規模は「iOS 13」に匹敵するという。
不具合のないシステムなど存在しないが、それにしても「iOS 13」は酷すぎた。来年の今ごろは不具合の少ない安定した「iOS 14」を使っていたい。