機種変更などでこれまで使っていたiPhoneのデータを新しいiPhoneに完璧に移行するには、事前に設定が必要になります。
おそらく最も知られているデータ移行方法のiCloudバックアップは、無料で5GBまでしか保存できません。事前に写真や動画を大量に削除した経験があると思いますが、現在はデータ移行に限定して無料かつ容量無制限でバックアップが可能です。
そんな感じでiPhoneのデータ移行には知られていないことが多数あって手順も複雑なので、この記事ではiPhoneのデータ移行する手順を画像付きでわかりやすく解説するなど必要なことをまとめました。
目次
iPhoneのデータ移行について知っておくべきこと
データ移行の方法は全部で3つ
iPhoneのデータを移行する方法は、iCloudにバックアップデータを保存できる「iCloudでバックアップ」、Windows PCのiTunesを使う方法、Macを使う方法、そして最もカンタンにデータ移行できる「データを転送」があります。
iPhoneを下取りに出したり、端末購入サポートプログラムを使って返却、メルカリなどで売ったなど、これまで使っていたiPhoneが手元にない場合はiCloudバックアップを、iPhoneが手元にある場合はデータ転送を利用するのがおすすめです。
- データを転送
- 最もカンタンなデータの移行方法。手元にこれまで使っていたiPhoneがある時は迷わずコレ
- iCloudでデータ移行
- AppleのクラウドサービスiCloudを使ってバックアップ/復元する方法。下取りに出すなど手元にiPhoneがない場合はコレ
- MacまたはWindows PCでデータ移行
- MacまたはWindows PCでバックアップ・復元する方法
データ移行とバックアップ・復元に含まれないもの
3つの方法すべてで、iPhoneのシステム全体を新しいiPhoneに移行することができますが、アプリによっては引き継がれないものが存在しています。
1つはLINEです。LINEのアカウントやトーク履歴を新しいiPhoneに引き継ぐには事前に設定が必要です。手順は以下の記事で詳しく解説しています。
もう1つはApple Payに登録したSuicaやPASMOです。これも事前に設定が必要になります。手順は以下の記事で確認してください
もう1つはゲームアプリです。ポケモンGOのようなIDとパスワードを入力してログインするだけで、新しいiPhoneにデータが引き継がれるゲームやパズドラのようなデータを転送とiCloudバックアップでデータが引き継がれるゲームもありますが、ウマ娘やモンストなどは事前設定が必要になります。
- LINEのアカウントとトーク履歴
- Apple Payに登録したSuicaやPASMO
- 一部のゲームアプリ
iPhoneのデータ移行のやり方
Apple Watchのペアリングを解除する
Apple Watchのデータは、基本的にペアリングしているiPhoneにバックアップされる仕組みです。
iPhoneとApple Watchが近くにある時に自動でバックアップされますが、iPhoneとのペアリングを解除すると同時にApple Watchのデータがバックアップされます。
Appleは新しいiPhoneのセットアップを始める前に、これまで使っていたiPhoneとApple Watchのペアリングを解除することを推奨しています。ペアリングを解除する手順は以下のとおりです。
- Apple Watchのペアリングを解除する
- Apple WatchとiPhoneを近づける
- iPhoneでWatchアプリを起動する
- 「マイウォッチ」タブに移動する
- 「すべてのWatch」に進む
- ペアリングを解除するApple Watchの横にある「i」ボタンをタップ
- 「Apple Watch とのペアリングを解除」をタップ
- GPS + Cellular モデルのモバイルデータ通信プランを削除するか選択する
- Apple IDのパスワードを入力してアクティベーションロックを無効化する
- “ペアリングを開始”のメッセージが表示されたら完了
なお、「Bluetooth のペアリング情報」「Apple WatchのApple Payで使っていたクレジットカードまたはデビットカード」「Apple Watch のパスコード」はバックアップ対象外なので、iPhoneのデータ移行が終わり次第、新たに設定する必要があります。
最もカンタンな「データ転送」でデータ移行する
2019年7月にリリースされた「iOS 12.4」で新しいデータ移行方法として「データ転送」が追加されました。
この機能が追加されるまで、これまで使っていたiPhoneから新しいiPhoneにデータを移行するには、バックアップを取ってから復元する必要がありましたが、新機能のデータ転送では事前にバックアップすることなく、ワンステップでデータを移行できます。
ただし、これまで使っていたiPhoneと新しいiPhoneの2台が手元にある必要があります。下取りに出したり、メルカリなどに出品するなどして古いiPhoneが手元から無くなる場合は、この方法は利用できません。
左: 新しいiPhone、右: 使用していたiPhone
左: 新しいiPhone、右: 使用していたiPhone
左: 新しいiPhone、右: 使用していたiPhone
左: 新しいiPhone、右: 使用していたiPhone
iCloudバックアップでデータ移行する
「iCloudバックアップ」は、Appleが提供するクラウドサービス「iCloud」を利用したバックアップ方法です。
これまで使っていたiPhoneのバックアップデータをiCloudに保存した後、新しいiPhoneにバックアップデータをiCloudからダウンロードして復元することでデータを移行できます。
iCloudを無料で利用している場合は、5GBまでしか保存できないため、バックアップするために写真や動画を削除する必要がありましたが、iOS 15以降は、容量無制限かつ無料で利用できます。
この無制限・無料のiCloudストレージは、iPhone買い替え時のデータ移行に利用を限定したもので、バックアップを開始した21日後に利用できなくなります。
iCloudにバックアップする
iPhoneを初期化する(必要な場合だけ)
iCloudバックアップを使って古いiPhoneから新しいiPhoneにデータを転送できるのは初期設定時のみです。iPhoneの初期設定が完了した場合は、以下の手順で初期化する必要があります。
- iPhoneを初期化する
- iPhoneの設定画面を起動
- 「一般」に進んで「転送またはiPhoneをリセット」を選択
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」を選択
- 「続ける」を選択してパスコードを入力
- Apple IDのパスワードを入力
- 「iPhoneを消去」をタップすると初期化が始まる