きっかけはジョニー・アイブ。BALMUDAのLEDランタン「Sailing Lantern」

Yusuke Sakakura

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2025/10/23 21:50
きっかけはジョニー・アイブ。BALMUDAのLEDランタン「Sailing Lantern」

BALMUDAと元Appleの最高デザイン責任者のジョニー・アイブが協業した――。

このニュースを聞いたとき「なぜこの組み合わせなの?」と感じた人は多いと思います。

BALMUDAは、魅力的なデザインと独創的なアイデアでヒット家電を数多く生み出してきた企業。社長の寺尾氏はスティーブ・ジョブズとジョニー・アイブに憧れて会社を設立したことも明かしています。

一方のジョニー・アイブは、スティーブ・ジョブズと共にAppleで数々の革新的なデザインを手がけた人物で、2019年に退社後はデザインスタジオ「LoveFrom」を率いています。

デザインという共通点はあるものの、ランタンで協業して、それも55万円という高額なプロダクトに実際に販売するとは誰も想像できない動きです。

「BALMUDA The Store Aoyama」にて2025年11月9日まで展示会を開催するにあたり、バルミューダが事前にプレスイベントを実施。イベントで取材したところ、コラボレーションのきっかけはジョニー・アイブからのアプローチだったことがわかりました。

ランタンのベースはアイブが気に入ったBALMUDA The Lantern

きっかけは、ジョニー・アイブがBALMUDA The Store Aoyamaを訪れて、「BALMUDA The Lantern」を購入したことでした。

ランタンを気に入ったアイブ氏が、後日BALMUDAのサポート窓口に連絡を入れたそうです。2回目の連絡で寺尾玄社長に話が伝わり、両者の話し合いが始まったといいます。

Sailing Lantern
Sailing Lantern

BALMUDAとLoveFromは、どのように役割を分担してこのランタンを作り上げたのでしょうか。

ランタンのベースはアイブが気に入ったBALMUDA The Lanternです。

例えば、LEDランタンでは、光源を下に配置することが多いものの、BALMUDAでは上から下に光を照射することで、美しい暖色の灯りを実現していますが、この構造は「Sailing Lantern」にも採用されています。

また、調光のつまみを回すと暖色から温白色へと変化する点や、アイブがお気に入りと語る、ろうそくのような静かな消え方も同じです。

一方で、外観デザインはLove Fromが手がけ、素材も樹脂からガラス、光沢仕上げのステンレスへと変更されています。

役割は明確に分かれているわけではなく、より美しい光を実現するためにBALMUDAが提案を行い、それに対してアイブが「最高だ」と評価して採用されるなど、互いに意見や提案を交わしながら仕上げていったようです。

「BALMUDA The Lantern」と「Sailing Lantern」
「BALMUDA The Lantern」と「Sailing Lantern」

ベースモデルから樹脂パーツを減らして、質の高いステンレス素材を使用。

構造もシンプルで分解・修理・再組み立てが可能など、高い耐久性と修理性を兼ね備えています。担当者は「10年以上使ってほしい」としており、長く愛用されることを意識しているようです。

1000台限定で販売される55万円のランタン――そのターゲットも気になるところ。

デザインは航海用ランタンから着想を得たもので、アイブは「海洋環境に耐えられるように設計されている」と述べています。

水上はもちろん、家庭での使用も想定されていて、リビングやベッドルームで使うだけで空間がロマンティックになるとのことでした。

最後に今後のコラボレーションについて聞いてみたところ、現時点では何も決まっていないとのこと。ただ、大型モデルの展開も検討しているとかしていないとか…

ステンレスフレームが作る影も美しい
ステンレスフレームが作る影も美しい
Sailing Lanternの背面
Sailing Lanternの背面
Sailing Lanternの一部パーツ
Sailing Lanternの一部パーツ
Sailing Lanternの基盤
Sailing Lanternのバッテリー

ここだけで見られるBALMUDA製品開発の裏側

Sailing Lanternが展示されているイベントでは、BALMUDAのトースターやスピーカーなど、これまでの製品づくりの裏側が初めて公開されています。

開発中のトースター
開発データ

なかでも印象的だったのが、筆者も愛用しているコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」です。

会場には3Dプリンタで作られたモックアップも展示されており、製品版との違いを間近で確認できました。

例えば、モックでは5杯抽出を想定した大型のサーバーを採用していましたが、より美味しいところに絞るため、製品版では3杯抽出に変更されています。また、抽出の様子を見られるオープンドリップを実現するために、モックでは金属アームが可動する構造でしたが、製品版ではスライド式ドリッパーを採用し、デザイン要素として金属アームを残しています。

さらに、開発段階では抽出モードが1つでしたが、寺尾社長と開発メンバーの間で好みの味に違いがあったことから、STORONGとREGULARの2種類に分けられたという興味深いエピソードも聞くことができました。

BALMUDA製品を愛用している人はもちろん、興味がある人も楽しめる内容であること間違いなしです。入場料は無料で、2025年11月19日まで12時から18時まで開催されています。

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