相手とメールアドレスや電話番号、アカウントなどを交換せず、iPhoneやiPad、Mac間で写真や動画などのデータ/ファイルを共有できる「AirDrop」
少し前のAndroidにも同じ共有機能「Android Beam」が備わっていたが、Android 10で削除されてしまった。
現在のAndroidには手軽に共有する手段がなく、困っている人も多いはずだが、Googleは代替となる新機能「Fast Share」を開発しているようだ。
すべてのAndroidで利用できるデータ共有機能
Android 10で削除された「Android Beam」は、NFCを利用した共有機能としてAndroid 4.0 Ice Cream Sandwichで追加された。
転送速度が遅いことからAndroid 4.1 Jelly BeanではBluetoothによる転送に切り替えたが、カメラなどの劇的な進化もあってスマートフォンの扱うデータ量は膨大になり、Bluetoothによる転送でも時間がかかることから使われなくなっていた。
そこでGoogleはAndroid Beamを大幅に改善した代替機能「Fast Share」の開発に取り組んでいることがわかっている。機能そのものは今年6月に確認されていたものの正式版のAndroid 10には搭載されず開発状況が気になっていたが、Googleは今も開発を続けているようだ。
名前のとおり「Fast Share」は高速なデータ共有が特徴。転送速度の遅いBluetoothではなく、高速なWi-Fiを利用することでギガバイトクラスのデータも転送が可能になる。
同様の機能はGoogleが提供する「Files by Google」というアプリにも搭載されているが、データを共有する人と共有してもらう人がアプリをインストールしなければならないという面倒がある。一方、「Fast Share」は、Google Play開発者サービスのNearbyに含まれるーーつまりAndroidに組み込まれているため、お互いがアプリをインストールする必要はなく、25億台以上のアクティブデバイスで利用可能だ。
AirDropのような使いやすさ
XDA-developersによると、以前のFast Shareは設定画面の「Google」配下に設定項目があったが、最新版では「接続済みのデバイス」→「接続の設定」に移動したとのこと。設定だけでなく挙動にも変化があったようだ。
ファイルを共有・転送する際は、写真などを選択してシェアボタンをタップすると共有シートに「Fast Share」が表示される。選択すると最初は画面下部にセットアップ画面が表示されて共有時に利用するデバイス名や優先度(なし/一部の相手と共有する/すべて)を設定する。
設定を終えると「Fast Share」をオンにしているデバイスがスキャンされるため、リストから送信先をタップしたあと確認ボタンを押すと、受信側に通知が届いて受け入れるをタップするとデータの共有が始まる。
まさにAirDropのような使い勝手で利用できる機能だ。今のAndroidで写真や動画を共有する場合は、Googleフォトにアップロードして共有リンクをシェアする・・・といった手間がかかるが、「Fast Share」ならそういったわずらわしさが解消される。
ただし、「Fast Share」の正式な公開時期は不明。最新版では設定から送信、受信と一連の動きを確認できるものの実際にデータを共有することはできないため、近いうちに機能が追加されることはないかもしれない。
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