通信障害でiPhoneの電波0本でもデータ通信可能、Androidは何もできない謎。KDDIが理由を説明
7月2日から長期的に続いているKDDIの通信障害によって、au系のサービスで音声通話やデータ通信が利用しづらい状況が60時間以上続いています。
Twitterなどのソーシャルメディアでは、iPhoneとAndroidで不具合の内容が違うと報告され、一時的に「アンドロイド」などのワードがTwitterのトレンドに上がっていました。
この謎についてKDDIが3日に開催した緊急会見にて、両OS、機種に関する仕様の違いを説明しています。
Androidは通話が利用できない場合はデータも利用できない
KDDIの説明によると、iPhoneは音声サービスが利用できない場合、電波の受信レベルを示すピクトアンテナが1本も立たないものの、(データ通信が利用可能な状態であれば)データ通信は可能とのこと。
これにより、iPhoneではLINEを使用して友だちと連絡を取ったり、インターネット電話のLINE電話を利用することが可能です。
実際に手元のiPhoneにpovo、UQ mobileの回線を契約したSIMまたはeSIMを設定したところ、障害発生時から今までデータ通信は可能。音声通話を利用すると「接続できませんでした」の画面が表示されて利用できない状態が続いています。
一方、Androidは機種によって動作は異なるものの、KDDIによれば基本的には輻輳(通信回線にアクセスが集中して混み合うこと)を起こして音声通話が利用できない場合、データ通信が利用できないよう閉鎖するような仕様とのこと。
[2022/07/05 13時追記]iPhoneとAndroidの動作の違いに関する質疑応答の内容全文は以下のとおりです。
記者:私の周囲では、iOSは繋がりやすく、Androidは繋がりやすい、など機種によっても色々状況が異なっていました。流量制御を行ったとのことですが、サービスごと、またはOSごとに流量制御をしていたのか教えてください。
KDDI高橋社長:端末によって振る舞いが違うという状況でした。Androidは機種が多いので、細かい話はさておいて基本的にiPhoneとAndroidの振る舞いが違った現象が出ていたようです。
iPhoneの場合は、音声が通らない場合でもデータは保持されるというシーケンスになっています。(iPhoneでは)ピクトアンテナが立たない状況になったんですが、その場合でもデータが使えるーー具体的にはLINEやLINE電話ができる、音声だけ止まったという現象に見えたようです。
一方、Androidでは、機種によって振る舞いが違うようですが、基本的には輻輳を起こして、音声が通らないという状況になるとデータの方も閉鎖してしまうという仕様になっているようで、Androidの端末については障害によって音声もデータも繋がらないという事象になったようです。一部シーケンスによってデータだけ繋がったメーカーさんもあったようですが、話が細かくなるので割愛させていただきます。以上です。
#au通信障害 会見
— Yusuke Sakakura🍎携帯総合研究所 (@xeno_twit) July 3, 2022
Q. iPhoneとAndroidで動きが違っていたが
iPhoneは音声が通らない場合はデータが保持される→ピクトが立たないがデータ通信ができる。音声だけが止まった
Androidは機種によって異なるが、輻輳を起こして音声が通らないとデータも閉鎖する仕様になっている
今後、通信障害が起きたときもiPhoneユーザーはアンテナレベルでサービスの利用可否を判断することなく、実際にデータ通信を利用するのが良さそうです。データ通信が利用できれば、メールやLINEはもちろん、LINE電話などのインターネット電話を使って家族と連絡を取り合うことも可能です。