日本時間12月15日に配信されたiOS 14.2のアップデートで待望の新機能「Apple ProRAW」が追加されました。
ただし、iOSを最新版にアップデートするだけではApple ProRAWを利用することはできません。設定から変更が必要です。この記事では「Apple ProRAW」で撮る方法や使い方を解説します。
目次
Apple ProRAWとは?
Apple ProRAWは、写真の撮影後にハイライトやチャンネルミキサー、トーンマッピング、ホワイトバランス、シャープネスなどを自由に調整できるRAWの良さを維持しつつ、通常のRAW撮影では欠損するDeep FusionやスマートHDRも扱えるAppleが開発した新しい画像フォーマットです。
従来のJPEGでもホワイトバランスなどは調整できますが、1枚あたり数メガバイトのJPEGに対して25メガバイトと桁違いの情報を保持しているApple ProRAWとは調整できる項目や調整幅が大きく異なります。
撮影したApple ProRAW形式の写真は通常の写真アプリで編集が可能です。撮影は「iPhone 12 Pro」と「iPhone 12 Pro Max」のみ対応していますが、編集はiOS 14.3およびmacOS Big Sur 11.1にアップデートしたiPhoneやMacでも可能です。
今後登場するApple ProRAWに対応したサードパーティのアプリでは、標準の写真アプリよりも細かな編集が可能になるはずです。
- iPhone 12 Pro
- iPhone 12 Pro Max
Apple ProRAWをオン/オフする
- 1. 設定画面を起動
- 2. 「カメラ」に進む
- 3. 「フォーマット」を選択
- 4. 「Apple ProRAW」をオンにする
Apple ProRAWで撮る
- 1. iOS標準のカメラアプリを起動する
- 2. 画面右上の「RAW」アイコンをタップする
- 3. シャッターボタンをタップして撮影する
Apple ProRAWを編集する
Apple ProRAWで撮影した写真の編集はiOSとmacOS標準の写真アプリで編集が可能です。サードパーティのアプリでも編集可能ですが、Apple ProRAWに対応しているアプリが必要です。
Apple ProRAWに対応していないアプリで編集した場合はDeepFusionやスマートHDR3が無効化される恐れがあり、ただのRAW写真になります。
Apple ProRAWで撮影した写真をiOSまたはmacOS標準の写真アプリで編集する手順は以下のとおり。Macの写真アプリではトーンカーブなども利用して細かな編集が可能です。
なお、Apple ProRAWで撮影した写真と通常の写真を見分けるには左上に表示される「RAW」の文字を確認しましょう。
- 1. 写真アプリを起動
- 2. Apple ProRAWで撮影した写真を選択して左上にRAWと書かれていることを確認
- 3. 画面右上の「編集」をタップして各データを調整
- 4. 画面右下のチェックアイコンをタップして編集完了
- 1. 写真アプリを起動
- 2. 左のメニューから“アルバム”のメディアタイプにある「RAW」を選択
- 3. 編集する写真をダブルクリックする
- 4. 画面右上の「編集」をクリック
- 5. 右のメニューで写真を編集する
Apple ProRAWを共有、Macに転送する
Apple ProRAWで撮影した写真はAirDropでiPhoneやiPad、Macに共有できますが、編集後の写真はJPEGに圧縮されます。
圧縮せずオリジナルのDNG形式でApple ProRAWデータを維持したまま共有するには編集前にAirDropで共有しなければいけません。
また、自分のMacにApple ProRAWで撮影した写真を転送したい場合は、iCloud同期によって編集後の写真もApple ProRAWデータを維持したままMacに転送されます。
iCloudで同期されたApple ProRAWの写真は写真アプリで確認および編集が可能です。写真アプリから書き出す場合は以下の手順でApple ProRAWデータを維持したままMacに保存できます。なお、写真アプリの編集内容はリセットされます。
- 1. Macで写真アプリを起動
- 2. 左上に「RAW」と表示されたApple ProRAWの写真を選択
- 3. メニューバーの「ファイル」をクリック
- 4. 「書き出す」にマウスカーソルを合わせて「未編集のオリジナルを書き出す」をクリックする
よくある質問
Apple Proが効果的な撮影シーンは?
通常のRAW撮影では無効化されてしまう「スマートHDR3」や「DeepFusion」が有効になるシーンです。スマートHDRは明暗差の激しい時、DeepFusionはやや暗い場所で有効になります。
Apple ProRAWをオンにするとLive Photosがオフになります
Apple ProRAWで撮影する時はLive Photosは利用できません。
Apple ProRAWのボタンがありません
iOS 14.3にアップデートしてください。また、ポートレートやパノラマ、動画撮影モードでApple ProRAWは利用できません。
Apple ProRAWの容量は?
1枚あたり25MBです。JPEGやHEIFとは桁違いの容量なので容量不足にならないように気をつけましょう。
Apple ProRAWを共有するとJPEG形式になるけど対処方法は?
編集後の写真をAirDropで共有したり、メールで送信するとJPEGに圧縮される仕様です。写真アプリで編集したApple ProRAWは元に戻すこともできますが、編集内容を復元することはできません。写真を複製してから編集しましょう。
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