iPhoneの顔認証「Face ID」は顔が半分以上覆われるマスクを付けたままでは顔を本人か識別できず、正しく動作しない。
マスクが日常生活で必需品となってからは指紋認証「Touch ID」の復活を望む声も聞かれるが、Appleは顔認証のプロセスを改善するなどソフトウェアのチカラで解決できないか模索している。
ついに答えに近いものが導き出されたのかもしれない。Appleはマスクを付けていてもApple Watchを身に着けていればiPhoneの画面ロックを解除できる新機能を数週間後に配信されるiOS 14.5とwatchOS 7.4に追加するようだ。
Macで使える機能がiPhoneでも
Appleが2月2日に開発者向けに公開したベータ版のiOS 14.5とwatchOS 7.4に「UNLOCK WITH APPLE WATCH」を追加することがわかった。
設定画面から新機能をオンにしたあと、ロックを解除したApple Watchを身に着けた状態でiPhoneの顔認証が本人と認識すると、マスクをしたままでもiPhoneの画面ロックが解除される。
ロックを解除したApple Watchを身に着けていて、さらにペアリングされたiPhoneも近くにある=本人である可能性が非常に高いと判断し、Face IDの精度を落としてiPhoneの画面ロックを解除するという仕組みのようだ。
セキュリティが心配との声も聞かれそうだが、動作自体は既にMacで利用できる「Apple Watchを使ってアプリケーションとこのMacのロックを解除」と同じ。また、Androidにもスマートロックという同じ機能がある。この機能が悪用されて被害に遭ったという話は聞いたことがない。動作するとApple Watchが通知を行うため、意図せずいつの間にか解除されていたということはなさそうだ。
残念ながらApp StoreやApple Pay、Face IDを使用したアプリロックの解除、パスワードの自動入力時には動作しないとのこと。
正式版のiOS 14.5とwatchOS 7.4が配信される時期は不明だが、昨年リリースされたiOS 13.5はベータ版から正式配信までに約3週間かかっている。3月にはAppleがオンラインイベントを開催するとの噂もあることから新商品のタイミングに合わせて最新OSと新機能がリリースされる可能性も考えられる。
ようやく日本でも利用可能になった心電図機能の追加など、Apple Watchがますます便利になりそうだ。
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