7月2日1時35分に発生した大規模な通信障害(影響規模は最大3,915万回線)によって、au、UQ mobile、povoといったKDDI系の通信サービスが利用しづらい状況が長時間続いていましたが、5日16時15分に完全復旧が発表されました。
障害が復旧するまで随時状況を更新していましたが、完全復旧の発表に伴い更新を停止します。通信障害の状況を報告する多数のコメントありがとうございました。
設備障害をきっかけにアクセス集中で利用しづらい状況に
KDDIによると、7月2日1時35分の設備障害をきっかけにVoLTE交換機でトラフィックの輻輳(通信回線にアクセスが集中して混み合うこと)が発生。
これにより、全国でau携帯電話、UQ mobile携帯電話、povo、au回線利用事業者の音声通信、ホームプラス電話、ホーム電話、auフェムトセル、SMS送受信など個人・法人の音声通話およびデータ通信が利用しづらい状況に。
障害発生直後、手元のpovoおよびUQ mobileの回線では、iPhoneの画面上に表示される電波レベルを示すアンテナのアイコンが圏外、または1本も立たない状態に。電波レベルが0本でもデータ通信は可能な状態が続いていました。
障害に伴い、KDDIお客さまセンターをはじめとする各問合せ窓口が混み合い、KDDIは「ご迷惑をおかけしますが、しばらくたってからおかけ直し頂くようお願い申し上げます」と案内してしました。
5日16時15分に完全復旧を発表
障害は全国的にデータ通信を中心に徐々に回復し、西日本エリアは7月3日11時ごろ、東日本エリアは同日17時30分ごろに復旧作業が終了。4日朝にデータ通信は概ね回復しました。
4日朝以降も負荷が下がらなかったため、音声通話が利用しづらい状況が継続していましたが、負荷の下がらなかった原因を特定し、4日昼に対象設備をシステムから切り離したことで、手元のau回線では4日13時30分すぎに音声通話やSMSの送受信が可能に。
4日16時すぎに音声通話とデータ通信が全国的にほぼ回復。5日15時36分に、個人・法人のサービス利用状況およびネットワークのトラフィックに問題がないことを最終確認したことで、5日16時15分に完全復旧が発表されました。
なお、完全復旧後も音声通話およびデータ通信が利用しづらい場合は、スマートフォンや携帯電話の電源オン・オフを、ホームプラス電話については専用アダプタのコンセントを抜き差しするよう呼びかけています。
通信障害に関する補償については今後検討する方針です。
au通信障害のタイムライン
7月2日(土) | ||
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01時35分 | 定期メンテナンス(ルーターの交換)をきっかけに通信障害が発生。KDDIの通信サービスが利用しづらい状況に | |
01時50分 | 音声通話が利用できないことから切り戻しを実施 | |
02時00分 | 事故対策本部の立ち上げ | |
02時17分 | 切り戻しによってVoLTE交換機に輻輳が発生(原因不明) | |
02時52分 | KDDIの公式サイトで障害情報を掲載 | |
03時00分〜15時22分 | VoLTE交換機の負荷低減を実施(流量制御も開始) | |
15時22分〜 | 加入者データベースの負荷低減を実施 | |
17時31分 | 加入者データベースのデータ不一致修正を開始 | |
7月3日(日) | ||
11時00分 | 西日本エリアで復旧作業(加入者DBのデータ不一致)が完了。利用しづらい状況は変わらず | |
17時30分 | 東日本エリアで復旧作業(加入者DBのデータ不一致)が完了。利用しづらい状況は変わらず | |
7月4日(月) | ||
午前中 | VoLTE交換機の18台中6台に不要な過剰信号の送出不具合が見つかる(原因不明) | |
12時18分〜13時18分 | 不具合が発生していたVoLTE交換機をシステムから切り離す→負荷が障害発生前と同じ水準まで軽減される | |
14時51分 | 負荷を軽減するためにかけていた50%の流量制御を段階的に解除→0%になったことで障害発生前と同じ規制のない状態に | |
15時00分 | 音声通話・データ通信の利用に問題ないことを確認(ほぼ回復) | |
7月5日(火) | ||
15時36分 | 個人・法人のサービス利用状況およびネットワークのトラヒック正常性に問題がないことを最終確認(完全復旧) |